見出し画像

半導体リセッション香りなのか、それともチップレットキャパシティリミットの問題か【ファウンドリ稼働率】

半導体市場動向で重要指標はファウンドリの稼働率(キャパシティ)です。
生成AIで米国エヌビディアのGPU需要はあれども、フロントエンドキャパシティの問題でなく、バックエンドのチップレット(HBM供給含む)生産とテストキャパシティがボトルネックになっていると私は見ています。
2024年には、世界的なインフレと最終需要の回復の弱さに対する懸念により、半導体在庫補充の勢いが不安定になる可能性がある事は留意すべきでしょう。

トレンドフォース

【高度なプロセスとパッケージングにより、TSMC の収益は 2025 年に業界平均を上回る成長を遂げる】
~引用~
TrendForceは、過去2年間で3nmプロセス能力がスケールアップ段階に入り、2025年までにはフラッグシップPC CPUやモバイルAPの主流になると予想されているが、ミッドレンジおよびハイエンドのスマートフォンチップ、AI GPU、ASICは5/4nmノードのままであるため、これらのプロセスの利用率は高いままになると予想されると強調しています。過去2年間、7/6nmプロセスの需要は低迷していましたが、スマートフォンのRF/WiFiプロセスの移行計画により、2025年後半から2026年の間に新たな需要が生まれると予想されています。TrendForceは、2025年には7/6nm、5/4nm、3nmプロセスがウェーハファウンドリの世界収益の45%を占めると予測しています。さらに、AIチップの需要が旺盛なことから、2.5Dアドバンストパッケージングの供給は2023年と2024年に大幅に制限されました。TSMC、Samsung、Intelなど、統合されたフロントエンド製造およびバックエンドパッケージングソリューションを提供する大手メーカーは、積極的に生産能力を拡大しています。TrendForceは、2.5Dパッケージングソリューションによるウェハファウンドリの収益が2025年に120%以上増加すると予測しています。ウェハファウンドリの総収益に占める割合は5%未満にとどまりますが、その重要性は高まり続けています。

~引用~
台湾の市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)は19日、世界のファウンドリー(半導体の受託製造)企業の2024年の平均稼働率が80%を下回るとの予測を示した。最終製品市場の弱含みで、部品メーカーが調達に慎重になっていることが要因との見方。  ファウンドリー企業の生産額の前年比伸び率は、2024年に16%、25年に20%になるとの予測を示した。集邦科技は25年について、人工知能(AI)需要の継続で、各応用部品の在庫調整の影響が底打ちすることが下支えすると見通した。ただ経済状況やコストの高まりがAIの普及に影響を与えるかどうかを観察する必要があるとした。
世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の25年売上高の前年比伸び率は、産業平均を上回るとの見方。先進製造プロセスや先進封止が押し上げ要因になるとみている。

【マーケット】

【半導体リセッションは来る】
~引用~
また半導体の冬が訪れたのか。あちこちで捕捉されているメモリー半導体の需要不振・供給過剰診断と人工知能(AI)バブル論、米国・中国の景気沈滞懸念が重なり、外国人投資家がこの1カ月間にサムスン電子・SKハイニックスの株式を10兆ウォン(約1兆800億円)ほど売り越した。サムスン電子・SKハイニックスは株式市場全体の営業利益の29%を占めるだけに、両社の市場の流れは韓国株式市場の成績に直結する。しかし一部ではこうした危機論が時期尚早という診断も出ている。マイクロンなど半導体企業が好調を維持しているうえ、米国景気が軟着陸する可能性も高いからだ。半導体苦戦論が出ている中、サムスン電子の7-9月期の業績が半導体市場の流れはもちろん韓国株式市場の方向を決めるとみられる。 この1カ月間、外国人は韓国のサムスン電子株を8兆ウォン以上、SKハイニックス株を1兆ウォン以上売った。この影響で先月26日に7万6100ウォンだったサムスン電子の株価は27日には6万4200ウォンまで下落した。25日(現地時間)に米マイクロンの予想外の好業績で半導体株が急騰したにもかかわらずだ。 外国人が韓国でサムスン電子・SKハイニックスから手を引いていることで、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利引き下げで過去最高値を更新した米国株式市場とは違い、韓国株式市場は横ばいを抜け出せずにいる。25日には中国人民銀行の利下げでグローバル株式市場がほとんど上昇したが、KOSPI(韓国総合株価指数)だけが1%以上も下落した。通常、中国の利下げは中国内需市場の活性化による輸出拡大期待感から多くの国に好材料として作用する。 中国に対する輸出比率が高い韓国はその恩恵を受ける代表的な国だ。にもかかわらずこの日、KOSPIは前日比35.36ポイント(1.34%)下落の2596.32で取引を終えた。KOSDAQも8.05ポイント(1.05%)下落の759.30で引けた。このような韓国株式市場の不振の裏には「半導体ピーク論」がある。メモリー半導体の業況が10-12月期にピークアウト(ピーク後の下落)するという見方だ。スマートフォンやパソコン用のメモリー半導体需要が予想より振るわないからだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?