5月:湿熱を鎮静して、気圧に負けない身体を作るレシピの作り方〜暮らし編
今日は5月17日、日本各地で例年より10日も早い梅雨入りがありました。風薫る初夏の空気も束の間、曇りがちで雨の多い日が続きます。この時期の雨は夏野菜がみずみずしくすくすくと育つように欠かせないものなのですが、そんなことは忘れて眉間に皺がよりがちですね。
長雨といっても、秋の台風の時期のそれと違って、梅雨は気温が少し高く湿気もたっぷり含まれていることが特徴です。さらに低気圧にもなりやすい時期なので、熱がこもり・身体がむくみ・耳に圧がかかったような不快感などトリプルパンチで陥りやすい人も。
こんな時は体内にこもった湿った熱を日々追い出す工夫が大切。というわけで、今月は梅雨に備えて「湿熱」を鎮静して、気圧に負けない身体を作る暮らしのレシピをお届けします。
梅雨は、秋の雨と違う水分の溜まり方をする
・身体がとにかく重だるい
・足がパンパンにむくんで重い
・頭がのぼせて腫れているような感じがする
・内耳から水か空気が溜まったように圧迫感があり、痛い
これは梅雨の時期に入るとセッションやお店でもよく耳にするご相談です。
全体的に「とにかく余計なものが溜まっている、特に水」ということがわかりますね。
アーユルヴェーダでは、大気中に水分が増えると、水を象徴とするkaphaドーシャが上昇し、人間もその影響を受けて体内のkaphaドーシャが上昇します。その結果、kaphaの不調である
・鈍重感
・むくみ
・停滞感
・気分の落ち込み、塞ぎ込んだ感じ
が現れやすくなります。
kaphaの水が溜まった感じは、陽の当たらないところにできた水溜りのよう。乾かさずに放っておくと、だんだんドロドロしてきますね。詰まりが悪くなって、停滞します。
一方で、梅雨の特徴は他の季節と比べて気温も上昇し「熱も一緒にこもる」ことです。全体が重だるいだけでなく、頭がぼうっと熱くなったり、足の裏に熱があってなんとなく寝付けないという方が出てきます。
このこもり熱は先月もテーマにしたpitta(火)の上昇の影響です。
余計な水分も停滞している上に、熱も偏りがあるようでは、出ていくべきものも出なくなってしまいます。むくみは普通、下におろしている足から発生しますが、だんだん上に上がってきて最終的には顔までむくみます。梅雨の時期は顔も含めて全身むくんでますという方も多いのではないでしょうか。
梅雨の不定愁訴も大体、vata(風)の乱れから生じる
このようにkapha(水)もpitta(火)も憎悪して不調が起きるので、梅雨は「なんとなくずっと調子悪い」感じの方が多いと思いますが、ドーシャが憎悪するときというのは、「まずvataが増える」がベースにあると私は思います。
「どんな時もまずはvata(風)が増える」と古典書に明記されているわけではないのですが「vataは世界の病気の8割の原因」とされている通りvataが悪化した上で、それに釣られてpittaやkaphaが増えていることが多いです。
vataは何かを「運ぶ・コミュニケーションする」など伝達のエネルギー。生理機能の中でいうと、呼吸をしなければ人の命がスタートしないように、vataは何かをスタートさせる大切な仕事をしていて、その分エネルギーをたくさん使います。乱れやすいし、安定しないからこそ風なんですね。
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【レシピの作り方】身体と心を整えるアーユルヴェーダ料理
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