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【ファゴット】毎日の練習が新鮮になるオススメ教本・中級編!メロディからリズムまでしっかり勉強できる!あなたの知らないマイナーエチュードも【ドイツ、フランス、チェコの作品】
人は新しい刺激が必要です。毎日同じ練習していると集中力もなくなってきたりします。反復練習は大事ですが、いつも適度な刺激が必要です。
そんな毎日の練習をサポートしてくれるのがエチュード(教本)です。エチュードをやるかやらないかには様々な意見もありますが、私はエチュードはとても大切だと思います。特にプロの音楽家を目指す学生は若い時にこそエチュードをたくさん譜読みして練習して自分の技術を高めていくべきだと思っています。
今回はそんなエチュードの中級編。ウィーンのカリキュラムで習った初級、中級、上級の枠内で私がオススメするエチュードを紹介していくシリーズ第二弾です。
今回の動画はこちら↓
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【ファゴット】あなたの知らないマイナーエチュード!オススメ教本・中級編!毎日の練習が新鮮になる!メロディからリズムまでしっかり勉強できる【ドイツ、フランス、チェコの作品】
ミルデ「25の音階練習」
まずは定番エチュードです。ご覧の通り、左が音階練習を曲にしたもの、右が分散和音という立て付けになっています。
このエチュードはファゴットを始めて間も無い頃にやる人がいますが、私はオススメしません。やはり、最初はワイセンボーン から少しずつ階段を登っていく方が良いと思います。
私がこれを始めてやったのは大学二年頃だったと思いますが、「指が運動している」という感覚をはじめて感じました。さすが重宝され続ける練習曲。しっかりと指のエクササイズになるよう作られています。
これを毎日やっている人たちもいます。動画でも紹介したように元N響首席奏者の霧生先生は「30~40分くらいあればできるよ」と言っていました。警察の音楽隊に務めている大学の先輩もそのくらいでできると言っていました。先輩は毎日朝6時に出勤してミルデのスケールを一冊通し、さらに毎日の日課である練習をしてから、コーヒーを飲みながら始業時間を迎えると言っていました。なんて健康的!
しかし、私のように毎日同じことができないタイプもいます。そんな人たちのためにも定番以外のエチュードを紹介していきます。
オッツィ「24のカプリス(奇想曲)」
これは割と定番のエチュードですが、日本でやる人は少ないかもしれません。古典派の勉強にとても役に立つ教本です。
オッツィについては動画で紹介しています。一般的には無名ですが、ファゴット的にはとても重要な人物です。
レッスンでの確認が必要なエチュード
トルコビッチもこのエチュードは推奨していました。写真は一曲目の一部ですが、ただ指の練習やアーティキュレーションを一定のテンポで練習するだけではなく、テンポの切替やカデンツァの演奏の基礎などを知らないと曲になりません。
例えばこんなワンフレーズでも古典派演奏の基礎を持っている人かどうかで全く演奏が変わってきます。
拍子が違えば同じスタッカートの並びであっても変わってきます。そしてスタッカートだからといって全て同じ長さではありません。今までも動画やnoteで紹介してきた通りです。細かい差があるからこそ聴衆が「音楽的」と感じるのです。
オンラインレッスンも始めます。地方の方でもご要望ございましたらご連絡ください。連絡先はこの記事の最後にあるライン公式アカウントより。
ピヴォンカ「リトミックエチュード」
一見、なんの変哲もない譜面ですが、読んでみると一筋縄ではいかないのがこのエチュード。いつも古典に偏る発信なので、今回は近代も入れようと思って選んだのがこれ。
ピヴォンカは1907-1986にチェコで生きたファゴット奏者。プラハ国立歌劇場管弦楽団で演奏し、プラハ音楽院などで教鞭を取ったそうです。チェコ語を訳すと彼の読み方はピヴォシュカとなるそうです。
このエチュードはリトミックと名付けられているようにリズムの勉強ができるエチュード。ほんのちょっとしたところでつまづくようなリズムをうまく書いています。
リズムが弱い人の練習としてはとても良いエチュードです。特に近現代が苦手という人はこれで耐性をつけるのも良いでしょう。機械的に音を並べるだけでなくしっかりと拍を感じながら音楽的にリズムをとっていくことが大事です。しかし、メトロノームで確認することも大事。最終的にメトロノームなしでブレずにリズムが取れるようになりましょう。
こんな曲は燃えました。最初はゆっくりから練習。しかし、実際はアレグロ で二拍子です。ゆっくり練習している時の感覚とは全く違ってきます。そこもこのエチュードの良いところ。ピヴォンカの表記した速度表記と拍子をちゃんと再現しようとすると一見簡単なものも難しい課題に変身します。
近現代のエチュードですから、古典派やロマン派に書かれたこれまでのエチュードとはまた違った響きがします。だからと言って機械的には演奏しないでください。とても音楽的なエチュードだから紹介しています。その楽譜から何が読み取れるかが勝負です。
中級だからこそバラエティに飛んでいる
初級とは違って中級は演奏者の技術が高いことを想定して作られているだけにとても有意義な内容が多いです。それぞれのコンセプトに沿っていろいろな要素が詰まっています。リズム、フレージング、ダイナミック、幅広い音域など、特にミルデやピヴォンカではその幅が広がります。固定観念に囚われず一つ一つ組み立てていくことが大事です。
レッスンも大事な要素
自己流ではなかなかうまくいかなくなってくるのもこの中級編。ミルデのエスケールでは演奏できるかどうかが重要で、変え指だけでレッスンが終わってしまうようなレッスンでは受けても意味がありません。そこに音楽的な曲想も含めて感じる生徒側も大事ですし、教える方も懐が深くなければいけません。しかし、このエチュードの良いところは指の練習だけでも十分効果があるということです。
オッツィに関しては自己流でしっかり勉強することは難しいでしょう。これといって難しいと感じない前半の曲でも実は細かく演奏法が詰まっています。そこでコンチェルトやソナタ、オーケストラ曲などで実際に曲を演奏する時に大事な技術を学ぶのです。トルコビッチも「オッツィを聴けばちゃんと古典を勉強してきたかがわかる」と言っていました。それだけウィーンでは重要視されたエチュードです。
ピヴォンカも自己流で譜読みするだけでも頭の体操になるようなエチュードですが、リズムは指摘されないと間違いに気づかないこともあります。また、機会的にリズムを取り、フレージングもないような譜読みをしていては意味がありません。
私のレッスンが良いとは言いませんが、ウィーンで仕込まれた演奏法を伝えることができます。オンラインレッスンもはじめますので遠方の方でも気軽にレッスンできるようにしたいと思います。お問い合わせは下記、公式ラインアカウントにて。
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中級編に来ると楽器を吹くのも楽しくなっていきます。どんどん伸びてくる時期ですね。音大生はここからが正念場です。ここで止まっていると自分の音楽の幅も技術も狭まってしまいます。安心せず、どんどん学んでいきましょう。
アマチュアの方も中級編がちょうど良いレベルの方も多いと思います。一気に上級に行ってしまうと挫折しやすいですが、段階を踏むと着実に自分のレベルが上がっていくのがわかると思います。楽しく、有意義にファゴットを練習していきましょう!
それではまた!
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![蛯澤亮](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22703072/profile_65329a4204672eba6543a3b6863dfb26.jpg?width=600&crop=1:1,smart)