チガサキ⊿ライフ050 : テニス
1. 秋分
茅ヶ崎駅前にある湘南インドアテニスクラブのイベント“親子テニス”に葉書で応募し、4人とも見事に当選した。意気込みと不安が入り混じる子供たちを連れて、秋分の日の14時から1時間のレッスンに参加した。
2. テニスの日
9月23日は、テニスの日だそうである。テニス関係団体やテニス施設が支援するテニスの日推進協議会たるたいそうな組織があるらしく、「テニスの普及と発展」を目標に活動を行っており、今回のイベントもその一環であった。その年のテニスの日のキャッチフレーズは『テニス祭り』で、コーチ陣ははっぴを着ての対応だった。
3. 赤組
テニスのコーチが大勢で出迎える受付から、息子はすっかりびびってしまった。名札も直接コーチからは受け取らず、蛇に睨まれた蛙のように完全に固まっていた。説得しながらテニスコートにまで出たが、準備体操の時もお手本を示すコーチを上目遣いで見つめるだけであった。準備体操の後、年齢毎に分かれて活動となり、女組の娘と妻は黄色組へ、息子と私で赤組のコートに移動した。まずはコートを親子で順番に横断するウォーミングアップであったが、3回目の横断で我慢しきれずに息子が号泣し始め、早々の戦線離脱となった。コートの端から中を見つめる息子に声を掛け続けながら、隣の黄色組の楽しそうな様子が羨ましく映っていた。ラケットを握る事だけは何故か前向きだったが、終始戦線離脱したこのちびっ子選手とその父親は、一軍選手と離れて別メニューを強いられた。極め付けには、急におしっこと言い出し、慌ててコートを飛び出してトイレに連れて行く始末であった…。レッスンが終わった帰り道、すっかりテニスの日推進協議会の思惑にはまった娘はテニスを習いたいと何度も言っていたが、それを横目で見ている息子は終始無言で微妙な表情であった…。