【みちらん22】気分は標高3千メートル ~礼文島トレイル 岬めぐりコース~
「礼文に行くなら、6月までお待ちなさい」
そう言われて10余年が過ぎたある年の6月、ようやく僕は礼文島に来ました。ツアーコンダクターとして。
5月も下旬になると、日本最北の有人島礼文島にも遅い春がやってきます。これから短い夏に向け、約300種類もの高山植物が一斉に咲き出します。「花の浮島」とも呼ばれるこの島がもっともにぎわう季節です。
岬めぐりコースは、島の最北端スコトン岬までバスで行き、西海岸沿いに歩いて漁港に戻るトレイルコースです。
海が近いのに植生は本州の高山とほぼ同じ、スコトン岬からゴロタ岬展望台までは高低差100mの藪漕ぎです。その甲斐あって、展望台からの眺めは360°の視界に島の海岸線を見渡すことができ、晴れた日には利尻富士も遠望できます。
クリーム色の花を咲かせるレブンアツモリソウは、この地にのみに自生する希少種で、一時絶滅の危機もありました。現在は保護活動が実を結び、安定して見ることが出来るようになりました。
【おまけ】利尻昆布
昆布と言えば利尻昆布が有名ですが、礼文島でも至るところで昆布を干す風景がみられます。写真のように砂利石の上に並べて乾かします。昆布がない時はきれいな駐車場みたいです。
北海道礼文町
距離:14km スコトンバス停~浜中バス停
[星の数] ★(近くを訪れたら歩く価値のあるみち)
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