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『イタリアの救急隊員は地方公務員ではなかった』

今年は梅雨入りが遅い日本列島のようですが、こちら北イタリアは、少し前まで肌寒く、夏でもないのに夕立のような雨が降る日が続きました。お天気が定まらないと体調管理も難しいと思います。

さて、今日はできればお世話になりたくないけれど、ケガ、急病時に駆けつけてくれると誰もが安心感を覚える存在の救急隊員についてのお話しです。

日本では救急出動件数が、5.2秒に1回1年間で国民23人に1人が救急車で搬送されているとデータ発表されています。幸いにも2人に1人が軽症者のようですが、やはり事故、ケガ、病気の緊急事態に、救急隊員が到着すると的確な処置はもちろん、その存在に信頼を寄せている人も多いでしょう。
また、日本では119番通報から到着まで全国平均で9.4分です。その速さにも驚かされますね。

1931年、日本で最初の救急自動車となる車両を『日本赤十字社大阪支部』が大阪市に配備されたのが、今日に続く救急車の歴史のはじまりです。そして1963年、消防法が改正され、各地方公共団体の消防本部が救急業務を行うよう規定・法制化されました。
 
一方、ここイタリアには地方自治体組織に地方公務員の救急隊員がいません。これは救急車がなく、救急隊員がいないという意味ではなく、別の組織が運営しているのがイタリアなのです。イタリアに来て消防署に行っても、救急車を見ることはありません。かつて日本でも日本赤十字が救急車を運営していたことをご存知の方はピンとくると思います。イタリアでは、主に『イタリア赤十字』『イタリア全国公共福祉協会』『イタリア全国慈善連盟』救急車、人員、組織運営しています。
ここイタリアでも市民の暮らしを守ってくれるひとたちがいるのでどうぞご安心ください。


イタリア語で救急車は『AMBULANZA』車両正面の表記が反転しているのはミラー越しに見たときにわかるようにだそうです。



イタリアでの救急車を呼ぶ場合、番号はどうなっているのか。かつては以下のとおり電話番号が各組織で異なりましたが、現在はEU共通の緊急通報『112』です。
仮に昔の番号にかけたとしても、きちんと112番に繋がる仕組みになっています。
警察 113
消防 115
救急車 118
国家憲兵 112
 
旅の途中でお世話になるような機会は避けたいものですが、万が一に備えて覚えておくと安心ですね。

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