若手ひとり広報の悩みと、PRコミュニティ「#PRFunho」運営の振り返り
■#PRFunho 運営メンバーとして
ついに重い腰を上げて個人Noteを書くことにしました。遠い昔、ITmediaオルタナティブブログというところで「山岡週報」というプレッシャーでしかないブログタイトルをつけたにも関わらず、月報となり、年報となり、そして更新をしなくなり6年…という重い前科を持つ身としては、再犯の危険性を感じながらの執筆であり、公開前日の23:30にこの書き出しを書いているというデンジャラスな幕開けとなっています。
つらつらと書いていたら長くなってしまったので、読むのが面倒な方は下記目次から読みたいところへ飛んでください。
では、なぜNoteを書くことになったのか。それは、私が所属し、今年から運営にも関わることになった広報Slackコミュニティ「#PRFunho」で、年末企画である「アドベントカレンダー」に参加登録をしたからです。運営メンバーとしては序盤で空いている日を埋めるしかあるまいと、2日目に飛び込みました。
この記事は、#PRFunho Advent Calendar 2023の2日目の記事です。
本記事では、#PRFunhoのアンケートから見えてきた「若手ひとり広報の悩み」と、その悩みに寄り添えたのかという点での「#PRFunho」運営の振り返りをしていきます。
#PRFunhoってなんぞや?という方は、1日目に同じく運営メンバーの1人である「たびちん」さんが書かれた素敵な紹介記事がありますので下記をご覧ください。
この段階ですでに#PRFunhoに参加したくなったぜ、という気の早い方はこちらから参加申請ができます。
#PRFunho 参加申請はこちら
■広報の定義と、その難易度の向上
自己紹介と「広報」という仕事について
紹介がだいぶ遅くなってしまいましたが、私は現在Muscle Deli(マッスルデリ)というダイエットやボディメイクのための冷凍宅食D2Cのベンチャー企業で執行役員をしており、新規事業開発とともに広報を担当しています。社員数も少ないので、必然的に「ひとり広報」となっています。
新卒ではアイティメディアというメディア側に居ましたが、その後起業や転職により、事業主側での広報歴ももう10年以上となりました。また、縁もあり、現在2社のスタートアップのPR顧問や、日本マーケティング学会PR部会委員、PR TIMES公認プレスリリースエバンジェリストなどを務めています。
さて、ここまで「PR」という表記がいくつも出てきましたが、これが実はとても曲者でして、みんなの頭を悩ませています。巷ではプロモーション(Promotion)の略称としても使われてしまっていたりするのですが、広報定義でのPRは「パブリックリレーションズ(Public Relations)」の略称です。ここで既に経営者や社内関係者と認識がずれていたり、どういった目標設定をしていいのかといった部分から右往左往しているケースをよく見かけます。
日本広報学会による「広報の定義」の刷新
今年6月には、日本広報学会が広報の定義を以下のように刷新しました。
「組織」だけではなく「個人」がここに入っている点、「双方向コミュニケーション」を手段として明記している点などが、PR=「パブリックとのリレーション(関係性の構築と維持)」における複雑な状況を取り込んで反映されているものと考えています。また、「経営機能」と明記されたのも大きな変化です。
昨今のソーシャルメディアやオウンドメディアの興亡、LINEなどのコミュニケーションツールの急速な浸透により、伝える手段としてのメディア・ツールも非常に多様になってきました。
これまでは、いかにマスメディアなどに取材されて露出を取るかに集中すれば良かった(というわけでもないのですが、そこが重きを占めていた)広報という職種に、いまやあらゆるメディアやデジタルツールを使いこなすとんでもない多能工の人材が求められるようになってしまったのです。
■若手ひとり広報の悩み
さあ、前置きが長くなってしまいましたが、ようやくここで「若手ひとり広報」の登場です。
「広報は経営機能として重要らしい。いまやSNSは当たり前のようにやらなければいけない。TikTokなんかも流行っているらしいし、よし、デジタルに強い若い子にやらせてみよう。」といった会話が各企業でされている様子が目に浮かびます。
また一方では、こうした変化の激しい業界トレンドをチャンスと捉え、別職種からのキャリアチェンジで広報になる方も多く見かけます。エンジニアから広報になりました、という方も最近何名か知り合いになりました。社会人歴はあるが広報としては若手、といった方々も増えています。
こうした状況もあってか、広報について悩みを抱えている方々がたどり着く先としての「#PRFunho」は、2023年12月現在なんと1,400名を超える大所帯のSlackコミュニティになりました。
2023年6月 #PRFunho会員アンケート実施概要
しかし、これだけ多くの悩みを抱えた広報の方たちが集まっているにも関わらず、コミュニティ内でのメンバーの投稿は徐々に減っているように感じていました。こんなにみんな課題を抱えているのに、なぜ…?
