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乳酸の真実(乳酸は最大の味方だ!!)


前の記事では、乳酸がどのようなものなのか、乳酸が産生される過程を説明しました。

今回の記事では、
出てきた乳酸が体内でどのような作用を及ぼすか
ということを解説したいと思います。

新常識!

乳酸は最大の味方

なんですね。

どういうことかと言うと、乳酸は産生された後に、エネルギー源としての役割を果たすのです。


詳しく見ていきましょう。

前の記事で説明した通り、

糖分解→ピルビン酸→乳酸
この過程で乳酸は産生されますね。

産生された後の乳酸は、血中に放出されます。

この時の血中に放出された乳酸の濃度を血中乳酸濃度と呼ぶのです。

ちなみに、ヤコブインゲブリクセンなどのはトレーニング時に、この血中乳酸濃度を指標にトレーニングを組んでいるのです。

また、
ここで関係してくるのは、筋肉です。

筋肉には、遅筋、速筋の2種類が存在しています。

遅筋は、ローパワーで持続性のある筋肉
速筋は、ハイパワーで持続性のない筋肉
これが基本的な考え方です。

これに付け加えて、
遅筋は、酸素を利用して活動することができます。
つまり、有酸素運動と深く関係しており、ジョギングやウォーキングの際は遅筋が多く動員されています。

速筋は、酸素を利用することが苦手ですが、糖を利用することができます。
糖を分解して活動するのです。
つまり、ウェイトトレーニングや短距離走など速い動きをするときに多く動員される筋肉です。

※速筋、遅筋は筋繊維と呼ばれるもので、誰しも両方の筋繊維を持っていてそれぞれの割合は生まれつきによります。
トレーニング次第で割合を変えることができます。

ここで、速筋は糖を分解して活動すると書きましたが、糖を分解すると乳酸が産生されます。

そう、乳酸は速筋から動員されやすいのです。

つまり、乳酸が体内で動員されている時は速筋も動員されている時であるので、中〜高強度の運動強度として辻褄が合うのですね。

速筋で産生された乳酸は血液に放出され、遅筋、心筋に運ばれます。
心筋とは、心臓付近の筋肉のことです。

遅筋、心筋には乳酸を取り込むことができる乳酸輸送担体と呼ばれるものが存在しており、同じく速筋には乳酸を放出する乳酸輸送担体が存在しています。

乳酸輸送担体により、乳酸は速筋で産生された後、遅筋、心筋に取り込まれます。
遅筋、心筋は乳酸をエネルギーの基であるピルビン酸に再変換することができるLDH(M型)という酵素を持っています。

速筋でできた乳酸は、遅筋、心筋でピルビン酸に戻されると言うサイクルがあると言うことです!


このサイクルは、乳酸をエネルギーとして使うためのサイクルと認識することができます。

何時主張しますが、

乳酸はエネルギー源であり、最大の味方ではないでしょうか。

では、ラストスパートはなぜ体が苦しくなるのか。

それは、体内の乳酸を酸素を絞り出して利用したいため、酸素の供給率が下がるからと考えられています。

運動時に体がきついのは乳酸がでているのではなく、乳酸を利用するための酸素が減っているからと考えられます。

これらからどのようなトレーニングをすればいいのでしょうか?
次の記事では、具体的に速くなるためのトレーニング法を徹底解説します。


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