春夏秋冬代行者 夏の舞 上 (電撃文庫) 著 暁佳奈
【宿命付けられた運命だとしても一度くらい自由に生きてみたい】
数多の困難を乗り越えた四季代行者だったが、葉桜姉妹が双子神になる事で世界は吉兆と凶兆とで揺れる物語。
世界は誰かの献身で成り立っている。
朝も夜も社会の歯車となって円滑な積み重ねをする。
しかし、その献身は誰かの光にもなるし、刃にもなる。
妹が神になったせいで、定められた因果に葛藤するあやめ。
神様になったからには身命を賭して世界に献身せねばならぬ。
役に立たない代行者は挿げ替えされる。
里の大人達は自分達を代替可能な道具としか思っていない。
夏の代行者、葉桜姉妹と黄昏の射手、巫覡輝矢が出会い、暗狼事件を解決すべく一同は聖域竜宮岳へ。
自分で授かった命は本来、自分の為に使いたい。
しかし、現人神になったからには世界の命運を背負わされる。
宿命づけられた人生の中で、一度だけでも、もし許されるなら、自分勝手に恋をしたいと願う。
奪われた不自由の中で、心だけは誰にも奪われないように、それを守る為の闘いを始める。
里や権力組織の抗争に巻き込まれるのはまっぴら御免だ。
大人達の都合を押し付けるなと、あやめ達は理不尽な悪意に憤り、手前勝手な運命に徹底的に抗う。