TC坂上@さんぽみち

さんぽみち総合研究所が主催している「バスdeウオ-ク」のツアーコンダクターを始めて20年。歩きたくなる道を求めて、ウオーキング好きのお客様と全国を行脚中。趣味はジョギングとカトレアの栽培。海辺のまちで育ったけれど、泳ぐのは苦手。

TC坂上@さんぽみち

さんぽみち総合研究所が主催している「バスdeウオ-ク」のツアーコンダクターを始めて20年。歩きたくなる道を求めて、ウオーキング好きのお客様と全国を行脚中。趣味はジョギングとカトレアの栽培。海辺のまちで育ったけれど、泳ぐのは苦手。

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  • 道覧(MICHI-RAN)

    「近くを訪れたら歩きたいみち」から「そのために旅行する価値のあるみち」まで。20年にわたり全国のみちを歩いてきた研究員が綴る歩くみちのグルメ本です。

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【みちらん】歩く道のグルメ本をウォーキングツアーの添乗員が本気で作ってみた

山道、峠道、川沿いの道、古い街並みが残る街道、現代的な都会の道、観光地を観光客の中を縫うように歩いた道、ウォーキング大会で歩いた道、全国には様々な歩く道がありました。 20年にわたり全国のみちを歩いてみて、ガイドブックやパンフレットでは伝えきれない道の個性、現場でしか味わえない道の魅力があることに気づかされました。 興味のある方はこちらも→道との対話で、散歩はもっと楽しくなる みちらんは、添乗員の記憶に残る道を星の数で格付しています。 「そのために旅行する価値のあるみち」

    • みちらんが選んだイッてみたい海外の道ベスト3 #3スペイ川 ウイスキートレイル

      最後はちょっと渋め。スコットランド北部ハイランド地方を流れるスペイ川に沿ったトレイル。 地肌が剝き出しとなった岩山と渓流、大きな樹木はなく、起伏に富んだ牧場の緑が続きます。 この道にはビクトリア王朝時代、鉄道が敷かれていました。現在は廃線となりましたが、一部の廃線跡が駅のプラットホームや駅舎、鉄橋はそのままトレイル客向けに開放されています。 スペイサイドウェイは、野を越え山を越え、蒸気機関車が似合うのどかな雰囲気が漂う道です。 裏テーマは蒸留所めぐり ところで、スぺイ川

      • みちらんが選んだイッてみたい海外の道ベスト3 #2ホタテ印の巡礼路

        続いてご紹介するのは、サンチャゴ巡礼路。 一般にはスペイン国内の800キロ(下図の赤線区間)を指すことが多いですが、フランス、ドイツ、イタリアの各都市からピレネー山脈を越え、大西洋に面した聖地サンチャゴ・デ・コンポステラへ向かう巡礼路のネットワークです。 星野大聖堂へ サンティアゴ・デ・コンポステラには、聖ヤコブの遺骸を埋めたとされる場所に建てられた大聖堂があり、エルサレム、ローマと並びキリスト教の三大巡礼地といわれています。 聖ヤコブはイエスの十二使徒の一人で、最初の

        • みちらんが選んだイッてみたい海外の道ベスト3 #1ルート66 愛され続ける理由

          最初にご紹介するのは、ルート66。 アメリカ人にとって、この名前を聞いただけでジーンと胸が熱くなる特別な存在なのだといいます。 今回はそのヒミツに迫りたいと思います。 「起」北緯35度に沿った道 ルート66は、アメリカ中東部の大都市シカゴから西海岸サンタモニカまで大陸横断の約4千キロの一般国道です。 4千キロといっても、北海道から沖縄までよりも長い距離です。モデルプランによれば、一日500キロ程度を8日かけて走破するのが標準とありますが、実現するには情熱と体力が必要かも?

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        【みちらん】歩く道のグルメ本をウォーキングツアーの添乗員が本気で作ってみた

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          【みちらん41】異人の心にも響いた辺境の歌枕 〜須磨~

          ‥‥すまのせきもり 百人一首の一つですが、最後の部分、音の並びが良いせいか、今も耳に残っています。 子供の頃は歌の意味もわからず、ただ札をとるために上の句と下の句の出だしだけ必死に覚えたものです。 そんな私が大人になり、これを書く段になって、ふと気付いたことがありました。 須磨には関所があったんだ。 そういえばこんな経験、前にもあったなと。もしよろしければ、こちらもどうぞ。 【みちらん20】♬ヨーチョーノショーケイ? そうだったんだ! ~箱根旧街道石畳~ 須磨と明石の間

