【残心とは】
30年以上剣道をしているので
剣道に関する話題や言葉が出てくると
条件反射のように飛びついてしまいます。
その背景理由がラジオ配信している方と
まさかの接点があったからです。
世の中は狭いですね。
それは24年前(1997年3月)中学2年生の頃
千葉県で開催されていた全国大会に
出場していたときのことです。
何と同じ旅館に宿泊していた選手が
ラジオ配信されている方の
配偶者様の弟様であったのです。
しかも初対面で気兼ねなく
話していたので印象に残っていました。
彼は小学生時代から天賦の才と凄まじい努力で
優秀な成績を収めていました。
中学、高校、大学、社会人と活躍ぶりは
ずっと耳にしていただけにつながりの
すごさに改めて感動しています。
そこからふと『残心とは』を思い出しました。
残心は残身や残芯と書くこともあります。
残心の通常の定義では心が途切れないことです。
特に技を終えた後力を緩めたり
くつろいでいながらも注意を
払っている状態を示します。
剣道での残心の解釈は
『心を残すこと』と『心を残さないこと』に
分けて考えられています。
『心を残すこと』は打った後のことを示し
打突した後に油断せず、相手の反撃にも直ぐに
応じることができる身構えと心構えのことであります。
『心を残さないこと』は打突する際に
少しも心を残さず、全力で打ち込めば気が充実し
自然と相手に対応する状態ができることです。
試合で一本取った後にガッツポーズや
大声で叫ぶ等をすると有効打突と
見なされないこともあります。
武道において攻撃した後気を緩めてしまうと
相手からの反撃に遭い手痛い状態になり得ます。
さらに、残心の意義で奥深い概念は
次への備え以上に相手にことで
感謝と尊敬の念を伝えることにあります。
ここがスポーツと大きな違いです。
勝負だけにこだわることなく人間力を磨き
心身共に豊かな状態に保っておくことが
武道を極めていく上で大切なのです。
残心の概念は相反する定義に見えて
突き詰めると統合した考え方になります。
陰陽、光闇、善悪、勝負等一見真逆の視点は
対立するのではなく重ねて組み合わせることで
真の極地に辿り着きます。
武道に限らずあらゆる事象において
残心の考え方が当てはまります。
つまり、残心とは物事に全身全霊で
集中して取り組むことでかえって
その直後は心身共に落ち着いた状態になり
次の動きが素早く対応できるようになることです。
『心を残すこと』と『心を残さないこと』の
矛盾した考えはぶつけて壊すのではなく
統合して乗り越えていく発想なのです。
この辺りが日本文化の深いところで
侘(わび)と寂(さび)に通じるところも
あるのではないかと思います。
無理矢理打ち消すのではなく
残したままつなげていく
ような感じでしょうか。
稽古に全然行けてないので
これを機に再開しようかと。
今日も読んでくださってありがとうございます