うつわが気づかせてくれたこと
いつからだろう、器が好きになったのは。。
実家暮らしの長かった私は、
器の事を気にかけ始めたのはついここ数年。
最初の職場を退職するまで、
はずかしながらいつもお母さんのご飯にお世話になっていた。
自分で作ることなんて、必要に迫られたときくらい。
もっぱら食べ専門だった私は、器よりも器の上に載っている
食べ物の方に目が行っていたし、楽しみだった。
そんな私は職場を退職した後、夢だった海外へ。
なんだかんだ数年過ごし、
結局帰国したときは今の旦那と一緒だった。
その後、初めてのアパート借り、ふたり暮らし。
最初は作るのに精一杯だったけど、
慣れてくるとあら不思議。
どんどん手際も良くなってくる。
そんな自分にうぬぼれ始めてきた頃、
ふと
「食べたもので身体は作られる。」
「家族(まだ旦那と二人だけど)の健康は、私が握っているんだ」と自覚した。
同時にあの時、
なぜお母さんがお弁当に冷凍食品を使わなかったのか、あんなに面倒くさい野菜ジュースを毎朝作っていたのかが初めて理解できた。
それからは妊活も手伝って、
より一層家での食事にこだわりを持ち始めた。
菜食中心、有機野菜、本物の調味料、発酵食品、玄米。。。
あげればきりない程の事を勉強し、
少しずつ可能な範囲で自分たちの生活に取り入れてきた。
今までは色々な事に共通する
”足す”ことを中心とした調理だったけど、
色々と勉強していくうちに
”引く”ことも覚え始めた。
大地の栄養をたっぷりと吸収した野菜たちを、
どうしたら美味しくありがたくいただけるのか。
そんな事も考えながら過ごしていると、
どんどん家での食事がシンプルに、
しかし優しいカラフル色になってきた。
すると自然と、
今まで何も気にしないで使っていた器が気になり始めた。
気になり始めたら、暫くは頭から離れない。
外食時にレストランやカフェの器の使い方を観察したり、ネットでももっぱらテーブルコーディネート関連や、窯元の情報を見始めた。
それからというもの、
常に器にアンテナを張り、
出逢ったときに少しずつ我が家に連れて帰ってきた。
今、
我が家の食器棚には少しだけど、
色々な思い出の器たちが並んでいる。
決して多くはいらない。必要な分だけ。
それでも、
ここまで食事を、家族の健康を守ることを楽しみに変えてくれた器たちに出逢えて本当に良かったと今日も思う。
器って楽しいな。