スペース⊿ライフ005 : 真空
1. マクデブルクの実験
日本ではちょん髷をつけた侍がいた江戸時代の17世紀に、ドイツでは大気圧を示す工学実験が行われていた。直径51cmの銅製の半球状容器を2つ組み合わせ、その内部の空気を真空ポンプで排気する。2つの半球それぞれに8頭の馬をつなぎ、両方から引っ張らせ、それでも2つの半球が離れないという実験であった。中に再び空気を入れると、半球は簡単に離れた。マクデブルクの半球と呼ばれる。
2. 宇宙教室
時は平成、“実験と体験から学ぶ 不思議な真空の世界!”と題するちがさき宇宙教室に息子と参加した。会場は株式会社アルバックで、茅ヶ崎市内の産業道路沿いの会社で見た事はあるが、何をしている会社かは知らなかった。主に産業・研究機関向け真空装置を製造する企業で、ULVACとはULtimate in VACuum(真空の極限を追及するという意味だそうだ。
3. 実験
小さな半休で類似の真空実験は、なかなか空気が上手く抜けなかった。17世紀の当時は、もっと大変だったであろう。スタッフに手伝ってもらい、真空となった小さい球は引っ張っても取れない。理論上は80kg程度の力まで持つそうで、ダイエット中の私がぶら下がっても取れない。ただし、息子が一番喜んでいたのは、真空で作ったエアインチョコであった。エアインチョコは、真空技術を活かしてチョコレートの中に多量の空気を含ませ、口当たりを軽くするという製法である。ちなみに、子供のみならず、原料少なくて作れるので、製菓メーカーも大喜びだそうである。