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限定品のご紹介。(オーディオのお話)

先週に引き続き、アナログレコードにまつわる逸品をご紹介します。コレは限定販売品ですので、ビビッときたらお求めください。


*在庫限りで販売終了らしいです。

先週、中電というアナログレコード・アクセサリーメーカーを紹介しました。群馬県邑楽郡で熟練職人さん達がハンドメイドで良品を作っています。

今週のネタはコレ。中電もういっちょ!です。

サファイヤの無垢針です。

中電社がストックしている針の在庫がなくなったら、それでオシマイだと。要するに新規生産ができない限定販売品です。もうあんまり在庫が残っていないらしく、中電のwebサイトでもこの製品は掲示されていません。

MM型のカートリッジは簡単に針先を交換することができます。摩耗によるメンテナンス的交換(そんなに摩耗しないけどね)のみならず、装着針を変えることによる音質変化を、積極的に楽しむことができるのです。

ボディに装着されているのはダイヤモンド丸針。
横にいる緑色カバーの個体がサファイヤ針。

この赤いヤツと緑のヤツを差し替えて針圧を適正値に調整したなら、それだけで違う音描写を堪能できるのです。実に楽しいですな。

ところで限定販売品とはいえ、サファイヤ針ってどうなの?


*サファイヤ針とは。

サファイヤという鉱物は、ダイヤモンドと並び宝石として広く知られています。そう考えるとアナログレコードの再生ってのは贅沢ですな。宝石を再生針として使っているのですから。

あ、話が逸れましたね。言いたかったのは硬度について。

ご存知の通りダイヤモンドはモース硬度10とされる、とても硬い素材です。サファイヤはダイヤモンドに次ぐ硬さといわれており、モース硬度は9。このモース硬度というのは『引っ掻きキズ耐性』ということであって、叩いても割れないということではありません。

『引っ掻いてもキズがつきづらい』ということは、ぐるぐる回るレコード溝をトレースしても摩耗しづらいということ。硬い宝石をレコード針として使うのは、このように工業製品としての理由もあるワケです。

しかしレコード盤の再生というのはナカナカに過酷な動作で、このような高硬度鉱物でも擦り減るといわれています。ポピュラーなダイヤモンド針でさえそのような定説なのですから、1段柔らかいサファイヤは『レコード針としてはすぐに擦り減ってしまう』と使用を敬遠されてきた経緯があります。

ぬー、でも本当にそうなのかな?



*サファイヤ針は摩耗が早いのか?

結論としては『そりゃダイヤモンド針よりは耐性低いよね』となります。だって柔らかいんだもん。

この件について、中電さんに尋ねてみました。

詳細は書きませんけど、サファイヤ針を製品化するにあたり行った耐性試験の内容を教えてくれました。へぇ、随分と鉱物をいじめるんですねぇ。

販売する立場として『うん、それなら売っても大丈夫!』と判断したので、当社ではこのようなちょっとクセのある製品を取扱うことにしたのです。



*だって音色が魅力的なんだもん。

MM型カートリッジにして、なんとも優雅な音の佇まい。美音です。

サファイヤ針を装着した図です。

ストリングスとか女性ボーカルなんて聴いてしまったら、もうウットリ。

是非ね、この楽しさを知って頂きたく思います。
同じような説明文を書いておりますが、販売サイトを貼っておきますね。

『摩耗したらどうしよ・・』って思われるのでしたら、ぜひ2個仕入れておいてください。富裕な貴兄ならお小遣いでヒョイって買える金額です。



*結局は環境によるのですよ。(今週のまとめ)

ダイヤモンド針に比べれば、確かにサファイヤ針は耐性が低いでしょう。でもね、そもそも針先ってそんなに簡単に減ってしまうのかな?

レコード溝を引っ掻いて音をピックアップするワケですから、針がダイヤだろうがサファイヤだろうが『引っ掻く相手』がいるということです。その相手、すなわちレコード溝の状態が悪かったら、ガンコな汚れが付着していたら、メーカーが行った耐性試験とは結果が大きく変わってきます。

ぬー、なんだか人間関係に通じるものがありますな。付き合う相手によってコチラの疲弊度が変わる。クリーンなヒトと付き合っていると、コチラもストレスを受けることがない。深いな、アナログレコード再生の世界は。

って、実のところコレを書きたかったのかなワタシ。楽しく生きていきましょうね。

さて、来週もオーディオ(仕事)ネタか、はたまた納車スケジュールが見えてきたバイクなネタを書けるのか。できれば後者だといいなぁ。

急に寒くなってきたので、みなさまご自愛ください。
ではまた。

2023.10.18






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