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『イタリアでは自動車整備・修理をどこでする?』

日本の学校ももう夏休みに入ったと思いますが、こちらは夏休みに入って1か月半が経過しています。以前書きましたが、6月10日ごろから9月10日ごろまで約3か月が夏休みイタリアです。

そして夏休みの大移動は間もなくはじまります。移動手段の多くは車ですが、お出かけ前に車の点検もきちんとしてトラブルは避けたいものです。
車の故障は夏と冬に多いとよく言われていますが、日本であれば「ディーラー」「大手カー用品店」「町の整備工場」でお願いするのでしょうか。ここイタリアでも似た感じですが、イタリア語では自動車『Automobile/アウトモービレ』『Macchina/車』呼ぶので、困ったときにはこれらの単語を探す人も多いのではないのでしょうか。

残念ながらイタリア語では、全く異なる言葉が使われたところが自動車の修理、整備をしてくれる場所なのです。
一般的に使われる言葉は『Carrozzeria/カロッツェリア』『Officina di Riparazione/オッフィチーナ ディ リパラツィオーネ』『Meccanico/メッカニコ』でしょうか。

『Meccanico/メッカニコ』

形容詞としても使われますが、名詞として使う場合は自動車整備工場を意味します。

『Officina di Riparazione/オッフィチーナ ディ リパラツィオーネ』

『Riparazione/リパラツィオーネ』は、修理を意味しますが、『Officina/オッフィチーナ』は製作所、作業場、仕事場、工房を意味し、その中のひとつに自動車などの整備・修理工場の意味があります。

『Carrozzeria/カロッツェリア』

『Carrozza/カロッツァ』馬車、4輪馬車、客車を意味し、もともとは文字どおり馬車を組み立てる、修理・整備していました。その名残が現在も続き、乗り物は変わった今でも、この言葉が使われています。
 
お気づきでしょうか。『自動車整備・修理工場』意味する3つの言葉どれにも『自動車』や『車』の言葉が入っていません。時代の変化とともに言葉が変わると言われていますが、中には変わらず使われているものがありおもしろいです。

余談ですが、飛行機で客席にある『手荷物収納棚』をイタリアでは『Cappelliera/カッペリエーラ』と呼びます。
この言葉は帽子箱や帽子入れを意味し、どこにも荷物の言葉がみあたりません。帽子箱は、帽子を埃や光から守るために帽子を保管することが主な目的でしたが、それを旅行用にハンドルとロック付きモデルが登場して持ち運びするようになりました。そしてハンドル付きスーツケースやトローリーを収納する場所を示す言葉として現在も使われています。

ITA Airways の手荷物基準ページでも『Cappelliere』の単語が使われています。
リンクはこちら → https://www.ita-airways.com/it_it/fly-ita/baggage/hand-baggage.html


『馬車』『帽子箱収納棚』のような言葉は現代の暮らしと無縁のようですが、それでもその言葉を使い続けるところがイタリア人らしいなと思うのでした。
 
今年も猛暑が続く日本列島ですが、どうぞお身体を大切にお過ごしください。
そしてそれぞれの場所で楽しい夏休みをお過ごしください。
『Buona estate! Buone vacanze! 』




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