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トムヤムクンの概要
『Tomyum Kung - Tastiness from Cuisine to Culture』を読む第2章
要約
トムヤムクンの記録があるのはラーマ5世の治世以降。
トムヤムクンの種類は2種類で、ココナッツミルクが入っているかいないかの違いがある。
トムヤムクンは、世界無形文化遺産申請中。
トムヤムクンはトム、ヤム、クンという3つの語からなる言葉。
トムヤムクンの重要な材料は、エビ、ハーブ、ライム、ナンプラー、チリジャム、唐辛子。
文学においてもトムヤムクンに関する記述がある。
トムヤムクンとその記録
トムヤムクンという名は、トムヤムクンが今日の私たちにとって馴染のあるものになった約70年前までは殆ど知られておらず、だれもまだ、その起源を書き残していなかった。
チュラロンコン王(ラーマ5世)の治世に、執筆や印刷が普及し、様々なトムヤムのレシピが様々な資料に文書として記録された。
今日私たちが知るトムヤムクンは、ラーマ5世の治世において楽しまれたものと似ているが、それ以前のものとは異なるかも知れない。
トムヤムクンの種類と概要
今日では2種類のトムヤムクンがある。
トムヤムクンナムサーイ:ココナッツミルクなしの透明なスープのトムヤムクン。
トムヤムクンナムコン:ココナッツミルクや牛乳が入ったクリーミーなトムヤムクン。
調味料や材料は、個人の好みによって多様で、トムヤムクンはタイ人だけでなく外国人にも人気の料理である。
トムヤムクンは食べやすい、アジアンハーブのアロマが際立っている、栄養価が高い、外国人から最も人気のタイ料理の一つで、トムヤムクンは世界で最も有名な料理として何度も挙げられている。
トムヤムクンは2011年、国の文化遺産に登録された。そして、2021年Department of Cultural Promotionのpromoting and safeguarding cultural heritage陪審は、トムヤムクンをユネスコの無形文化遺産の代表リストへの登録にノミネーションするため内閣府からの承認を待っている。(現在はノミネーション済)
トムヤムクンの名前の由来
トムヤムクンは3つの語を新しい意味を作るためにつなげている。トムは水をハーブと茹でる調理プロセスを指し、クン(エビ)を入れ、ヤム(タイのスパイシーなサラダ)を作るときのように、料理をライム果汁、ナンプラー、唐辛子で風味づけする。
トムヤムクンの材料
淡水エビがトムヤムクンの主要な材料であることから、おそらく、トムヤムクンは、タイ中央地域の河川に基づいたコミュニティに起源を持つと思われる。地域によって、淡水エビは、バナナプラウン、タイガープラウン、ジャイアントタイガープラウン、ホワイトレッグプラウン、といった他の種類に置き換えられ、トムヤムクンは過去から現在にわたるタイの天然資源の多様性や豊かさを示す。
ハーブ=レモングラス、コブミカンの葉、唐辛子、ライム
これらのハーブは循環を促進し、体の調和を図り、消化を助け、便秘や消化不良を和らげ、また、腸内ガスを軽減する効果がある。トムヤムクンは季節の移り変わり、特に冬が始まろうとする雨季の終わりの時期に食べるのに最適である。
調味料=3つの主要なフレーバー:ライムからくる酸味、ナンプラーからくる塩味、唐辛子からくる辛味
もともとバードアイチリよりも赤唐辛子が使われた。甘みはエビの出汁からくるもので、砂糖によるものではない。
唐辛子:新世界からの輸入品
アユタヤ王朝のMaha Thammarachathirat王の治世に唐辛子が外国人によって持ち込まれる以前、シャムの人たちは、胡椒とロングペッパーによる辛味を享受していた。
炒めた唐辛子ではなく、チリジャム
以前は、シャロット、にんにく、乾燥させた赤唐辛子を炒めて、乳鉢で一緒にすりつぶして作られた。それは、香りが出るまですりつぶして、炒められた、軽く揚げたシャロットと乾燥させた唐辛子で作られた中国スタイルのチリペーストとは異なる。
トムヤムクンと文学
トンブリー朝から、料理の名前はLakon Ram (舞踊劇)、Bod Sepha(叙事詩)、Nithan Kham Klon(物語詩)の台本において登場人物の生活や社会階級を表現するために参照されている。
ラタナコーシン朝初期のタイ文学は、ラマ三世の治世まで、二度目の首都陥落前のシャム人の生活を反映している。文章において様々な料理の名前が言及されるが、材料については言及されていないため、それぞれの料理で何の材料が使われていたのかを探ることを難しい。
プラ・プッタロエットラーナパライ王(ラーマ2世)の治世から執筆され、編集されてきたタイ文学の作品の中で、Ramakien、Khun Chang Khun Paen、Sunthorn PhuのPhra Aphai Maneeの少なくとも3つの作品がトムヤムクンに言及している。
〜そして、天使たちの一団は、欲しいもの:豚肉の一口や鶏肉のトムヤムクンカレーを選んだ。(Ramakien)
サイソンと使用人たちは、混乱しながらエビのカレーケーキを作った。香り豊かなトムヤムカレーに味付けするために、唐辛子、ライム、ガランガル、レモングラスを加えた。(Khun Chang Khun Phaen)
おにぎりと豚肉、エビ、卵、チキンのパネンカレーとトムヤムカレーを美味しそうに口いっぱいに頬張った。(Phra Aphai Manee)