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鍋将軍 

オニギリさまの【「鍋がおいしいネ!」←”鍋”は固くて食べられません】と題された記事を読んで「そう言えば…」と海原雄山…違う、北大路魯山人がおでん鍋について書いていたのを思い出しました🥸


なべ料理は材料が主としてさかななので、だしにはかつおぶしより昆布のほうがよい。「なべ料理」は出来たて、煮たてと、すべてが新鮮だからいいので、おでん屋というものがはやるのも、ここに一因があるわけだ。あれは決して料理がいいからはやるのではない。あの安料理のおでんが美味いのは、つまり、出来たてを待っていて食うというところにあるので、実際は美味いものでもなんでもないのである。舌を焼くような出来たてのものを食べるから、おでんは美味いものと評判になってはいるが、その実、粗末な食物なのだ。

北大路魯山人『鍋料理』(青空文庫)より

ひゃ~さすが魯山人というべきなのか。

鍋料理の場で、少しでも自分のやり方に反する行為があると「オイッ!!」ってかんじで激怒💢 そんなアツい人を「鍋将軍」というとか。もちろん、奉行より権力があり、逆らうことができない、という意味で「将軍」さま……北のあの方もやはり!?

鍋のアクをすくい取る作業を担当する「アク代官」に「待ち奉行」に「待ち娘」……鍋奉行とは逆のタイプで、ほとんど手も出さなければ口もださず、ひたすら食べられる時が来るのを待つ!
美味しく完成した鍋料理を、ただ純粋に味わい、楽しみ満足するだけの人。

でも今はもう死語かもしれない💦


それから中谷宇吉郎は鍋の話なのに、なんだか化学実験みたいな話になっていたなと😂


貝殻の主成分は、もちろん炭酸カルシウムであって、加里や燐酸塩も、少しはいっているが、それはごく微量である。ナトリウムも少量あるが、これは加える食塩の方が、ずっと多いから、問題にする必要はない。一番考えられるのは、カルシウムであるが、これは煮ているうちに、汁の中にとけ出る可能性は、じゅうぶん考えられる。人間の舌は、あんがい敏感であって、化学分析でもわからないていどの微量の成分を、感じとるものである。

中谷宇吉郎『貝鍋の歌』(青空文庫)より


オニギリさまの記事に「水筒」の話もありましたが、新聞にさいたま市の幼稚園年中さんの、鋭くやさしい観察眼がとらえた詩がナイスタイミング!?で載っていました🤭


『はっぱのつゆ』

このつぶひとつで
ありのあかちゃんの
すいとうは
いっぱいになっちゃうね

讀賣新聞(2024/12/17)こどもの詩より


オニギリさま、いつもありがとうございます😊