『戦国大名大友氏の権力構造』(八木直樹著)を刊行します
皆さまこんにちは、戎光祥出版の丸山です。
記事タイトルにあるように、八木直樹著『戦国大名大友氏の権力構造』(戎光祥研究叢書20)を2021年3月下旬に刊行することになりました。
本書の概要は下記の通りです。
著者:八木直樹(大分大学准教授)
体裁:A5版・上製・カバー装
ページ数:554ページ
ISBN:978-4-86403-379-4
【目次】
序章 本書の課題と構成
第一部 権力中枢と領国支配の構造
第一章 当主判物の発給過程と年寄制
第二章 権力中枢における取次と当主側近の役割
第三章 方分による取次と国人
第四章 領国支配における検使の役割
第二部 宗麟・義統と豊後府内・臼杵
第一章 城下町移転後の豊後府内と臼杵
第二章 臼杵移転の背景と家臣団
第三章 軍事的動向からみた耳川大敗後における義統・宗麟の居所
第四章 二頭政治期における義統と宗麟の関係
終章 戦国大名大友氏と室町幕府
近年、「戦国大名」像の見直しが進んでいますが、「戦国大名」権力の実態を解明するケーススタディとして、本書は最盛期には豊後・筑後・肥後・豊前・筑前・肥前六ヶ国とその周辺地域に広大な領国を形成した戦国期の大友氏を素材に、既発表論文6本と新稿4本により、領国支配の実像解明と戦国期大友氏権力に関する基礎的な事項の確定を目指しています。
八木先生によると、1980年代以降の大友氏研究では、「研究者各自の問題関心が多様化し、また様々な視角からの研究は活発な状況にあるが、研究の細分化傾向は強くな」っている一方、「戦国大名大友氏の権力構造・領国支配体制に関する基本的な理解は、八〇年代初め頃の状況から大きく変わってはいない」とのことです。
そこで本書では、史料を網羅的に収集・検討することで、権力中枢・領国支配・軍事動向・城下町移転をはじめとする国内の問題を分析するとともに、中央政権(室町幕府)との関係もふまえ、大大名・大友氏の権力構造の実像を明らかにしています。
他地域の戦国大名の権力のあり方と比較・検討する上でも有益な本書、刊行まで楽しみにお待ちください。