EATLAB online

「地域の食文化を持続的に未来に繋ぐ」ことを目的としたオンライン上の Laboratory。石川県でリアルに運営する食文化とITのオープンスペースEATLABと連動し、オンラインだからこそ届けられる"おいしさ"お届けします。

EATLAB online

「地域の食文化を持続的に未来に繋ぐ」ことを目的としたオンライン上の Laboratory。石川県でリアルに運営する食文化とITのオープンスペースEATLABと連動し、オンラインだからこそ届けられる"おいしさ"お届けします。

マガジン

  • EATLABのつくり方

    • 8本

    2018年6月に創業したわたしたちの会社、EATLAB創業のあれこれとその働き方について、更新してます。

  • SDGs視点で考える食の世界

    「SDGs de 地方創生」カードゲームのファシリテーターであるEATLABの瀬尾由起子が、SDGs的な視点を通して考える食の世界の課題や、それに対するアイディアの種を紹介する連載。フードロスやプラごみ問題、都市の生産者不在によるリスク、担い手問題などなど、食を取り巻く課題は山積していますが、鳥の目を持って、長期視点で考えるSDGs的な視点から少しでも明るい未来を見通せるアイディアを考えていきたいと思います。

最近の記事

スペースも、ブランド化していく時代に。

昨年最後に更新した、ひとつ前の記事でコワーキングスペース EATLAB のひとつの成長の形として考えた「概念化」。それは、ひとつのスペースを軸にそこにコミュニティができ、それを並行展開していけるだけのブランド価値を持つということです。 わたしたちは、スペースもブランド化していく時代が訪れる、いや、すでに訪れているのだと考えています。 EATLABのマーケティング自由研究の場として運営してきた有料マガジン「EATLAB online 研究室」ですが、今年最初の note は

    • クローズドメディアとしてのコワーキングスペースの可能性

      年末にかこつけてここまで1年半の運営を振り返る記事を書く中で、生まれた問い、「コワーキングスペース文化砂漠の地方都市でわたしたちは何が可能か?」。 そもそもコワーキングスペースを利用するということに、ただの場所としての貸しオフィス以上の意味がまだまだ知られていない地域(つまり市場がまだない)でこうした事業をすることはものすごく大変です。でも、大変なことは多々あれど、ジメジメした気持ちで年の瀬を終えたくない。そこで、今回は、わたしたちなりにその問いに応える今後期待できる成長を

      • 年末だから、ここまで1年半運営してきたコワーキングスペースのあり方について振り返ってみることにした

        コワーキングスペースにとっての激動の今年も、とうとう大晦日を迎えることができました。というわけで突然、年末というか大晦日ではありますが…、石川県小松市という10万人地方都市で EATLAB というコワーキング機能を持つスペースをはじめて1年半、思った以上に苦戦してきたここまでの取り組みを振り返ってみようと思います。 2019年3月に「地域の食文化の拠点」として石川県小松市にオープンしたEATLAB。5m大の大きなキッチンとソファ席やテーブル席、なんならハンモックまで、全席フ

        • 伝統食の維持と道具の関係|#食文化研究

          地域に脈々と伝わる伝統食がひとつ、またひとつと姿を消していく。今、日本の地域には食のレッドリストがあれば上がるであろうその地域のひとしか知らないような土着の伝統食が天田ある。 これまで、親から子へ、孫へと代々伝えられてきたこうした伝統料理の伝承が途切れつつあるのは、何故だろうか。そこにわたしたちは何ができるだろうか?という問いとともに立ち上げたのがEATLABという大きなキッチンを持つスペースである。 1年半にわたり食文化の実践の場としてスペースを運営し、様々な地域の食文

          ¥100

        マガジン

        • EATLABのつくり方
          8本
        • SDGs視点で考える食の世界
          2本

        記事

          飲食店の救済を目的として始めた Eat KOMATSU のこれまでと今後

          今年の3月、東京で深刻化し始めた新型コロナウィルスによる飲食店への影響は、EATLABがあるここ石川県小松市でもその余波を感じるくらいになっていました。特に3月末に東京都知事による緊急事態宣言が発せられてからは、まだ石川での患者が出ていなくても人々の意識を外出自粛へと駆り立てました。 そんな中、とある飲食店主からすでに東京を中心にはじまっていた前売り券販売の仕方について相談を受けたわたしたち。 もちろん、すでに東京を中心に多数の飲食店が利用し前売り券を販売していたインター

