僕のラ・サール戦記 6　寮生活 -演説-

寮生活

Bの話

　Bとは高校入学後、比較的早い段階から話すようになった。また入学時の試験の成績が、互いに超底辺同志だったということも分かり、それ以降は比較的親近感を持って接していた。

　そんなある日、友人達から、「Bな。あいつ運動してるから気をつけろよ。」と言われた。何のことだか分からなかったが、しかし彼の部屋に行ってみれば、何となく意味は分かった。まずBの部屋には某党の機関紙がおいてあった。当時、寮生で新聞をとっている者は少なからずいたが、その新聞は知る限りB一人だった。少し読ませて貰ったが、僕には難しい内容であった。また、Bは寮の廊下などで常に何かよく知らない歌をいつも口ずさんでいた。その歌がいわゆる労働歌であるということは後で知った。…そんなBが寮で有名人となるのには、そう時間はかからなかった。