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鋳物オープンイノベーション その1

※バナー画像はChatGPTによる生成画像です


3Dプリンターの技術をシェアする

最初の記事「◯◯年後になくなる仕事?」でも書いたように、3Dプリンターの技術をシェアするということを考えています。

具体的には?

当社が開発した3Dプリンターで鋳造模型を作る特許「DXモールド」を無償で教え、鋳物メーカーに3Dプリンターで鋳造模型を内製化する支援をする計画です。

近々、当社のWebサイトでも告知し、本格的に活動していこうとしています。

なんでそんなことするの?得するの?

そうです。そこが問題です。

Webサイトの中でも、どう表現するかが問題です。というわけで、先行してnoteで書いてみようというのがこの記事です。

まとまっていない思考を文章化するのはとても辛いです。でも、書いてみないと始まりません。

鋳物への思い

まず、私は鋳物が大好きです。鋳物メーカーや鋳物職人(鋳物師)が大好きです。

どろどろに溶けた金属を扱う、ハードな現場。鋳造の現場はとても暑いです。夏などは外より暑く、空調も意味がありません。そんな環境で働く職人さん達。最近ではあまり見かけませんが、素手で砂型を上げて型を抜くこともあります。砂は固まっているのではなく、砂場の砂を湿らせて一時的にくっついているような形式です。それを崩れないように脱型するのも職人の技術です。

そんな鋳物職人がかっこよくてたまりません。無骨な鋳物がかっこよくてたまりません。

そして、鋳造とは金属加工の中で最も古い技術の一つです。曲げたり、穴を開けたり、溶接したりするのは近代の技術です。熱した金属を叩いて成形する鍛造、溶かして成形する鋳造は紀元前のメソポタミア文明が最初と言われています。人類の最初の金属加工技術(冶金技術)が、鍛造や鋳造です。人類の英知だと私は思っています。

しかし、今や工業高校ですら鋳造は教えていません。鋳造や鍛造という言葉を知らない人も多く、残念でなりません。

仲間の廃業

コロナ禍の影響もあったと思いますが、近年仲間の廃業が続いています。鋳物メーカー、木型メーカー、金型メーカーを問わずです。

しかし、容易に代わりはいません。

手仕事で発泡スチロールの型を抜く鋳物職人や、大きな型を作る木型職人は容易に見つかりません。イメージを汲み取って形にする器用な木型職人も同様です。

日本の鋳造業界の中小企業性

鋳造産業は中小企業性が高い

鋳造産業ビジョン2016, (社)日本鋳造協会
https://foundry.jp/about-jfs_inc/casting-industry-vision/
鋳造産業は中小企業性が高い

鋳造産業は中小企業性が高いです。鋳造産業ビジョン2016(社)日本鋳造協会によると、93%が従業員数100人未満の事業所です。

後継者がいない、分業による取引コストが高いという状況では、M&Aによる垂直統合に向かうのか?そもそも、生産性が低く、技術的な革新もない事業所は淘汰されるしかないのか?

私は鋳造業界の一員としてそうではない未来を創り出したい。

3Dプリンターの最も効果的な使い方

当社では3Dプリンターによって鋳造模型を作り出す方法を発明し、「DXモールド」と命名しました(特許第7343989号)。

従来に比べて、鋳造模型を早く、安く、簡単に作ることができます。

しかし、その効果を最も活かせるのは、顧客である鋳物メーカーの設計者のそばに3Dプリンターを導入し、設計者がその場ですぐに模型をプリントできる状況です。

オフィスまたはオフィスの近くに設置でき、原則としてモデルが描ければ三次元形状を出力できます。製作の手間が減った分、企業間の打合せや手続きの手間がより気になるようになりました。

当社のジレンマ

「効果を最大限に発揮できる手法を隠して、一時的な仕事を得る方を選択するのか?」
「教えるとしても当社はコンサルタント業ではない」
「オープンにして何のメリットがあるのか?」

というジレンマがありました。

発想のブレークスルー

クローズにして一時的かつ小さなアドバンテージを得る
→ これまでの延長線上の未来、大きく変わることはない

オープンにする
→ どうなるか予測がつかない

これがポイントでした。予測不可能な不確実な未来を作り出す。

ちょっとした技術革新があって、同業他社に真似されるまで暫くのアドバンテージを得る、ということはこれまでもやってきました。特許で知財を保護しているとはいえ、特許に触れないように作ることも難しくありません。これでは今までと何も変わりません。

不確実でインパクトの大きい未来を選択することこそがイノベーションにつながる。これが決め手でした。

オープンイノベーションへ

オープンイノベーションのポイントは以下の4つです。

  1. 外部知識の活用
    当社では持っていない知識や技術をさらに取り入れる。当社の技術の提供をきっかけとして、顧客の課題やインサイトを得る。

  2. 内部知識の外部活用
    当社の技術が新たな用途で活用される。「こんなものも作れませんか?」「こんなことは出来ますか?」顧客からのこのような問い掛けが当社のさらなるイノベーションを生み出す。

  3. コラボレーションプラットフォームの利用
    同業者組合、鋳造業界団体、鋳造工学会などから広範なアイデアや解決策を得る。

  4. エコシステムの形成
    業界、地域と共に成長し、持続可能なビジネスモデルを実現する。

古くからある業界であり、地域や同業者間の信頼はとても厚い。そして、中小企業性が高い。オープンイノベーションによって鋳造業界に新たに挑戦します。

まとめ

完全な文章を書くのではなく、まとめるためにとにかくアウトプットしてみる、というのが今回の記事の主旨でした。

まず第一に

とにかく辛い。

自分の頭の中で論理が完全につながっているわけではない、でも、それを文章にする。完成した論理を求められているわけでもないのだけども、論理的な話を書きたくなってしまう。でも、整理されているわけではないので書けない。辛い…。

やってみてどうだったか?

整理できてかなりスッキリした。

無理やり書いてみると、その過程で整理されるのでスッキリしました。調査、研究が足りない分野が見えてみました。

ポイントは何だったか?

オープンイノベーションの前段は十分だと思われる。長すぎるかもしれない。オープンイノベーションで何を引き起こすのか?オープンイノベーションの概念を当社のビジネスの中でどう活かすのか?ここの掘り下げが足りないということが分かりました。

最後に

今回はなんだかよく分からない記事だったかもしれませんが、ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。

続編はこちら

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