          飲食店の救済を目的として始めた Eat KOMATSU のこれまでと今後

          ブランドの空気感をイメージする|メディアブランドweaveの舞台裏

          メディアやブランドを立ち上げるときに意識していることが、関わるメンバー内での空気感の共有です。その空気感は、メンバーの仕事次第でロゴやグラフィックに宿るかもしれないし、文章としての言葉遣いに宿るかもしれない。 細かいアウトプットのひとつひとつを決めていく作業もときには重要ですが、AかBかで迷ったとき、立ち帰ることのできる共通の“空気感”と呼べるようなものがあれば、あらかた迷わずに求める空気を醸し出せる気がしています。長く企画を温めている間のそれがあったからこそ、実際にやろう

          ブランドの空気感をイメージする|メディアブランドweaveの舞台裏

          現代における“会(かい)”文化のアップデートについての考察|#食文化研究

          わたしたちEATLABが拠点としている石川県は、全国的に見ても非常にクローズドな集まりが多い地域かもしれない。あまり表立って告知することも参加者を募集することもしていないような催しや看板のないお店をよく見かけることがある。その代表例としてあげられるのが“会(かい)”と呼ばれる文化だ。 いわゆる「◯◯会」とか、「会合」とかいった類のものと言ってしまえばどこにでもあるように感じるかもしれないが、“会”というそのひとことでひとくくりにされていて、特にそれがなんの集まりか、は、集ま

          現代における“会(かい)”文化のアップデートについての考察|#食文化研究

          産地と、九谷焼と、番人と。

          先日、「地域のビジョンづくりに関わっているはなし」について書きましたが、今回はそのうちのひとつの事例として、EATLABの本拠地である小松市を代表する伝統産業、九谷焼の現状に関するはなしをしたいと思います。 まだまだ、現在進行形まっただ中のはなしでもあるので、本論は基本的に有料コンテンツとさせていただきますが、かなりディープな産地の未来のはなし、資料もたっぷりなのでご興味ある人はぜひお読みいただけたら嬉しいです。 (書き手:フードディレクター 瀬尾裕樹子) 現状を把握が

          産地と、九谷焼と、番人と。

          地域のビジョンづくりに関わっているはなし

          こんにちは。コロナ渦でもありがたいことに、毎月怒涛のような日々が過ぎ去っていく中で、noteのネタをあれやこれやと吟味する間に、すっかり10月となってしまいました…。先月から購読いただいている方、申し訳ありません、今月はしっかり、先月分も更新していきますね。 さて、このマガジンは『マーケティング研究室』と銘打っているわけで、EATLABが日頃関わる主に食がらみのマーケティングのお仕事や、それらの領域の中で私たちの日々の学びや考えていくことをまとめていこうとするものですが、今

          地域のビジョンづくりに関わっているはなし

          プラットフォーム化するたくあん|#食文化研究

          まったく季節もへったくれもない話だけれど、とある日、EATLABでたくあんの話になった。たくあんというよりも、たくあんのつくり方のはなしだ。 以前、”食文化”とはいったいなんなのか?わたしたちがそれぞれ持っているイメージのすり合わせやそれに基づいてわたしたちが目指したい「日本の食文化を未来へとつなぐ」ために大切なことについて考えた記事を書いたが、 今回は、何気ないたくあんの話から、わたしたちが日常的に口にする、ふつうのたべものが”食文化”と呼ぶに価する現象になるまでの過程

