8. 帰国後の見舞い& 医師家系の看取り <父を看取れば>
10時間余の空の旅の後、日本の実家にたどり着いた。体は疲れているものの、なかなか寝付けなかった。次の日の見舞いのことを考えてしまったからだ。
私が恐れていたことは、「父の手が握れるだろうか」ということだった。小さい頃からモラハラ気味の父を恐れ、極力避けてきたので、小学校を卒業する頃から父との接触(肩や手に触れることさえ)は一切なかった。高校生の頃、母方の祖父の葬儀の帰りに電車で隣に座ってしまい、腕が触れ合って”ゾッ”としたことを思い出した。大人になってからは挨拶程度はしてい