深緑野分「ベルリンは晴れているか」
こんばんは。
日本中世史の魅力にハマりつつあった最近ですが、小説も読みたいなぁと思った時にちょうど文庫版が出て買いました。著者の作品は「戦場のコックたち」に続いて2冊目です。
前の本は第二次世界大戦中の米軍コック兵が主人公でした。欧州戦線の描写もさることながら、コック兵の業務的な中身も丁寧に描かれていました。そして今回の本は終戦直後のドイツが舞台ですが、やはりベルリン占領時の街の雰囲気など描写は緻密です。とある書評には海外作家の翻訳小説と間違うほど、と書かれていました。
ネタバレ避けますが占領軍の下で暮らすドイツ人の若い女性と何故か同行することになった中年の男性、そして彼らが巡り合う人々や終戦直後のベルリンの様子が丁寧に書かれています。終戦直後は食糧難で混乱している中でも主人公たちはたくましく進んでいきます。章の幕間にはナチスドイツの独裁政権による弾圧の様子を挟みながら、ミステリらしく最後まで飽きさせない内容でした。
私はふと、ナチスによるユダヤ人収容と虐殺の動きや、終戦後の占領下のドイツという部分で、須賀しのぶさんの「神の棘」や「革命前夜」を思い出しました。(革命前夜は東ドイツ時代の話ですが)
連休中に読もうと買った本が消化できれば、また投稿したいと思います。
読んでいただきありがとうございました。