          プラットフォーム化するたくあん|#食文化研究

          with コロナ時代の飲食店に大事なのはスタンス表明 | SDGs視点で考える食の世界

          場所に来てもらうことではじめて売上が立つ、飲食店に代表されるような場を持つ事業を展開している人たちにとって、こんなにもそれ一本を生業とすることのリスクを感じたことはこれまでになかったのではないだろうか。  EATLAB だって、例外ではない。東京のWEB業界で数年仕事をしていたわたしたちにとって、WEBの中だけに場を持つのではなくて、リアルな場を持つことで濃く繋がる飲食店のような場所に紐づくコミュニティへの憧れがあって自分たちのオフィスを、ただのオフィスとしてではなく、巨大

          with コロナ時代の飲食店に大事なのはスタンス表明 | SDGs視点で考える食の世界

          色とデザインのはなし|メディアブランドweaveの舞台裏

          どんよりと鬱陶しい暑い雲に覆われて、夏の湿度は凄まじく、冬は陰鬱な景色に包まれながら深々と雪が降り積もる…温暖化の影響か昨今は実際にはもう少しライトなものになっている気がしますが、こうした映画などに描かれがちなかつての北陸の景色が北陸の方の精神性に与えている影響が、少なからずあると思っています。 そんな中で育まれてきたのが家に篭りながらコツコツと仕上げていく繊細な伝統工芸であったり、機織りや撚糸の文化。とくに石川は加賀百万石のお膝元としてより高価な素材を用いた献上品としての

          ¥400

          色とデザインのはなし|メディアブランドweaveの舞台裏

          ¥400

          地域の食材を料理するライフスタイル|ATAKA CAFE 由岐中亮介

          weaveの拠点である石川県小松市の夕焼けの綺麗な安宅(あたか)の海を前に、2018年にできたカフェ、ATAKA CAFE。安宅漁港で揚がる地元の魚をオリジナルのアイディアを加えたお料理は、人気があり EATLAB のスタッフも大ファンです。そんな ATAKA CAFE でお料理を作るのが由岐中亮介シェフ。お店ができて2年、地域の食文化をどのように深掘り自分なりの解釈を加えて提案しているのか、仕事だけではなくもはやライフスタイルとも呼ぶべき彼の料理への姿勢に迫りました。 現

          地域の食材を料理するライフスタイル|ATAKA CAFE 由岐中亮介

          長い梅雨を楽しくするおうちごと|#季節事

          なかなかジメジメが抜けませんね。 蒸し蒸ししたこの時期に少しでも気持ちよくおうちで過ごせたら、毎日が少しだけ、楽しくなることもあるでしょう。 そんな“おうちごと”の代表格が「梅しごと」。 noteやinstagramでもたくさんの方の梅しごとの様子を目にします。 EATLABでも今月の KISETSUGOTO(#季節事)は梅しごとでした。 今回は、大きい梅を使った梅シロップ。 EATLABのコワーキングスペースでも今月のドリンクは梅ジュース。炭酸で割るもよし、水で割るもよ

          長い梅雨を楽しくするおうちごと|#季節事

          【8/7】オンラインワークショップ『はじめての金継ぎ学』はじめます。

          「とりあえず、下準備に金継ぎってどんなものなのか、やってみない?」金継ぎのワークショップを主宰しようと講師のなかおかさんに相談したところ、こう言って提案してくれたことをきっかけに、わたしたちはどっぷりと金継ぎの世界に触れることになりました。 ✔︎ 金継ぎとはいうものの、“金で継ぐ”のではなく、漆で継いでその上に飾りとして金や銀を蒔くらしい。 ✔︎ 漆は、乾くのに湿度を伴って時間がかかるから、どうやら時間がかかる技らしい。 ✔︎ パーツがないときは、別のもので自作したりもする

          【8/7】オンラインワークショップ『はじめての金継ぎ学』はじめます。

          類稀なる北陸の文化的な暮らしを発信したい|メディアブランドweaveの舞台裏

          毎年7月1日が来れば氷室饅頭、アワビに岩牡蠣、9月になれば底引き漁の解禁、11月にはズワイガニ・香箱ガニの解禁、1月はブリ、冬の間はイノシシも… 石川県に引っ越してから、何かと食べることに忙しいEATLABのフードディレクター 瀬尾です、こんにちは。引っ越し以前から石川には毎月のように来ていて、1年を通して食べられる美味しいものは季節の折に触れてひととおりいただいてきました。 引っ越してからも特に、漁師町に住んでいるわけでも、大自然の中に住んでいるわけでもなく、いわゆる地

          類稀なる北陸の文化的な暮らしを発信したい|メディアブランドweaveの舞台裏