私自身このコミュニティに所属していることで学びになっている部分もあったり、ここで知り合った方々とコラボ企画をしたり、メディアキャラバンを一緒にして掲載までこぎつけたりしたこともあり、恩恵を受けている身として何か貢献したいという思いから、発起人のマーティンさんや有志の運営メンバーと一緒に、まずは現状把握から始めよう、ということで実施したのがこの6月のアンケートでした。
アンケート調査の総括
若手ひとり広報は、何に悩んでいるのか
#PRFunhoに期待していることの1位は「人脈・仲間づくり」、2位が「メディアリレーション」、3位が僅差で「業界トレンドの把握」でした。
コロナ禍で「ひとり広報」となって人脈もメディア回りも出来ていない状態の広報パーソンが、 仲間とネットワークを求めて#PRFunhoに辿りついているといった仮説が立ちそうです。
そして構成比としては、1〜3年目が41.9%と若手広報が多く、逆に7年以上のベテランは21.8%。 ここで情報を求めている人と提供する人のギャップがあるのかもしれないという構造が見えてきました。また、実際に新規入会した人たちにインタビューをしていくと、実態とは裏腹に「他の人はみんなベテランに見えて、レベルの低い質問がしにくい雰囲気がある。」という空気が醸成されてしまっていることに気が付きました。
これらの結果は、「Slackでのやりとりを通じて関係性を構築し、組織を越えた交流を実現するための場」という#PRFunhoとしての役割はまだまだありそうだぞという可能性の現れでした。そして、思った以上に回答者のなかに若手ひとり広報の比率が高いことから、そこにコミュニティとしてコミットしていくべきではという方向性が見えてきました。
■#PRFunho コミュニティ運営の振り返り
「蠱毒」から始まったコミュニティ運営立て直し
私は昨年までは#PRFunhoの参加者の一人でしかありませんでした。今年の春頃に、発起人のマーティンさんが所属しているGaudiyでの「蠱毒」という取り組みが非常に面白いと思い、コミュニティ運営の立て直しについて蠱毒しましょうよと彼に持ちかけたのが、ことの発端でした。
そこから蠱毒を何度か実施しながら、他の参加者を運営メンバーに巻き込みつつ、試行錯誤を重ねて、いまは「毎月の入会希望者を1つのチャンネルに集めて、同期のように扱う」「新規入会者向けに毎月オンボーディング&自己紹介のオンライン会を実施する」というスタイルを試しています。
これが正解かどうかはもう少し試してみないと分かりませんが、少なくとも今年前半よりも活気が戻り、投稿が増えてきているのは事実です。
来年のアンケートが楽しみ
今回のアンケートでは、抽象的ではありますが「満足度」の調査も取ってみました。何をもって満足とするかは人それぞれですが、立て直し甲斐のある結果が出てきています。
そして、満足していないからこそ運営に関わりたいという方も多く、リレーションを築いていきたいという広報マインド溢れる人が集まるこのコミュニティは、やはりポテンシャルが高いなとも思いました。
#PRFunho 参加申請はこちら
最後までお読みいただきありがとうございました。ここまで読んだあなたは、さぞ広報・PRに興味をお持ちのことでしょう。運営メンバーもまだまだ手薄です。
まずは、今月の入会組としてジョインして自己紹介していただけると嬉しいです。「ようこそ」のスタンプを押しに行きます。