映画感想文【カジノ】
1995年製作
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロ、シャロン・ストーン、ジョー・ペシ
午前十時の映画祭にて鑑賞。
引用のあらすじがすべてを物語っている、と言えば乱暴だとは思うものの。
成功と破滅の綱渡り。欲望としがらみを両手いっぱいに抱えて、細い細い綱の上を如何に上手く渡っていくか。
ほんの僅かでも踏み外せば奈落の底である。
時に金を使い、暴力を使い、そして最後は破滅のドミノ。
誰も幸せにならない悪の映画、となれば先日観た『スカーフェイス』と同じであるが、だいぶ趣が違う。単に時の経過と撮影技術か、主演のロバート・デ・ニーロの魅力なのか、やはりマーティン・スコセッシの撮り方か。
頭の回るワルたちは、頭が回るが故の破滅へ。
衝動のまま向かった先には、相応の破滅が。
どの道みんな破滅することは分かっているのだが、それぞれの堕ち方が観るものをハラハラさせて、正直しんどい。だからこそのスコセッシなのか。
『ディパーテッド』もメチャクチャ辛かったのを思い出す。
『キラー・オブ・ザ・フラワームーン』も多分絶対しんどいよな。やめとこうかな……。
これが実話を元にした物語というから、より酷い(称賛)。
余談だがジョー・ペシは自分の中ではずっと『ホーム・アローン』のコソドロだったのだが。
なかなかに腕の良い俳優なのだな、見方が75度くらい変わった。