ESC Vol.4:長く愛されるものづくり
エモーショナルショッピングクラブ(Emotional Shopping Club:略称ESC=エモいお買い物体験を共有し合うクラブ活動)の第4回は、クラブメンバーのオツナよりシェーカーボックスのご紹介です。
Members Introduction:
クラブメンバー01:オツナ(28歳女性)とある企業のPR担当。
身の回りにモノが溢れていると落ち着かないミニマリスト気質。ゆえに
シンプルなデザインのアイテムや機能美を追求したモノを買う傾向あり。
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信仰から生まれた現代に息づくものづくり
オツナ: 今回のキュレーターは、オツナです。紹介する商品は「シェーカーボックス」です。ディスカバージャパンさんで買ってきました!
チャーリー:シェーカー!?シェーカーってカクテル作るやつじゃないの?
オツナ: 違います。(笑)
シェーカーボックスは、木製のボックスのことです。なんでシェーカーというのかというと、昔アメリカにキリスト教団体の1つである「シェーカー教団」というのがあったんですね。その教団の人たちは自給自足の生活を送っていて、信仰のひとつに丁寧にものづくりをすることがいいとされている、というようなことがあって、それで作られたもののひとつなんです。
オキク: 丁寧な暮らしってそんな昔から志されてたんだ!ちょっと驚きだね。その上、日本発祥じゃなかったんだ……。
シュウ:「曲げわっぱ」とも違うんだね。 曲げわっぱは日本のもので、「曲げわっぱ=シェーカーボックス」ではないんだ、初めて知った。
オツナ:たぶん同じようなものではありますが、イコールではないです。違う歴史の中で同じようなものが生まれてたという感じですかね…?(笑)
オキク:面白いことをいいますね。(笑)
ディスカバージャパンでの出会い
オツナ:もともとシェーカーボックスって割と有名なアイテムで、いいな〜と思っていたんです。最終的に私が買ったのは、まる工芸の大澤昌史さんのものでした。いくつか検討していたのですが、偶然ディスカバージャパンの展示のなかで大澤さんの作品も取り扱うというのを見つけたんです。
まる工芸 大澤昌史さん
シュウ:偶然の出会いなんですね。
オツナ:はい、展示会の中の一作家さんとしての参加だったんですけど、「あ、いるじゃん!」と思って!
チャーリー:カブトムシ見つけたみたいに言わないで。笑 ディスカバージャパンって、赤い文字のトラベル雑誌みたいなやつだよね。
オツナ:そうです!それの実店舗が渋谷パルコにあって。事前に電話で「これあります?」って連絡して、店頭カウンターで実物見て「じゃあこれにします!」てな感じで買って帰ってきました。
マッキー:攻めたお買い物しますね。(笑)
オツナ:そうですかね(笑)。今回はWebで検索したんですけど、そもそもアメリカの教団が発祥というところで、カナダ出身の作家さんで有名な方がいて、そちらを取り扱っていることが多いんです。
BRENT ROURKE(ブレント ルーク)
シュウ:そっちが本場だもんね……。
オツナ:でも私はなんでだか日本でつくられてるものが好きなんですよね。それで日本人でつくってる人がいないか探してみたら、有名な方がいらっしゃって。最初にみつけたのがこの井藤さんという方です。
井藤昌志(いふじ まさし)
チャーリー:私が個人的に買い物するなら、文化の出発点側に元祖を感じるからアメリカ、カナダ発祥なら、現地の人がつくったものがいいなと思いますけど、なぜ日本がいいんですか?
ナナセ:日本のものづくりの、あったかい感じみたいなのが好きなの?
オツナ:なるほど!文化の発祥の地のものを買うことでストーリーごと感じられそうですね。でも、そうですね〜…あったかい感じが好きというのもあるかもです。日本人だから日本のものが好き!というすごく単純な理由かもしれません。(笑)
あとは、日本製だと日本仕様にアレンジされてることも多いので、そういう文化的なところに引き寄せられているかもしれないです。
使う人の数だけ使い道がある。十人十色な使い方
シュウ:ところで、シェーカーボックスって何に使うんですか?
オツナ:これ自体は木製の箱なので何にでも使えます!生活感を出したくないものをこのボックスに入れておくといった感じで使う方が多いですね。インテリアとして。
ナナセ:そういうのって弁当箱と思ってた(笑)。用途が全然違うんだね。
オツナ:違います、お弁当にしては大きいですよこれ(笑)。だから、お裁縫箱として使ったり、靴のケア用品入れたりとか、日用品を入れて使う方が多いですね。私は腕時計の保管場所として使いたいな〜と。もともとたくさん腕時計を持ってたんですけど、自分が使いたいものに厳選したので、きちんと保管できる入れものがほしくなってシェーカーボックスを買いました。
チャーリー:なるほど。以前登場したコンポート皿のあるエリアに置いているんですか(笑)。
オツナ:あのエリアとは別のエリアに置いてます(笑)。
時代を超えて愛される技法
オキク:普通の箱と違うところはどんなところですか?
オツナ:機能的な部分はそんなにないのですが、作り方に特徴があります。これは木と留め具だけで作られてて。接着剤が使われてないんですよ!