          【みちらん41】異人の心にも響いた辺境の歌枕 〜須磨~

          【みちらん40】熊野古道アナザーロード ~赤木越~

          熊野古道は熊野本宮大社へ向かう参詣路。元来修験者が歩いた修行の険しい道でしたが、平安から鎌倉時代に歴代上皇が参詣して以降、江戸時代には熊野詣がブームとなり庶民も歩くようになって、現代では世界遺産の道になっています。 ちなみに、道が世界遺産に登録されることは世界的にも珍しく、「紀伊山地の霊場と参詣道」以外に、「サンチャゴ・デ・コンポステーラ巡礼路(スペイン/フランス)」しかないそうです。 その一つ中辺路は、和歌山県田辺市~熊野本宮大社~熊野速玉大社の約21里の「ゴールデンル

          【みちらん40】熊野古道アナザーロード ~赤木越~

          【みちらん39】鯨型タイムマシンの乗り手はご隠居様から若夫婦へ ~常陸太田~

          城みちるのデビュー曲「イルカに乗った少年」がヒットしたのが昭和49年。もう半世紀も前のことだが、それよりも遥か昔の元禄4年、水戸のご老公はクジラの背中の外れに隠居した。 常陸太田は、水戸から水郡線に乗って途中から支線に入った終着駅。駅舎は平成23年に改装され、かつての郷愁を帯びた風景は失われてしまったけれど、それでもはるばる来たぜの感はあります。 鯨の背中に沿って歩く 駅から棚倉街道を北へ向かうとすぐに始まる緩やかな坂を登り切れば、突如土蔵や町屋が連なるレトロモダンの商店

          【みちらん39】鯨型タイムマシンの乗り手はご隠居様から若夫婦へ ~常陸太田~

          【みちらん38】棚田世界のアイコン的存在 ~通潤橋・五老ヶ滝周回路~

          通潤橋が熊本地震で被災、修復工事の途上に大雨でまたも石垣が崩壊と、この周回路は4年近く閉鎖されていましたが、幾多の試練を乗り越え2020年7月から通行出来るようになりました。 2023年9月通潤橋の国宝指定のニュースが飛び込んで来たので追記しました。地元山都町の皆さんおめでとうございます! 橋の国宝指定は全国で初めての快挙。それに何といっても、今だ現役で活躍中という点が素晴らしいの一言。 通潤橋は水を渡すための橋 一番の見どころは通潤橋。石橋のほとんどが九州、とくに大分県

          【みちらん38】棚田世界のアイコン的存在 ~通潤橋・五老ヶ滝周回路~

          【みちらん37】奥州藤原氏のイリュージョンを見つけに ~世界遺産・平泉~

          こんにちは、さんぽみちでツアコンをしている坂上です。私は今年の大河鎌倉殿の13人にハマっています。中でも気になるのが義経。牛若丸の童謡や判官びいきという言葉も残るほど、私たち日本人には元祖ヒーロー的存在です。 でも、今回のキャラ設定は何だかちょっと違うかも。兄頼朝との今後のやりとりにも目が離せません。そこに、この先もちょくちょく顔を出であろうお方が藤原秀衡です。 前置きが長くなりましたが、平家を討ち果たした後、頼朝の不興を買い追われる身となった義経は、16歳から6年間世話に

          【みちらん37】奥州藤原氏のイリュージョンを見つけに ~世界遺産・平泉~

          【みちらん36】最強の絶景、米子城と商都をぐるっと一周

          鳥取県米子市 距離:6km 米子駅周回 次はダイヤモンド大山を見に来たい お正月に日本最強の城の特番を見て、久しぶりにnoteな気分に。それは姫路城や大阪城といった錚々たる名城を抑え、米子城がナンバー1という、ちょっと意外な結果のせいかもしれない。 今回のテーマは一度は行きたい絶景の城。日本百名城のスタンプを集めるツアーの添乗もあって、実際に足を運んだ城も少なくないが、米子城には天守閣がなく正直印象は薄かった。 それでも、遠くに大山、間近に中海と町並みを見渡す景色が素晴

          【みちらん36】最強の絶景、米子城と商都をぐるっと一周

          【みちらん35】浴衣の季節が似合う町並み ~旧東海道有松・鳴海~

          菜の花畑の先に藍染の旗印と白装束。2021年渋澤の大河ドラマを見ていて、父市郎右衛門の葬列の映像にすっかり魅せられてしまいました。「青は藍より出でて藍より青し」という諺もありますが、青空をバックに紺色がよく映えていました。 そんなこともあって、今回は昔有松を歩いた時のことを書いてみようと思います。 木綿の白に藍染の紺が鮮やかな有松絞り。その技法は代表的なものでも10種類以上あり、初夏に涼し気な浴衣姿で歩く女性を想像しながら町並みを歩きます。下の写真はそのイメージ。 冒頭の

