最も後ろの席で見たライブ
昨日12/12(土)さいたまスーパーアリーナで行われた、あいみょんさんのライブに行ってきた。入場してから、座席が2階バルコニー席の最後方だと気づく。
後ろに人がいないライブというのは初めてだったけど、なかなか快適で良いものだな。学校の教室とかでも、僕は後ろの席だと落ち着く感じがしていて、何となくその感覚を思い出した。振り返ってみると、これは結構レアな体験をしたのだなと思う。立ち見ではないライブも何年かぶりだったので、座席でくつろぎながら見るのも良いなと、改めて感じた。
---
さて、ここからレポ的なものを。まずこちらがセットリストです。
1.黄昏にバカ話をしたあの日を思い出す時を
2.ハルノヒ
3.満月の夜なら
4.どうせ死ぬなら
5.ふたりの世界
6.シガレット
7.マトリョーシカ
8.風のささやき
9.裸の心
10.憧れてきたんだ
11.from 四階の角部屋
12.ポプリの葉
13.二人だけの国
14.朝陽
15.チカ
16.愛を伝えたいだとか
17.マリーゴールド
18.マシマロ
19.夢追いベンガル
20.君はロックを聴かない
21.漂白
22.さよならの今日に
23.そんな風に生きている
全23曲。自分が観に行ったライブの中でも多い方だと思う、沢山聞けてよかった。
まずパスタの曲順通りに始まり、「満月の夜なら」の後にMCが入って、たまアリのステージに初めて立った感動や、感謝とかを話していた。あいみょんさんのライブは初めてだったから、全体的にMCが多めだったので驚いた。
そんな和やかなMCからの「どうせ死ぬなら」の落差が、ロックで痺れた。この曲は個人的にすごく好きだったので聞けて良かったし、やはり名曲だと思う。タイトルからネガティブで少しヤケクソ気味だけど、生と死が飾り気なく同時に語られる感じに惹かれる曲。
この曲を聞いていて僕が思うのは「生きる」と「死ぬ」というのは決して反対ではない筈で、絶対に切り離せないものだという事。生きていれば死ぬのだし、死ぬから生きているとも言えて、そうなると、もう殆ど同じものだとすら思う。
(何となく画像を挟んでみる)
あとは「マトリョーシカ」も大好きな曲。バックに流れた映像や、照明の感じも曲に合っていて楽しめた。アコギを掻き鳴らしながら叫ぶ「憧れてきたんだ」もすごく響いた。割と古い曲もやってくれたのが嬉しい。
ただ、過剰な演出が少し気になる場面もあった。曲にもよるけど、ライトでピカピカ光らせれば良いというわけでは無いし...。歌自体に力があるので、そこはもっとシンプルでも良い気がした。
また、MCでの「みなさんが喜んでくれるような曲をこれからも書きたいと思います。」という発言が少し気になって、その時に思い出した話がある。
テイラー・スウィフトの歌詞は、意図的に薄っぺらく、分かりやすいものにしている、という話だ。理由はシンプルで、社会が簡単で分かりやすい歌詞を求めているからである。今の社会において、多く人々には複雑な歌詞に付き合う時間も、好奇心も、気持ちの余裕もないことを彼女は知っている。だから彼女は才能を捧げて、そういう「売れる」歌詞を書く。
「みなさんが喜んでくれるような...」という発言は僕には、あいみょんさんの苦悩を思わせるものにも聞こえた。実際に彼女は「ファミリー向け」という言葉も使っていたけど、その辺りも意識しているのかもしれない。
もちろんそれは悪いことでは全然なくて、進化だとも言える。実際に今のあいみょんさんが作る曲は凄いし大好きなので、今後もずっと聞いていきたい。でも以前のような「剥き出し感」の強い曲は減っていくのだろうし、本人もそこのバランスはすごく考えているのだろうな...と思う。
あと、このライブではシングル曲の素晴らしさも改めて感じて、やはり名曲ばかりだと思った。「マリーゴールド」や「ハルノヒ」、「愛を伝えたいだとか」など。
最後の「そんな風に生きている」は、感情が込められた歌声で良かった。泣くとまではいかなくても、少し昂っていたように見えた。ただ、この曲でパラパラと手拍子があったのは気になった、明らかに手拍子すべき曲ではないだろう。
そしてアンコールが無いことに驚きつつ、終演。
---
今年は例のウイルスの影響で対面のライブに行けてなかったけど、最後に行けてよかった。急遽一人で行くことになったのだけど、隣に座っていた年上のお兄さんと仲良くなれて、今度飲みに行く事にもなったのでそれも楽しみだ。
やはり自分はライブの熱を求めていると実感したので、来年はもっと行きたい。