思考の延命

精神疾患が自由詩を綴っています。

思考の延命

精神疾患が自由詩を綴っています。

最近の記事

君を纏うように (詩)

僕は四角い箱から一本取り出し火をつける その一本の煙は僕の身を纏い、肺に入る 僕はその一本に身を焦がす あの狭く暗い湿った空間で 君と煙草を吸ったことを思い出しながら そして灰のように吹けば舞ってしまうような 軽さだったのかもしれない だからこそ僕はタールの重い煙草を今でも選ぶ 灰になっても少しでも長く君に滞留したいから

    • 明日への翼をかかげて (詩)

      貴方のその笑顔が私を救う 貴方は私のことを救済者と呼ぶけれど ほんとに救われてるのは私の方なんだ だから貴方が死の淵まで行っても 私は貴方がまた舞い戻ってきてくれることを 信じ明日を生きるよ 翼広げて友に羽ばたこう明日へ

      • 僕だけが知ってる君の声(詩)

        君は僕に語りかける だけどその声は 僕以外誰も聞こえない 君はほんとにこの世に存在するのだろうか 僕の作った化け物なのかそれとも 神様なのだろうか それは誰にもわからない 僕にだけわかること だけど僕もまだわからない 君は誰なの?

        • 初夏の夜をこえて (詩)

          初夏というのに肌寒い夜 雨の音と鈴虫の鳴き声だけが響く夜 君の声が鼓膜から聞こえてきたのは それはそれは昔のことなのに 僕は昨夜のことのように思えて仕方ない だから僕は今宵も眠りにつく 君の声を思い出しながら独りこの部屋で

          簡単には死ねない僕らの話 (詩)

          君はまだ生きていた 僕もまだ生きている 同じ時空を生きている 何度も死の淵へ近づいたけど それでも僕らは生きている きっと死神なんて存在しないから 僕らは簡単には死ねないままこの先もずっと 生きていく 君となら怖くないから大丈夫

          簡単には死ねない僕らの話 (詩)

          僕を守ってくれる君。 (詩)

          君から貰ったお守りの香水。 僕はこの香りを身に纏うと安堵に包まれる。 まるで君が隣にいるみたいに感じる。 君の温もりを感じたいときはいつでも僕は一人。 君にはもう会えないけど、夢の中でまた二人会える。 だから僕はこの香りが消えないうちに眠るね。

          僕を守ってくれる君。 (詩)

          まだ子供のままでいる。 (詩)

          人間だけじゃなくて猫も犬も死ぬ。 なのに私は死ねない小鳥。 この世に取り残された一人だけ。 いつまでも成長できないままでいる。 ママ、パパみんな何処に行ったの? 私はここに居るよ。寂しい。

          まだ子供のままでいる。 (詩)

          僕の道は何も無い。 (詩)

          この時代は満ちている。 何処にでも行ける道もある。 だけど、僕にはそれが難しい。 僕の道は八方塞がりだから。 八方美人にもなれなかったから 人間関係ですら構築できない。 こういう僕の道を何も持たないで歩いていくしかないのかもしれない。 この身体が保つまで死ぬまでずっと。

          僕の道は何も無い。 (詩)

          これが俺の運命。 (詩)

          今日もハイテンションだからハイボールをまた飲んだ。 今度こそ断酒しよう! そう毎回飲んだ次の日は心に強く決めているけど、結局毎晩、酒に溺れるしまつ。 晩酌の後始末はとても億劫になって、なんだかんだで翌日の朝に気怠い身体にムチを打ってやるしかない。 これが独身貴族の運命。 本当は結婚したかったぁああああ〜!!!! 心の叫びが今にも口から飛び出しそうだ。 よし、もう一杯作るしかない。

          これが俺の運命。 (詩)

          彼の奏でるメロディー。(詩)