          【みちらん35】浴衣の季節が似合う町並み ~旧東海道有松・鳴海~

          【みちらん34】五感が楽しい散歩の王道 ~小江戸川越~

          川越は江戸から明治にかけて、周辺で産出した生糸やお茶を江戸に運ぶ新河岸川の舟運で栄えました。その後物流は鉄道に置き換わり、今はその鉄道が通勤通学客や都心からの観光客を運んでいます。 西武新宿線の終点本川越駅を出発して商店街をまっすぐ北上、大正ロマンの町並みを抜け蔵づくりの町並みに入ると、川越の”ランドマークタワー”時の鐘が見えてきます。この鐘撞堂は約400年間一日4回、蔵の街に時を告げてきました。 菓子屋横丁にもちょっと寄り道。子供の頃よく通った駄菓子屋さんやだんご屋さん

          【みちらん34】五感が楽しい散歩の王道 ~小江戸川越~

          【みちらん33】波に重ねた天心の心境 ~五浦海岸六角堂~

          今回の主役は那須川ではなく、岡倉天心。近代日本における美術史学研究の開拓者です。 日本画に洋画の手法を取り入れ清新の画風を切り拓こうとした岡倉天心は、明治31年上野谷中に日本美術院を設立、仲間と精力的に活動しました。しかし経営に行き詰まり、明治39年志半ばで五浦海岸に活動の拠点を移します。 その象徴が、崖上でひと際目を引く朱色の六角堂。 日露戦争直前の欧米的思想一辺倒だった時期に、「アジアは一つなり」と喝破した岡倉天心。六角堂は日中印の文化が融合した象徴的建物とも言われて

          【みちらん33】波に重ねた天心の心境 ~五浦海岸六角堂~

          【みちらん32】「時かけ」から40年。 ~坂道がよく似合う「小動物」とは〜

          デビュー2年目の原田知世が「時をかける少女」に主演したのが1983年。当時16歳。ロケ地は尾道。 もう40年以上前の作品になりますが、坂や寺があって、高台にあがると尾道水道が見渡せて。ゆっくりとした時が流れる風景は、今も変わりません。(知世さんは素敵な大人の女性になりましたね) 迷路のような坂道で目指すスポットは、かつては(1980年代=私の青春時代)は「タイル小路」でした。尾道三部作の大林映画のロケ地巡りが流行ったからです。 でも今の若者とっては、尾道といえば「猫の細

          【みちらん32】「時かけ」から40年。 ~坂道がよく似合う「小動物」とは〜

          【みちらん31】朝水族館の開館前に歩いた道が、ちむどんどんしてた ~備瀬のフクギ並木~

          はるばる沖縄まで来て、美ら海水族館でお目当てのジンベイザメを見て大満足。でもそれだけでは、もったいない。 水族館から備瀬崎に向かって1kmほど進むと、濃い緑が民家を取り囲むような並木が始まります。フクギは防風林として植えられました。青空に向かって高々と伸びた枝が緑のトンネルをつくっています。 歩いた当時はもちろん放送前でしたが、今思えば、 ちむどんどんのオープニングで流れるアニメの世界そのもの です。確か、ドラマは本島北部やんばるの設定になっているけれど、同じような感じで

          【みちらん31】朝水族館の開館前に歩いた道が、ちむどんどんしてた ~備瀬のフクギ並木~

          【みちらん30】雨の日もルンルンの苔ワールド ~白谷雲水峡トレッキング~

          年に500日雨が降る。樹齢1000年を超えて屋久杉・・・。数々の超自然「伝説」で語られる屋久島。縄文杉へはとても無理という方にもオススメのトレッキングです。 映画のイメージと似ていることから、もののけの森とも呼ばれる「苔むす森」をはじめ、苔に薄日が差し込む森は、ジブリ映画「もののけ姫」の世界そのもの。雨に濡れた森は緑を一層濃くし、苔は生き生きと光り輝きます。 目指す太鼓岩までは険しい山道が待っていますが、その甲斐は十分にお釣りが来るほどです。眼下に広がる絶景に疲れも吹き飛

          【みちらん30】雨の日もルンルンの苔ワールド ~白谷雲水峡トレッキング~