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YMKの新製品。(オーディオのお話)

ココのところすっかりバイクにウツツを抜かしておりましたが、今号はガッツリ書きますよ、オーディオなネタを。


*YMK(ヤマキ電器株式会社)とは。

早速ですが。

セラミックの超スペシャリストな会社。市中の電柱には必ず使われている碍子とか、神奈川県民のソウルフード『崎陽軒のシウマイ弁当』に同梱されている醤油入れの『ひょうちゃん』を作っていたり。どちらかというとプロ向けの製品を開発製造しているイメージです。

そんな『縁の下の超優良企業』が、アナログレコードを聴くには欠かせないヘッドシェルを作っています。YMKというブランド。

新しいカタログ。

ワタシは数年前からYMKのヘッドシェルを愛用しています。あまりに気に入っているので販売もしております。この度ヤマキさんが新製品をリリースしたとのニュースを耳にしたので、早速ひとつ仕入れてみました。



*YMKの新製品をチェック。

・これですな。

型番はAHS-99Aです。
ちょっと乳白色なカンジ。

既存製品よりアルミナ純度を上げたらしい。
純度が上がって成形が変わると、再生音はどんなふうに変わるのか。ガッツリと試聴しましたので以下レビューです。

・試聴環境。

お気に入りの既存アルミナ・ヘッドシェル『AHS-01H』と同じ条件で比較。

上がAHS-01H。
下が新製品AHS-99A。
中電のカートリッジを装着。
試聴は中電の新製品、
ラインコンタクト針にて行いました。
AHS-01Hで聴く。
AHS-99Aで聴く。
試聴盤はワタシ的定番のジョン・メイヤーさん。
これマジで名盤ですよ。
今回は再発の重量盤を使った。

・で、音色は?

『ヘッドシェルの違いで音はこんなに変化するんだなぁ』と、改めて痛感。

まずAHS-01H(既存製品)の音色所感を記しておきます。
・強い個性を持っているワケではないけれど剛性が高いシェルなので、装着したカートリッジをシッカリとグリップしているような感触。

・音が滲まず、端正かつ肉厚な再生音。レンジは広くてパワフル。

・エネルギーが強い分、微細なシグナルの再生については好みが分かれるかも。フォーカスは超正確だけどウッディな感じが全然ないから、ちょっと寒色に聴こえる場面がある。

・個人的にはAHS-01HがYMKカートリッジの看板製品だと思っている(いた)。


②で、AHS-99Aは?(AHS-01Hとの比較)
・再生レンジが更に広大になっている。

・耳に痛い帯域がまったくない。低域は量感が減らずに輪郭がクッキリ。『どぉぉん』って鳴っていた低域が『どん!』って。サスティンも美しい。

・チャンネルセパレーションが大変に良好。よって定位感優秀。

・基本的な音色はAHS-01と同じベクトルだけど、音がとってもしなやか。暖色化したワケではないけど、弦やピアノはさらに美しく鳴る。

・MM型のみならず、低出力のMC型、あるいはコンプライアンスの高いカートリッジをマッチングさせても長所を上手に引き出すと思われる。

・聴いてしまったら、やっぱりAHS-99Aが『ザ・YMK』だな。



*AHS-99Aのインプレッションまとめ。

コレは大変に素晴らしいヘッドシェルです。感動しました。

ヘッドシェルとしてはちょっと高額だけど、でもでも高級なカートリッジをマッチングさせてもアンバランスにならないクオリティを持っています。

ハイエンド・アナログカートリッジは今、大変な価格設定になっていますからね。せっかく頑張って入手した高級カートリッジには、シッカリ吟味したヘッドシェルを組合せたいものです。

既発製品と同条件比較をするため、今回は中電のMMカートリッジを使いましたが、この後ワタシはアイレックス社が取扱うAidasの針を装着する予定。

このカートリッジが実に深い音を出力してくれるのです。AHS-99Aと組合せたらどんなふうになるか、なんとなく想像はできますがとても楽しみです。



*ついでにやってみた。

YMKのヘッドシェルにはもうひとつ別のラインナップがあります。アルミナではなく素材にジルコニアを使った物。アルミナ(例えば前述AHS-01)と比較すると、より扱い易い中庸な音色という個人的印象。その分、YMKらしい面白さもちょっと薄くなるように感じております。

あの『ドヨーンとした低域がたっぷり出てくる世界定番な国産カートリッジ』は、ジルコニア・ヘッドシェルと組合わせると少しクールなカンジが出てくるかもしれない、と突如閃いちゃったので早速実験してみました。

古いDL-103。
YMKのZHS-01Bとマッチングの図。

あたりー!想定通りな結果。

仕事で要求されない限りDL-103を使うことはまずないのだけど、ヘッドホンで音楽を聴く時にこの組合せは有効かもしれない。ジルコニアと合わせたら、ドヨーンな低域が『ドヨン』くらいになった。夜中にジンワリとボーカルなんか聴いていると気持ちいいかも。

なんだ、DL-103って使えるじゃん。って、チョーいまさら感。



*アナログレコード再生、やっぱり楽しい。

ファイル音源やストリーミングなど、現在では音楽再生の中心道がデジタルシグナルになっていますが、でもやっぱり個人的にはアナログレコードの再生が楽しいです。

カートリッジとヘッドシェルを固定するビスの素材が変わっただけで、再生音がガラッと変わる。どんなに小さな事案でも、加手すると必ず再生音に変化を感じることができる。こういうのは機械イジリの範疇に含まれるように思います。

要するにバイクをイジっているのと一緒。(え?それ?)

イジられ中のカブちゃん。
リアタイヤが外されています。

楽しく生きていきましょう。

あ、YMKの新製品もワタシ販売できますので、気になる方はぜひ。
Aidasと組合せてみたら、またインプレッションしますね。

ではまた。
2024.9.25






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