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君を纏うように (詩)

僕は四角い箱から一本取り出し火をつける
その一本の煙は僕の身を纏い、肺に入る

僕はその一本に身を焦がす

あの狭く暗い湿った空間で
君と煙草を吸ったことを思い出しながら

そして灰のように吹けば舞ってしまうような
軽さだったのかもしれない

だからこそ僕はタールの重い煙草を今でも選ぶ
灰になっても少しでも長く君に滞留したいから

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