チームアップとか数学とか~その1~
学生の頃同じ人の数でも、お互いが忌憚なく意見を交換できるチームと、上意下達の縦社会チームではなぜ効率に差が出るのだろうと考えたことの答えが出たのでちょっと書いて見ようと思います。長くなりそうなので2つか3つに分けようと思います。よかったらお付き合いください。
■きっかけは哲学の講義にて
哲学の講義で「教師」と「学生」という一方通行の関係は人間的な関係か?という事を考えることになった。
講義がうまく行かなかったり、なんかダルくて頭に入らないのもその一方的な関係によるものなのではないかと。
結局講義はどんどん「教師ー学生」の関係の解体に向かってすごく楽しくなります。学生がどんどん自分から意見を発して、先生置いてけぼりで授業テーマについて話し合いました。
その講義によって、僕達が無意識に強いている権力への服従と思考停止があらわになったのでした。ある役割や枠組みに対して、偏った権利や暴力が集中すると、途端に僕達は萎縮して脳を止めてしまうのです。
また、そのへんのリミッターがハズれれば、人間集団の創造性は飛躍的にアップするということを体験しました。
■どうして縦型関係になってしまうのか
僕なりに考えてみる。
と、縦型のほうがチームとしてはコントロールコストが低く、運用リスクが低いことが原因になっているのではないかという仮設が立ちました。
ここでちょっとその時僕が考えた図を挙げてみようと思います。
以下の図ではnは「ノード」で人の数を表し、pは「パス」の数で人と人のつながりの数を表しています。
・その1
これは教師一人のパターンです。人ひとりなのでここに誰かとの関係はありません。なので「n=1」で「p=0」です。
・その2
これは教師一人、学生一人の関係です。なので「n=2」で「p=1」となります。
この調子で、その3からその6まで一気に見てみましょう
これが教師ー学生の関係の図となります。ここでnとpの関係を見てみると
この表のような関係となっています。
一般化すると
となります。
つまり「教師ー学生(多人数)」の関係でコミュニケーションを行うと、そのために必要なパスは「その部屋の人間全員から教師一人を抜いた数」に収まるというがわかりました。
■わかったから何だというのだ
わざわざへっぽこ数学を使って何が伝えたかったのかと言うと、縦型コミュニケーションは、コミュニケーションのためのパス数をかなり抑えられるということです。
せいぜい「人数-1人」の数のコミュニケーションパスをコントロールできれば、十全に組織の運営が可能であると言うことです。
加えてこのパスでかわされるコミュニケーションは一方向的なので、この組織内を流れる情報の量は非常に少なくてすみます。
つまりファシリテーションのスキルやキャパシティが低くても、えっちらおっちら組織を運営することが可能だと言えます。
空中分解や大炎上を避けられるということも考えると、縦型組織は非常に省エネで合理的な組織の形の一つだと考えられます。マネジメントの能力もそんなに必要がなく、上から権力で押さえつければコミュニケーションに付随する情報量も計算量も減らしやすいです。
とりあえずその1はこのへんで切り上げてその2へ続きます。
(トップ画像:https://publicdomainq.net/eugene-delacroix-0009381/を加工)
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