カレーはさらさらばかりが正義じゃない
スパイスカレーは東京でも空前のブーム。
味噌汁に通じる具材たっぷりのさらさらカレーは日本人に馴染みが良く「カレーは飲み物」と言いながら本当に飲むように食べている方が多いのではないでしょうか?
消化に良いさらさらの料理のレシピは、アーユルヴェーダの料理でも多く登場します。
でも、消化に良いからといってさらさらばかりが正義ではない、と聞いたらびっくりするでしょうか?
毎日の消化活動は、キャンプの飯ごう炊さん
消化に良い食べ物と聞いて、日本食の代表格が「お粥」です。
少量のお米とたっぷりの水で炊いたさらさらのお粥は、風邪を引いて辛い症状の時もたくさん噛まずに食べて、ほっと安心する滋養食です。
アーユルヴェーダでも同じように「消化の良さ」を大切にすることから、お粥のような形状の料理のレシピはたくさんあります。火を通さないレシピは少なく、見た目にもどろっとしているものばかりです。
消化に良い食事が何なのかを伝えるために、私はいつも日々の消化活動を「キャンプの飯ごう炊さん」に例えるようにしています。
キャンプでは、飯ごうにお米と水、少々の空間を開けて蓋をして、火を燃やします。この火は人間の十二指腸にも存在するとされている消化の火(アーユルヴェーダでは”アグニ”)です。薪をくべして、風を送ると、安定した火を燃やすことができ、美味しいご飯が仕上がります。
ところが、水の量が十分でなかったり、飯ごうパンパンに入れているとうまく炊けません。
うまく炊けなかったお米は芯が残って硬く、また水を足して炊き直したりして、ようやく食べられるものに仕上がります。
このように、日々の消化活動では、安定した火を燃やすことはもちろんのこと、水と米のバランスがとても大切。水をたっぷり入れて、お米を少し入れただけのお粥は、普通のご飯よりも早く炊けて、良く噛まないでも胃腸の中をするっと通過していきます。
流動食だけ食べていると、身体の安定感がなくなる
ところが、どろどろとしたおかゆばかりいつでも食べていれば、消化に良いので健康を保てるかといったら、そうではありません。
アーユルヴェーダでは生命のあるもの全てに性質があるとしていて、流動的な食事はその形状のとおり「流動性」がたくさん含まれています。そのため、流動的な食事を食べれば食べるほど、人の身体と心にも「流動性」が増えていきます。
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1日と季節を心地よくする、アーユルヴェーダの過ごし方
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