接着剤を使わなくても大丈夫な工夫として、「スワローテイル」と呼ばれる形状がつなぎ目に採用されています。側面のツバメの尻尾みたいなかたちのところです!普通だと曲げた木を貼り合わせると反り返ったり浮いたりすることがあるらしいんですが、それをこの燕尾型で防いでいるそうです。この技術が当時から完成されていたことが、シェーカーボックスが高く評価されている理由のひとつなんです。
マッキー:なるほど…。中はどうなってるの?…あ、留め具が中からみえないね。絶妙な距離で止めてるってことなんですかね?
オツナ:そうですね、小さなパーツでとめてます。そういう機能美へのこだわりもステキなんです!
チャーリー:そういえば、結局大澤さんのやつにしたのはどんな理由?
オツナ:さっき留め具の話がありましたが、本家も井藤さんも、留め具としては”銅ビス”を使っているんですね。木の部分と色合いがなじむようになっているんです。でも大澤さんのは、あえてワンポイント的に真鍮の釘を使っている。そこがいいなと思って。
チャーリー:へえ〜!細かいこだわりだね、それは。
オツナ:これを日本製ゆえのアレンジ、と言っていいのかはわかりませんが(笑)、井藤さんのように本家に忠実につくっているものよりも自分は好きだなって思ったんです。あと日本製で、というところでいうと留め具がまっすぐにつけられているのも良いところです。
チャーリー:手仕事だと、そういうつくりのこだわりが違うんだ!
オツナ:私がみたかぎりなので一概にはいえないと思うんですが、品質はやっぱり良いと思います。値段によってもありますね、安いのだとガタついていたり。
チャーリー:そういう品質の違いみたいなのが、「神は細部に宿る」だね。
オツナ:あと天然素材だから、木の状態とか模様とかによって若干の違いがありますね。工芸品としてのこだわりポイントですね。
マッキー:木の種類ってなんですか?
オツナ:基本はサクラが多いですね。本家もチェリーでつくられてます。
マッキー:曲げやすい木の素材じゃないとダメなんすかね?
オツナ:それもあると思います。曲げやすい、かつ強度が保てるのに桜が一番適しているのかな?
シェーカーへのオマージュ
ナナセ:ねえねえ、紙で作ってるのもあるよ!かわいい!
Own. / Eph Shaker Box set of 3
オツナ:そうそう、紙もあるんですよ。オマージュ的な感じで。
チャーリー:これはこれでオシャレだ。でも確かにオマージュ感を感じる。木をそのまま模して、紙で再現したんだね。
オツナ:紙もかっこいいなと思いつつ、やっぱりスワローテイルの良さが生きるのは木の素材なんですよね〜。
シュウ:たしかに、これの王道は木製って感じですよね。
オツナ:あと3点セットだったから、純粋に今回は一つでいいかなと(笑)。
ナナセ:腕時計だけだもんね、数はそんなに必要ない(笑)。
シュウ:今後は違うサイズのものも買いたいとかあるんですか?
オツナ:さすがシュウさん!ほしいんです。これは2個セットで使ってる方が多いんですが、もう1個ちっちゃいのがあると絵的にかわいいんですよ。
シュウ:マトリョーシカみたいな?
オキク:マトリョーシカ(笑)でもたしかに井藤さんのはサイズいっぱいありますね。
ナナセ:ほんとだ、10個ぐらい!小さいのはお弁当よりちっちゃいじゃん。てか思い出した、オツナのシェーカーボックスなんか見たことあるなぁと思ったらこれだった!革製のやつ。
スキマ
オツナ:ああ、エンダースキーマのやつね!シェーカーボックスはプロダクトとしての良さも評価されているから、オマージュはいくつかあるみたいですね。
チャーリー:紙に革に、異素材。おまけに黒いやつもあるんだ。ディスカバージャパンのところでは、黒いものも売ってて全然印象違うね。男性的な感じ。
ナナセ:いいな〜、聞いてたら欲しくなってきた。
オツナ:かわいいですよ〜。女性だったらメイクボックスとかにする人もいます。
ナナセ:うちだったら多分5個ぐらいじゃ足りない(笑)。
マッキー:それにしても、スワローテイルって、作る工程がそのままデザインになってるってことですよね。建築物みたいで、すごい。
オツナ:確かに!角も凹凸が全然なくて、めっちゃ軽くて薄いんです。これはぜひ触ってほしいよ!
チャーリー:急にアニキ感出てきました(笑)。ほかに質問ありませんか?
マッキー:あなたにとってシェーカーボックスはどういう存在なんでしょうか?または、どう生活が変わりましたか?
オツナ:難しすぎる……けど、もう、人生ですよ!
チャーリー:大げさです(笑)。さて、ライフスタイルのまた新しいアイテムが登場したというところで締めたいと思います、ありがとうございました。次も手仕事持ってきてください。
オツナ:🙋♀️
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さてさて、今回のESCはいかがでしたか?
ESCは(頑張らない程度に頑張って)月2回程のトークを届けする予定です。
このnoteが僅かでもこのあなたの心のストレッチになればと願っています。
お買い物に纏わる一喜一憂の気分全てを楽しんで!
Let's Emotional Shopping 🎉
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