AI崩壊を眺めて現実を考える
あんたもお家時間を満喫しているかい?
我が家の場合は息子がTVモニターの利用権限をほぼ独占している状態なので、息子の気に入ったものしか見られないんだけれど、休日とかは俺が一番早起きなので先行特権でたまに気になるものを見ていたりする。
こう言うときはオンデマンド配信様様だね。
ワリカシ最近の映画でも普通に見られる様になっているので、映画館に見に行くタイミングを取れなかったような作品でも家で好きなタイミングで見ることが出来る。
今回はそんな中で見た映画を振り返ってみる回だ。
ネタバレありでね。
まあ、俺の趣味話に付き合ってくれよな。
「AI崩壊」を見てみた
今回見てみたのは「AI崩壊」。
システム屋としてはそれなりにツッコミどころはあるものの、それなりに楽しめた作品だった。
楽しめた前提で、このツッコミどころってもしかしたら読み物としてオモロイかもって思ったわけよ。
ちょっと気になるところを振り返ってみよう。
ペースメーカーを遠隔制御する必要性
まず最初に俺が気になったのが「ペースメーカーって遠隔制御することってあんの?」だった。
物語の冒頭、AIの暴走に伴ってペースメーカーを仕込まれたヒトたちが次々と倒れるって描写があった。
ペースメーカーってのは心臓の拍動を補助するために一定のリズムで電気刺激を与えるって代物だ。
もちろんペースメーカーの状態モニタリングをするってのはわかる。
でもモニタリングじゃなくて制御する必要ってあんのかな?って思ったわけだ。
ちょっと調べてみたんだけれども、やっぱモニタリングはあっても遠隔操作ってのは見つけることが出来なかった。
でもそれって出来ないからやってないだけで、やれるならやったほうがいいのかね?
いやいや、通信状態によって心臓に問題を起こすかもって考えたらおいそれと旅行も出来ないべ。
でも映画の舞台の2030年には5Gの次の6Gが導入されているころだろうから、通信環境を今の前提で考えなければメリットはあるのか?
パルス発生のアルゴリズムの改変を医者に行くこと無く出来るくらいのメリットは有るのかもな。
でもそれってめちゃくちゃ導入のハードル高いよな。
センター一極型のスター型システム
システム屋としてはAIの実体が1センターで運用されているってのがありえないと思った。
そもそも社会基盤システム何だから災害発生を想定して複数のセンターで分散型システムにしないとおかしい。
そのためシステムの改変時には一部システムを止めつつ、従来のシステムと改変後のシステムの並行運用が想定されていないとおかしい。
だからバックドアを仕込むにしても正式なシステム更改の内容に含めることが必要になるから、映画の中で表現されていたようなやり方ではバックドアを仕込むことすら難しいはずだ。
そもそもOSの上で動いているAIシステムがOSの制御権そのものを掌握しているってのはどういうことなんだ?
それってバスの運転手が走っている道路の形を変えるようなもんだぞ。
なんで犯人は行動の意図をあの場で吐露したのか
個人的には一番理解できなかったのが、犯人が自分の犯行意図をなんであの場で吐露したのかって話だ。
思うに、あそこで意図を表現する必要はないじゃんか。
どっちかって言うと、ずっと隠しておかないと計画の遂行にもろに差し障りがあるやつじゃんか。
リアルタイムでなくても、必ず離反者が出て背中から刺されるやつじゃんか。
その場にいるヒトに根回ししていた様子も描かれず、ここのところだけ、行動の整合性が全く想像出来なかったんだよ。
ここはもうちっと丁寧に描いてほしかったよなぁ。
もう、SF考証がどうのって話じゃないけれどさ。
AIはヒトをどうこうするのか
こっからは俺の妄想ね。
AIがヒトに危害を加えるってことがあるのか?という問に対しては「ある」が答えになると思う。
ただし、その危害は「ヒトが望んだ結果として」という条件付きで。
AIはビッグデータから望む結果を導き出す仕組みだ。
この「望む」ってのが曲者なわけだ。
今現在ですら、Googleは俺たちの検索やネット上の行動に従って俺たちの望むものを想定し、提示している。
そして、日本における死因の7位に「自殺」が来ている。
わかるだろ?
俺たちの望むままにAIが俺たちに情報を集めること。
そのことそのものがすでに力を持っているってわけだ。
なあ、あんたはどう思う?
俺たちはもう引き返すことが出来ない中で、俺たちはどうやって俺たちの家族を守っていけると思う?
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