『新幹線に負けないイタリアの赤い矢』
2020年のGWから3年間、旅行を心待ちにしていた人はたくさんいることでしょう。車での旅、船の旅、飛行機での旅、鉄道の旅、皆さんはどれがお好みでしょうか。
イタリアにお越しになる場合、日本からだとまずは飛行機に乗る必要がありますが、イタリア国内での移動は、離島を除き、鉄道が便利でしょう。
日本の東海道新幹線の本数と正確さには到底及びませんが、それでもローマ、ミラノ間、ローマ、フィレンツェ間、ミラノ、ナポリ間、そして筆者が暮らすトリノ、ローマ間、断然鉄道が便利です。
そして移動を快適にしてくれるのが、イタリア版新幹線『フレッチャロッサFrecciarossa』、イタリア語でフレッチャFrecciaが矢、ロッサRossaは赤ですが、名称なので2つの言葉を合わせた固有名詞になっています。
その名のとおり『赤い矢』の最高速度はなんと時速300㎞で、東海道新幹線の最高速度を上回ります。
主要停車駅ですが、トリノから出発し、ミラノ - レッジョ・エミリア - ボローニャ - フィレンツェ - ローマ - ナポリ 、カンパーニャ州のサレルノが終点です。例えばトリノ、ミラノ間であれば40分強で到着、ミラノ、ローマであれば2時間45分で到着します。
座席クラスはエクゼクティブ、ビジネス、プレミアム、スタンダートと分かれていますので、どのような旅をしたいのか、車内でどのように過ごしたいのかでお好みのタイプを選ぶのがいいかもしれません。
このFrecciarossaを運行させているのが、 『トレニイタリアTrenitalia』です。この前身は日本同様国鉄でしたが、2000年に民営化されました。
そこからなのか、座席料金が高い電車だとなのか、随分とサービスもよくなった印象です。
ただし、日本の鉄道ほどの正確さはありませんので、万が一遅延が生じた場合は特急料金の払い戻しをしてもらいましょう。
30―59分、60-119分、と遅延により異なります。時どきローカル電車が定刻通り出発して間もなく減速や停車している場合があります。
それは大体フレッチャロッサFrecciarossaの遅延をどうにかしようとしているときだと思います。あくまで優先順位は『フレッチャロッサFrecciarossa』なのです。
さて、随分快適になった鉄道の旅ですが、実は競合があり、もうひとつの高速鉄道『イータロ.Italo』です。こちらは2012年に開業し、面白いことにTrenitaliaと同じ線路を使っているところです。
停車駅もフレッチャロッサFrecciarossaと同じ感じです。(主要停車駅の街です。大都市は大きな駅が複数ある場合は乗り入れ駅が異なることがあります。)
それでも日本の新幹線のように本数がたくさんない高速列車だからなのか、不思議なことにどちらにも乗客が集まるのです。
それに加えて日本の新幹線とは異なり、どちらも航空券のように早割的な料金や格安料金での売り出し日もあります。
旅好きなイタリア人、時間があれば実家に帰るイタリア人、需要がある証でしょう。機会があれば乗り比べをしてみるのもいいかもしれません。
ちなみに.Italoの座席クラスはクラブエクゼクティブサロティーノ、クラブエクゼクティブ、プリマ、シネマ・スマート、スマートです。
イタリアのどちらの列車も座席クラスにもよりますが、飛行機のようにドリンクや軽食サービスがあります。
イタリアらしくエスプレッソを飲むもよし、アペリティーヴォの時間ならスプマンテを楽しむのもいいですね。
飛行機と違い、鉄道駅は街の中心にあるので、着いてからの直ぐに街へのアクセスができるところが利点でしょうか。
それと多くの人がスーツケース等を持っているので、荷物置き場が車内に確保されているところもいいですね。
小さなタイプの荷物であれば座席上にも置けるのでとても便利です。
そして乗車する際の改札口でのチケット確認はないのがイタリア、ただし大きな駅(ターミナル型の駅舎)は不審者がホームに出入りしないようサクッとチケットを見る場合がありますが、それ以外はノーチェック、乗車してから車掌がチケットをチェックします。
イタリアにお越しの際は、快適で安心の鉄の旅もいいかもしれませんね。
おまけ
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