ババ抜き?ババ渡し?ババ押し付け?
最後までジョーカーを持っていた人が負け。
極めて、シンプルなルールだ。
文字で書いても、1行に満たない。
先日、嵐が出演している番組で、「芸能人ババ抜き最弱王」を決めちゃおうというコーナーが放送されているのをたまたま見た。
もう何度も回を重ねている様子で、人気が高い企画であることが分かった。
ルールが単純で万人に分かりやすいゲームほど、何歳になっても盛り上がれるものだと感慨深く見ていた。
そう考えてみると、最近「逃走中」という鬼ごっこを題材にした番組や「戦闘中」というドッジボールを題材にした番組など、僕たちが幼い頃に、はしゃいで楽しんだ遊びを基にしたテレビ番組の企画が多いことに気付かされる。
話は変わるが、昨日、僕はリアルババ抜きのような状況に陥った。
それがどんな状況を指すのか説明してみよう。
具体的にここに記すことはできないが、普段から付き合いのあるお客様の長年の決断の遅れによるしわ寄せが、上流から下流に水が流れるがごとく、ある会社からある会社へ渡り歩き、最終的に私が働いている会社にまわってきて、実際に緊急事態を収束させるために、多大な時間と労力を割くことになったという状況だ。
ゼネコン業界がその代表として取り上げられることが多い、会社のピラミッド型多重構造は、他の業界にも当てはまることが多い。
私が働いている会社も、紛れもないピラミッド型多重構造に組み込まれている。
そこでは、ピラミッドの上層に君臨する会社のミスや失敗を帳消しにするべく、下支えする会社が日夜奔走している。
このピラミッド構造を維持・存続させるためのルールも、極めてシンプルだ。
つまり、上層に君臨できれば、自分が失敗しても、それを1つ下の層に所属する会社に尻拭いしてもらえるから、自分が持っている失敗と書かれたババのカードをほいっと、下の層にいる会社へ渡せるわけだ。
上層の会社は、失敗と書かれたババのカードを自分の下の層に所属する会社へ移動させることができる。
ただし、最下層に所属する会社は、上層の会社のババのカードがまわりにまわって自分の手元に届いたときは、背水の陣でその収束に努めなければならない。
私は、これをリアルババ抜きと呼んでいる。
むしろ、ババ渡しとかババ押し付けと呼んだ方が適切だろう。
ババ抜きならともかく、仮にババ渡しやババ押し付けと呼ばれるゲームが存在するとして、誰がそれを楽しめるのだろうか?
強者が勝ち続けるだけのゲームは、面白みがない。
参加者のうち誰が勝つのか分からなかったり、弱者が強者を打ち負かす可能性がある下剋上的な要素が組み込まれているからこそ、ゲームは盛り上がるのではないだろうか?
ピラミッド構造の上層に君臨している会社に所属する人たちには、そこのところを考え直してほしいと願う共に、僕はそんなピラミッド構造に頼らないビジネスを創って生きていこうと決意を新たにした1日だった。
好きでもない人たちとお金のために付き合って、自分の時間を無駄にしたくないから。