くいいぢ
食べることが好きすぎる。
Twitterのタイムラインを鮮やかに彩る飯テロ画像を飽きることなく見ていられる。
たまにハンガーストライキを起こし、暴飲暴食運動をしている。
食べ物は美しい。
ご馳走を目の前にはやる気持ちを抑え、角度や照明の加減を気にしながら料理写真を綺麗に撮る人に感心する。
一刻も早く食べたい気持ちが勝る私は、いつも食べた直後に写真を撮れば良かったと後悔する。
今回は「食い意地」が及ぼす影響力を検証していきたい。
検証①
ケーキを半分食べたところで何故写真に残そうと思ったか甚だ疑問である。
コーヒーには手を付けておらず、慌ててケーキを頬ぼったことが伺える。
一応フォークとスプーンを揃えて置いている点がいじらしい。
下の写真はまず、汚い。
美しく美味しそうに撮ろうとする気概が伝わってこない。
乱雑に置いた箸から、続きを早く食べたい想いだけが感じ取れる。
せめて後ろのバッグをどかしてほしい。
食べることが好きな人=料理写真を綺麗に撮れたり、料理上手であるわけではない。
元祖炎上CMで有名なハウス食品の「私作る人、僕食べる人」でいえば私は後者と断言する。
初めての彼氏と喧嘩をして別れ話をした日。
あの時だけはどんなにお腹が空いても全く食べる気にならず辛かった。
ヨリを戻すと決めた瞬間、魔法のように食欲が戻ってきたことを思い出す。
今思うと食べるためにヨリを戻すと決心したのではないだろうか。
肺炎で42度の熱が出てトイレの入り口で力尽きて倒れた時も、持病の悪化で大量の下血があり酷い腹痛でも、食事をしない選択肢は私の中には無いのだ。
「食べないと身体に悪い」
食べることへの罪悪感を逆手に取った常套句。
「食べ過ぎは身体に悪い」と表裏一体でもある。
最近では空腹の状態が免疫力を上げることが判ってきた。
免疫をつかさどる白血球は、栄養が行き届いていると働きが鈍る。
空腹を感じる状態下で、白血球が血液中の有害な細菌や毒素を食べることで免疫力を上げると科学的に証明された。
そんなことを言われても空腹感が耐え難いのだ。
以前、空腹状態が気持ち悪いと胃腸内科の主治医に相談をしたところ「低血糖症」を疑われたため血液検査をした。
数週間後、先生が深刻そうに重い口を開いた。
「何も異常はありません」
病名「くいしんぼう」であることが科学的に証明された瞬間であった。
検証②
写真はおよそ10年前に検査したアレルゲン表。
結果欄が「0.00」が正常であり、0.01以上でアレルギー反応があることを示している。
ダニとハウスダストに至っては最大値を遥かに越え「お前はもう死んでいる」。
以前古くなったてんぷら粉で揚げたタケノコと、アーモンドを食べた30分後に蕁麻疹が発生した。
更に気道が狭くなり徐々に息苦しく。
大好きな猫を触った時と症状が似ていた為、アレルギーだとすぐに解った。
過去記事「猫アレルギーのかなしみ」
突如お腹に北斗百烈拳を撃ち込まれたレベルの痛みが生じ あたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた おぅわったぁ!! 状態に。
こういう時、人は当たり前のことが出来なくなる。
トイレの床に座り込み激痛で悶絶する中、何故か私は「117」にコールしていた。※本当です
ッピ ッピ ッピッ ポーン !!!
「午後9時42分50秒をお知らせします」
「!!!?」
1.17は元彼の誕生日。
「時報と一緒」と言われたことを走馬灯のように思い出していた。
気が動転して死ぬ前に声を聞こうとしていたのか、色んな意味で間違っている。
パニックで救急車の番号が解らない。
手元のスマホで調べる余裕もなく今度は「911」を押す。
「お掛けになった電話番号は~」のアナウンス。落ち着け私、海外サスペンスの見過ぎだ。
「119」に繋がった時は本当に繋がるんだという感動と安堵感でいっぱいであった。
ものの10分程度で救急隊が到着し、担架で搬送され病院に着いた頃にはすっかりお腹の痛みは治っていた。
「どうしよう…もう治ったなんて言えない…」
でもこのまま痛いフリをして強力な薬を注入されたら死ぬかもしれない。
バツの悪い顔で先生に打ち明けると「みなさんそんなもんですよ」と笑いながら言った。
アレルギーは予後観察をしないと命の危険がある為、ステロイド注射と点滴をしてそのまま1泊入院することになった。
結局アレルギー反応の原因は特定されてないが、恐らく常温で放置したてんぷら粉(いつ買ったか忘れた)にダニが繁殖し、ダニの死骸入りの天ぷらを大量摂取した為と思われる。
てんぷら粉やホットケーキミックスなどの粉物はダニの大好物。
保存の際は密封容器に入れ冷蔵庫で保管し、早めに使いましょう。
マダニ食い まだ憎い ~エバ蔵心の一句🎋
検証③
中国でビル倒壊に巻き込まれた人が、瓦礫で身動きが取れない状態のまま14日間救出されなかった。
真横にあった消化活動の水を含んだダンボールをかじって飢えを凌ぎ、一命を取り留めたというニュース。
錯乱状態を避けられたのも「食べた」という認識が神経を刺激してアドレナリンを放出したからだと言われていた。
食べる=生命力の現れである。
病気で流動食から普通食に戻った人の回復力は著しいらしい。
口から食物を取り入れ咀嚼することは、生体調節機能を担っている。
あなたは死ぬ前に何が食べたいだろうか?
私は
適度にサシの入った柔らかい牛肉(グレービーソースとホースラディッシュで)、銀鱈みりんと白ご飯、カリカリしたシューストリングのフライドポテトと白ソーセージ(粒マスタード添え)、エビチリと半チャーハン+ラーメン(こってりとんこつか味噌バター)、ウニいくら中トロ丼、アボカドと玉ねぎのスライスがたっぷり乗った炙りサーモンの寿司、ピリッと辛めの豆もやしのナムル、カニみそが丸ごと味わえるソフトシェルクラブの唐揚げ、母が作ったリンゴとハチミツバーモンドカレー(中辛)、旭松の納豆汁、ホットファッジサンデー、もつ鍋とトムヤムクンも食べたい。
最期の晩餐でこれだけ食べることが出来れば「我が生涯にいっぺんの悔い(食い)なし!!」と叫んで死ぬだろう。
しかし、死に際にこれだけ食べようとするヤツは絶対に死なない。
食べることは生きること。
私は今日も、めいいっぱい生きている。
🍀あとがき🍀
「検証」と「ケンシロウ」を掛けているとかいないとか…
あとがきならぬ、あとづけだとか…
アタタタタタタタタタタタタタメマスカ?🍱
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エバ@エグくて優しいエッセイスト🖋
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