SDGsの闇
あんたも日常的にSDGsって言葉を聞いたりしているかい?
2015年9月の国連サミットで全会一致によって決議されたSDGs。持続可能な世界を目指してみんなで頑張ろうぜって枠組みだよな。
実に素晴らしい。
俺たちの子孫が全うに暮らしていける環境をぜひとも維持しなければいけないって思いはみんな一致しているってことだもんな。
このSDGsについては前にもこんなnoteを書いてみたりしている。
実際に、このSDGsの枠組みに沿って具体的に企業は動き始めている。
でもね、このSDGs。
ちっと闇を抱えてるんじゃありまへんか?って意見があるらしい。
今回はこのSDGsが抱えている闇について調べてみる回だ。
ちっとこのお花畑ではない現実世界を眺めてみようや。
「安全な水とトイレを世界中に」
SDGsの6番目の目標にこの「安全な水とトイレを世界中に」というやつがある。
日本は比較的水資源に恵まれているので、もしかしたらあんたはピンと来ないかもしれない。
例えばこんなグラフがある。
出典:ユニセフ
ざっくり7.85億人がまっとうな水にありつけていないってわけだ。
そいつをなんとかしようぜってのがこの目標なわけだな。
そのことそのものは至ってまっとうだ。
非の打ち所もない。
で、SDGsでは17の大目標を細分化する形で構成されているんだ。
その細分化された目標の一つにこんなのがある。
6.2
2030年までに、すべての人々の、適切かつ平等な下水施設・衛生施設へのアクセスを達成し、
野外での排泄をなくす。女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。
出典:外務省「SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット(外務省仮訳)」
なぜ女性を特記するのか?
まず気になるのが6.2の「女性及び女子、ならびに脆弱な立場にある人々のニーズに特に注意を払う。」ってフレーズだ。
なんで女性のことをことさらに書いているんだろう?
そりゃ、女性が野外でトイレを済ますことって、結構なリスクがあるってのはあると思う。
でもさ、ことさらに女性を際立たせる必要なくね?
ヒト全部にトイレを行き渡らせるって目標だけじゃなんでダメだったんだ?
SDGsの大目標の一つである「ジェンダー平等を実現しよう」でも感じるんだけれども、本質的にはすべてのヒトに同じチャンスを与えましょうよってのが趣旨だと思うんだよね。
それをジェンダーって問題に収束してしまうことで、見えなくなる問題ってでっかい気がするんだよ。
このトイレに関する記述だって、なんで通常の男性で普通にトイレを利用できない立場のヒトをないがしろにしているんだ?ってなるじゃんか。
例えば、簡易トイレで男女兼用みたいな商品をトイレがまともになかった環境にある市場に出回らせることが出来た企業があったとするじゃんか。
普通に考えたらその企業は「安全な水とトイレを世界中に」の目標に合致した企業として評価されるのが正常だよな。
ところがこの6.2の条項があることで、その製品が女性のニーズではなく男女兼用ってなっているから微妙にSDGs目標に従っていないことになる。
これおかしくね?
なんでこんな事になっているんだろう?
製品ありきの目標
そう思っているところに、ある噂話が飛び込んできた。
事の真偽はわからないんであくまで噂話ね。
とある飲食店にSDGsの枠組みで、ドリンクに料金を上乗せさせて、その上乗せ分で安全な水を手に入れることが出来ない国に水質改善キットを送るって話が持ちかけられる。
困っているヒトの助けになる事もできるし、飲食店としても一風変わった商品を作り上げることが出来る。
多くの飲食店がそれを良しとしたんだそうだ。
ところがこの話には裏があって、その水質改善キットは特定の企業の製品だったってことらしい。
何がまずいのかって?
つまり構造はこうだ。
まずヒトの善意を使って水質改善キットに売上を立てる。
そのキットは無償で現地のヒトに配られる。
現地のヒトは喜んでその水質改善キットを利用して安全な水を手に入れる。
しばらくその状況を続けると、現地のヒトはそのキットなしでは暮らしが成り立たなくなる。
そうなった時点でキットを有償化して現地のヒトに売りさばく。
……なかなかな闇じゃんか?
ヒトの善意が誰かの利益になり、そして誰かの破滅へとつながっている。
こう言う状況をSDGsって枠組みは生み出しかねないってことを俺たちは知っておく必要があるのかもしれないな。
なあ、あんたはどう思う?
俺たちは俺たちの善意をどう使っていけば良いんだろうな?