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詩|とおいかげ


誰かが泣いている
化物じみた歩道橋
その足をつたって
背の上にのぼろう

車道を見下ろせば
深海に沈んだ気分
どこまでも続く黒
赤いテールランプ

光たちはすばやく
消失点へながれる
その点を見つめる
目を離せなくなる

孤独には慣れてる
別れにも慣れてる
でも痛くてつらい

僕の影が歩道橋の
下のほう、遠くに
遠くに見えている

とおいかげ

影は大きく見える
だけれど、それは
ぼやけてしまって
なにか分からない

ぼやけてしまって
あれが僕か分からない



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