チガサキ⊿ライフ045 : 玄関 (青虫)

1. 言い掛かり

　年末に妻の実家に帰省する為、羽田空港に着いたのは昼前であった。搭乗手続きを済ませてから、売店のお弁当でも買って簡単に済ませようと思っていた昼食であるが、妻と娘に押し切られてフードコートで食べる事になった。一切れのピザとスープで770円のセットをご機嫌に食べていた息子だったが、チーズにまぎれたピーマンに気付いて、虫が入っていると言い出した。いくらピーマンだと説明しても、青虫だとかたくなに主張して食べなかった。それを聞いていた娘は、「私のには、髪の毛が入っている。」と言い出し、言い掛かりも甚だしいクレーマー家族のような一幕であった。

2. 嫌がらせ

　この被害妄想のルーツを辿ると、妻の言動に突き当たる。以前「玄関先に、ゴキブリの糞がまかれている。」と妻が言い出した。私の声が煩いから、誰かが嫌がらせで撒いているんじゃないかと…。「そんな手間が掛かる割に、インパクトの小さい嫌がらせをするやつはおらんやろう。」と言いながら玄関先を見ると、黒く小さな糞のようなものが転がっていた。

3. 真犯人

　注意をして見張っていた妻と娘が、この“嫌がらせ”の犯人を見つけた。それは玄関のオリーブに住み着いた、青虫だった。色が同化して、一見では気付かないが、よく見ると何匹も留まって、オリーブを食べては糞をしていた。早速ハサミで青虫の留まっている枝を切り取り、近くの公園の草むらに捨てて駆除した。これで、糞騒ぎは一件落着した。