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飲食店の救済を目的として始めた Eat KOMATSU のこれまでと今後

今年の3月、東京で深刻化し始めた新型コロナウィルスによる飲食店への影響は、EATLABがあるここ石川県小松市でもその余波を感じるくらいになっていました。特に3月末に東京都知事による緊急事態宣言が発せられてからは、まだ石川での患者が出ていなくても人々の意識を外出自粛へと駆り立てました。

そんな中、とある飲食店主からすでに東京を中心にはじまっていた前売り券販売の仕方について相談を受けたわたしたち。

もちろん、すでに東京を中心に多数の飲食店が利用し前売り券を販売していたインターネットサービスは、別に東京を対象としたものではないし、小松にいても利用することはできる。

でも、購入するお客様にとっては、「天田ある東京の飲食店に紛れて小松の飲食店がたった1店舗掲載されていても前売り券を買ってくれるのだろうか…。」利用する飲食店にとっても、「クラウドファンディングや様々なサービスがある中でどれを利用したらいいのだろうか。」「せっかく支援が集まっても、手数料は高くないだろうか…。」と、様々な不安を抱えてわたしたちに相談に来てくれました。今困っている、その全てをカンパや前売り券の販売で乗り切れるとは思っていないものの、何もせずにはいられない不安、そしてお客様との繋がりを切らせたくない、そんな思いが伝わってきました。

そんな中、それならば…!と、小松の飲食店だけを対象にして1週間でシステムを構築し、手数料も極限まで抑えて来年3月までの期間限定で開始したのが、Eat KOMATSU というサービスでした。

そんな怒涛の立ち上げから半年以上が経ち、当初の盛り上がりが落ち着いてきてGo to eat キャンペーンなどもはじまり立ち上げ当時の役割はある程度果たせたかなというこのタイミングで、あらためてEat KOMATSU のこれまでについて振り返り、運用の中で見えてきたニューノーマルな暮らしの中での飲食店の役割やそこでわたしたち EATLAB がどんなことができるかといった思考の過程を、今回はお届けできればと思います。

飲食業はこれまでのビジネスモデル上、どうしても先頭を切って感染拡大状況の影響を受けやすいからこそ、あらゆる局面でスピーディな判断が求められます。

あくまでも思考の過程なのでここで書いているあれこれを今後全て EATLAB が実施できるかどうかはわかりませんが、そうした飲食に関わる全ての皆さんの、今後を決めるための判断材料に少しでもお役に立てたり、しますように。

Eat KOMATSU の公開から半年

4月の怒涛のサービスリリースから半年以上が経過し、これまでの実績はこんな感じ。

登録店舗数は出入りを含めてのべ22店舗にご利用いただいています。これは、小松の“飲食店組合”と呼ばれる石川県飲食業生活衛生同業組合の加盟店が65店舗だということを考えると、その1/3以上になる店舗数ということになります(Eat KOMATSU登録店舗の全てが組合員ということではありません)。

そして、これが気になるところかと思いますが、売上の推移は公開以来こんな感じ。特に決済のほとんどが4月5月の間に行われたことを思うと、石川県内でも飲食店の営業時間の短縮要請があったり多くの飲食店が休業をしているタイミングで、お客様との関係性の維持という意味では少なからず貢献できたこともあったのかな、と考えています。

EatKOMATSU 売上グラフ

Eat KOMATSU 売上推移

事実、前売り券を購入してくださった多くのお客様が購入の際には各お店に応援のメッセージも寄せていました。

クラウドファンディング等でもそうですが、非常事態的な雰囲気の中、「飲食店を救おう!」といったような当初のエネルギーは公開から2ヶ月目、3ヶ月目と日を追うごとに弱まり、購入者数は減少しました。しかし、母の日や父の日などのイベントごとの際には購入者が増加するといった効果も見られました。

Eat KOMATSU を通して見えてきたニューノーマルな飲食店のあり方

こうした、コロナ禍における飲食店向けのサービスを運用してきて、少しだけ見えてきたことがあります。

先ほども述べましたが、コロナ禍においてもお客様との様々なコミュニケーション手段を持っているお店は強い、ということ。

もちろん、この Eat KOMATSU もプラットフォームサービスなので、お店によってもうまく活かせて前売り券をたくさん販売できたお店とそうでないお店がありました。

うまく活かせたお店はわたしたちの知る限りではありますが、他のSNSなどによる告知やお客様とのコミュニケーションを店舗としては営業を自粛している最中も切らすことなく続けていました。Eat KOMATSU はインターネット上で決済を行うサービスなので、同じくネットを活用したコミュニケーション手段であるSNSとの相性が良かったのだと思います。

でも、ここでいうコミュニケーションを切らさないための手段は極論電話でもお手紙でも(コロナ禍に会うのは憚られますが)何でも良いのだと思います。

わたしたちはたまたま Eat KOMATSU というサービスをリリースしましたが、電話や手紙など、オフラインのコミュニケーション手段も含めて、お客様と会えない間にいかにお客様のエンゲージメントを維持できるか、ということが自粛明けの復活を大きく下支えしてくれるのです。

つまり、お金だけのことを言えば、こういうご時世ですから補助金も色々あったし、金融機関の融資も様々なメニューがありましたが、Eat KOMATSU は前売り券の販売を通したコミュニケーションツールだったわけです。

また、コロナ禍で外食回数が減っている中でも、母の日、父の日とかのイベント事のときにチケット買ってくれる人が増えたことを思うと、リアルに人と会える機会が減っているからこそ対面で外食をできる価値は上がるのではないかとも考えられます。

ニューノーマルな暮らしの中ではEat KOMATSU でなくとも、こうした何らかのコミュニケーションをお客様と切らさずに続けていくことが、ここぞという大事な対面でのお食事のときにお店を選ぶ軸になるのだと思うのです。

外食回数としては明らかに減ると考えられる暮らしの中で、いかに選ばれるお店になって飲食店を成立させるか。そういう意味ではもちろん、そんな霽れの日のメニューや価格帯を再検討することも重要。

飲食店がお客様にリアルに来店してもらい食事をしてもらうことを前提に考えるなら基本的に商圏はあまり大きくはありません。そのなかで、大切なお祝いのときや何かの理由で外食をするときにいつも行くような、いかにかかりつけの飲食店となれるかがこれからの時代の飲食店に求められているのではないでしょうか。

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さて、Eat KOMATSU は今後どうする?

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