不景気と女性の社会進出
あんたも朝っぱらから「こいつ何考えてんだ」って思うことあるかい?
朝の情報番組として我が家は日テレのzipをチョイスしているんだけれども、あの番組の良いところは非常に中道な報道をするところと、朝から美味いケーキとかホントに生きるかどうかとか言うシリアスなニュースをチョイスしないところにある気がするんだよな。
もちろん、自然災害とかそれに伴う人災とか、最低限把握しておいたほうが良い情報ってのは伝えてくれた上で、言葉は悪いが「どうでもいいニュース」で朝の殺伐とした時間を柔らかくしてくれるってのがあるような気がするんだよ。
ところが2022年1月20日のzipはちっとばかし様相が違った。
村尾信尚さんが経済の解説をするってコーナーがあったんだ。
今回はこの村尾信尚さんの解説がものすごく危ない事を言っていたので、そいつをあんたと共有する回だ。
ホント、この話を鵜呑みにするヒトが結構出てくると思うから、その危なさってやつを考えておこうぜ。
供給能力不足という認識
まず村尾信尚さんが言ったのは「働くヒトが少ないから経済成長できないんだ」って理屈だった。
女性の出産後の離職率が5割近くあるって数字を使って、その女性が働く環境づくりをするためには「女性の議員」を増やさないとダメでしょって話だった。
まず自分としてメチャクチャだと思ったのが、経済成長出来ないのは働くヒトが少ないって言う「供給能力が不足している」って認識だった。
だっておかしくね?
需要に対して働くヒトが少なすぎるってんなら、当たり前のように人件費は上がらざるを得ない。
だってそうしないとヒトが集まんないんだもん。
実際問題として、アメリカとかだとウエイターさんの仕事の最低賃金が時給で15ドル程度だってんだけれども、その金額だと働いてくれるヒトが全然集まらないらしい。
時給15ドルっていったら1ドル115円で計算したら1725円だぞ。それだけ出してもウエイターさんが集まらないとか、えぐくね?
供給に対する需要の不足って現実
日本の首都東京でも最低賃金は1040円くらい。
逆に言えば、その程度の金額でもヒトが集まるってことだ。
この状況を見てなんで「供給能力の増強」から手を出すのが正解だって言っているのか全く理解できない。
確かに供給能力の毀損ってのは経済規模を拡大していくのにメチャクチャ問題だとは思う。
でも問題は供給能力を提供しても、諸外国に比べて所得を得られないって現実じゃんかよ。
そのことをほっておいて「女性の社会進出」という価値観の問題を持ち込んでくると、経済成長という本質から離れたところで議論が進んでしまう。
おそらく
少子化→労働力不足→生産能力の低下→労働力の確保→女性の社会進出
ってロジックを表現したいんだと思うんだけれども、そもそもなんで今デフレが起きているのかってことを完全に無視したロジックだと思ったんだよ。
需要に対して供給が多い状況だからデフレってのは起きるってのは動かしようのない事実じゃんか。
家庭を守るという「仕事」の大切さ
デフレの原因をガン無視しているのも腹が立ったけれども、俺としては家庭を守るという重責をなんだと思っているんだって話だ。
女性の社会進出って言うけれど、家庭を守る行為は立派な社会活動だ。
まるで経済的な価値を生み出さないのは今のデフレでは価値がないとでも言わんばかりの論調だと俺は感じたんだよ。
そうじゃないだろ。
経済ってのはヒトとしての生活を守るためのツールだ。
そのヒトとしての生活の大事な要素の一つである家庭をないがしろにするとは何事だ。
仮に供給能力が毀損してしまっているってのが事実だとして(じゃあなんで人件費があがらないのかって理屈は置いておいて)それを補うために家庭の維持って言う大事な仕事を省力化して「女性の社会進出」なるものを進めろってのはメチャクチャだと思わないか?
家庭は大事だけれども、生きていくために通貨を得る必要もあるから、そこを男女でうまいことバランス取れって主張だとしても、それじゃあそもそもの供給能力の毀損って課題の解決にはならない。
だって男性がやるにしろ女性がやるにしろ家庭の維持って仕事の仕事量は減らないんだから。
もちろん、男女間に家庭の維持って言う仕事に対しての不均衡があるってのは事実としてあると思う。
でもそれは生き方とかQOLの問題であって、経済の問題じゃないじゃんか。
……しまった言いたいことの半分もかけてない。
続きはまた今度だな。
なあ、あんたはどう思う?
景気が悪いのは女性が「社会進出」してないからだって論調はジェンダー差別の最たるものだと思わないか?