茶の湯
手で水をすくったら月がうつっていた
その月は笑っていた。ぶくぶくと茶釜
が湯を沸かしお手前が始まるのを
待っていた。茶の湯は娯楽となりつつ
あり暇人の道楽と成り果てていた。
悟りの道具とはなれず形だけ伝わる、
茶の道。茶の道は極まれなかった少女
の習い事で終わった。お嬢さんは所詮
お嬢さんなんだ!行く末の決まらなかった定職とはなれず蛇の様に長く
続かなかった。すくった水の月は
微笑み慰められた。私の涙でためた
茶の湯も熱く煮えたぎり子供の遊び
となる。ぶんぶく茶釜の童謡って
あったっけ?