          二人共うたた寝をしそうなぐらい長湯した。 風呂から出ると彼は鼻歌を歌っていた。 私はドライヤーの音でよく聴こえないのが残念だったが、敢えて塩らしくしていた。 そんなの彼には無駄なこと。 彼は今日ご機嫌boyだから。 今日のゴールはもうすぐそこにある。 もう彼の就寝時間だ。 私はまだ寝ないけど。

          彼の奏でるメロディー。(詩)

          もう僕に笑顔を見せない君。(詩)

          最近、君に会えてないね。 それは僕が君の家にに帰ってないからだよね。 ごめんね。そうとしか言えない僕。 何も言わない君の眼から涙から溢れる。 言わせないのは僕が原因なのはわかっている。 僕の心の奥に居る君はいつも笑っていたけど、もう僕に君は笑いかけてくれない。 哀しいけどそうさせてしまったのも僕。

          もう僕に笑顔を見せない君。(詩)

          僕の意味。 (詩)

          病弱でいつも何かに怯えている僕。 僕の隣には君がいる。 君の居る意味を知る。 僕はここに居る意味がまだわからない。 僕はいつだって寝床の上にいるから。 でもいいそれでも。君に会えるなら。 また明日も君が来てくれるのを待っている。

          僕の意味。 (詩)

          ミネラルウォーターは甘かった。

          夕暮れ時、秋風を感じながら見慣れた街並みの中を二人で歩く、彼と私。 歩くたびに二人の手が触れそうで触れない。 街並みを見ながら楽しそうにある彼と、それを聞きながら微笑む私。 だけど、微笑む私の眼は笑っているようで笑ってない。もうすぐ彼の家に着いてしまうからだ。 彼とさよならをする時間が迫っているから。 そんな私の心を察したかのように彼は言った。 「駅前まで遠回りしてから帰ろうか?」 私は嬉しさの余り何も言えず、頷いただけだった。 今、声を出したら右眼から涙が流れそうだっ

          ミネラルウォーターは甘かった。

          君の髪を撫でる僕。

          僕はまた嘘をついた。 君は今日も疲れ切ってワンルームに帰宅する。 僕は「お疲れ様。お帰りなさい。」と言い、君の髪を優しく撫でる。 君はきつくひとつ結びにしていた髪を繊細な手でゆっくりと解く。 君が僕に言う。 「ありがとう。ただいま。」 その一言だけで、僕の心にあった寂しさのわだかまりが溶けていく。 君の声が僕を包み込んでくれる。 だから、僕の方が君にいつも救われているんだよ。 でもそんなことには君は気づかない。 だけどそれでいい。気づかれないままでいい。 そのま

          君の髪を撫でる僕。

          令和4年10月7日の備忘録

          私の好きなひとはもうすぐ卒業する。 次のステップへ上がっていく。 デイケアでのリハビリを今月で終了し、A型作業所へ移行するのだ。 彼は退院してからまだ一年を経てない。 だが、生活の為、自分自身の為に次のステップへ行かざるを得ないのだ。 私はというとまだ、あと3ヶ月はデイケアで生活リズムを整え、自分自身の病状の回復に努めなければならない。 彼は今現在、完璧に病状が回復した訳ではない。 私もあと3ヶ月で完璧に回復する訳ではない。 だが、いずれ次のステップに進まなければならない

          令和4年10月7日の備忘録

          貴方の死を慈しみながら。

          わたしは彼のワンルームに居たが、煙草を吸いに非常階段に来た。 踊り場の壁にもたれ掛かりながら、煙草に火をつけた。 ニコチンがアッパーだった思考を落ち着かせ、身体を脱力させてくれた。 わたしは、11階の階段から降りた所にある一つのシミを凝視する。 そのシミは楕円状で、人の頭一つ分ぐらいはある。近くには重々しい非常階段の扉があり、小さなシミがまた一つある。 まるで、頭一つ分の大きさのシミは11階の階段から転落した跡のようにも思え、扉の前にあるシミは這いつくばって扉を開けよ

          貴方の死を慈しみながら。