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シネマ⊿ライフ011 : ジェイソン・ボーン

1. 眠り

 ロバート・ラドラムの小説を実写化した「ボーン」シリーズ最新作・映画“ジェイソン・ボーン”がこの年の金曜日より公開され、公開翌日の土曜日に小学生の息子と見に行った。今回は2Dの字幕しか選択肢がなく、酔う心配のない息子は余裕の態度で開始時間を待っていた。映画開始から繰り広げられる主人公とCIAの追跡劇は、臨場感を演出する画面が頻繁に揺れたり切り替わったりするカメラワークで、2Dにも拘わらず開始20分で息子が気持ち悪くなった。冒頭の元CIAエージェントが殺されるのと同時に、息子も眠りについた。

2. クラスメート

 映画館から出ると、女の子の声で呼ばれた。クラスが同じ女子だそうで、呼び止められ、何を見たのか聞かれていた。噂好きの女子らしく、答えれば映画で酔っていた事が言いふらされると、悪い顔色をしながら息子は逃走した。中学生と言われても不思議でないクラスで一番背の高い女の子で、その子に何を見に来たのか聞くと、背の高さと掛けた訳ではないだろうが、「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」だった。息子はジェイソンボーンを見たと教えると、その女子は映画好きのようで、「いいなあ。」と言って羨ましがっていた。

3. 噂

 買い物をして帰ろうとすると、また聞き覚えのある声が響いた。女性諜報員張りに柱の陰から現れたのは、さっきの女子である。BFGを見てたが、一緒に見ていた友達が途中で怖いと言って、映画館を抜け出したらしく、「どうしたらいいの!?」と何故か息子がとばっちりを受けていた。「途中で抜け出したって、ある種同じやな。」と思わず私がの口がすべると、「何があったの?」と女子諜報員に詰め寄られた。またまた逃走する我が家のボーンだが、映画の逃走劇と現実は異なり、瞬殺でその女子に捕まり、映画の最初しか見れなかったと、簡単に吐かされていた。悪夢を振り払いながらの帰り道の途中で、しまったと息子が立ち止まった。ちゃんと説明してないので、怖くて最初しか映画が見れなかったと勘違いされている可能性が高いらしい。学校で噂が流れるのは必至で、怖がったのではなく、酔ったのだと説明しないといけないと、登校後の朝一番のアクションを練っていた。

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