ドストエフスキーの最高傑作「死の家の記録」を読んでみた感想。【ネタバレ】
ドストエフスキーと言えば「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」です。
しかし「死の家の記録」を読んで、これが一番面白いと思いました。
ドストエフスキーとあまりソリの合わなかったツルゲーネフも、この作品に限っては激賞したと言われています。
今回は「死の家の記録」のレビューです。
以下、59秒の紹介動画です。
忙しい人用です。
「死の家の記録」を読んだ感想。
帝政ロシア下での監獄経験を作品にしたものです。
作品の主人公はゴリャンチコフという架空の人物ですが、ほぼほぼドストエフスキーです。
監獄における掟や独特の風習が赤裸々に描かれています。
驚くのは、囚人たちの金に対する異常な執着です。
金を稼ぎ、蓄財する者ほど監獄内では尊敬されます。
このあたりは実社会と同じですね。
どうやって「死の家の記録」は生まれたのか。
ドストエフスキーは28歳の時、政治犯として収監されます。
収監中、銃殺刑を宣告されますが、直前で恩赦が下り一命を取り止めました。
強烈な運の強さです。
刑期満了で出獄したのは33歳の時でした。
「死の家の記録」はその時の経験を元に書かれた小説です。
よってフィクションというよりルポルタージュの側面が強いですね。
その後の監獄物に与えた影響も見逃せません。
貴族と庶民との埋められない軋轢も描かれています。
まとめ
ナロードニキ運動というものが、1860~70年代にかけてロシアで起こりました。
一般民衆を啓蒙し、帝政を打倒しようという運動です。
しかし実際には暴力革命でした。
その後のスターリン体制では一般民衆に対して弾圧が行われ、啓蒙どころではなくなります。
意外と上に従順という特徴は、ロシア国民の持つひとつの特性なのかもしれません。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
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