マーケティングに向く脳とは
食とヘルスケアのマーケティングのサポートをしています。鯖缶を例にとると震災前は定価250円程度だった鯖缶が当時は100円ショップで売られていたり、避難用のリックサックにおざなりに入っているだけでした。毎日食べたいという方が少ないだけでなく、これってどう開けるのという問い合わせが来ていたほどでした。。
それの価値転換を実現したのがマーケティングPRを使ったプロモーションです。鯖缶には鯖のたんぱく質だけでなくその他の栄養が豊富に含まれているという価値。汁ごと使えばだしにもなし料理の味が決まるという利便性をわかりやすくアピールしました。意外な価値は缶詰は無添加であるということ。3年保存できるのでエコであるという点も受けました。煮込んだ骨が骨粗鬆症の予防になるというのも専門家がコメントして話題になりました。
それを理解した消費者は毎日の食事に鯖缶を取り入れ、数年後にツナ缶以上の消費量になりました。買い物に毎日行かなくてすむし、魚が手軽に摂れてメインのおかずで250円という価格も安く感じられてスーパーの棚から鯖缶が無くなりました。10年経っても変わらない価値を維持しています。
但しこれは鯖缶側が変わったのではなくて、鯖缶のもともとある価値を引き出しただけです。
そしてマーケッターが価値転換を可能にするのはプラス思考です。「こんなとこいいよね」とか「こうしたら便利」とか「こう使ってほしい」というイメージがあることが大切なんです。
作っている人や続けている人にリスペクトがあり「こんな工夫があったんだ」を共感できる共感力があること。そして使っている人や買っている人に感謝の気持ちがもてること。そして「この人が長く愛してくれるために何が必要か」をみつけられる思考の人です。
前向き思考がないといろいろな調査の羅列の数字が平坦なものに見えたり、他の部署の批判を繰り返したり、出来ない理由を探して手を動かしたり知恵を出しません。資産を理解してそれを最大化できることがマーケティング脳です。
マーケティングとは消費者や流通も含めて色々な人を巻き込んで繋げる仕事。社内で言えば生産者や製造現場と共存できないといけません。上が言っているから仕方ないを繰り返す人。それに乗っかって何もやらない人は向かないと思います。
成功する人は前向きなプラス思考をもちながら現状を把握してよい方向に向けることができます。プラス思考は性格と関係ないので思考のトレーニングで身に着けられます。