我が料理の軌跡と増えていった道具たち
まったくできなかった料理をするようになって1年半くらいが経った。回数を重ねるうちに作る種類も少しずつ増え、それにともない道具も増えていった。新年ということでちょっとその軌跡を振り返ってみたい。当時の自分と同じような料理の初心者の方々の刺激にすこしでもなれたらそれにまさることはない。
スタート当初は野菜中心の生活にハマっていたのもあり、外食ではなかなか難しい野菜中心の食事のための自炊として、野菜を切る・まぜる・焼く、というシンプルな作業からスタートした。ご覧になればおわかりいただけると思うがいわゆる「下処理」という概念がまだほぼ無いので、オーブンで焼いたオクラにはガクがついたままだ。そんなこと知らなかったのだ。
がっつりハマっていくカレー作りも、出来合いのペーストに切った野菜を入れて煮る、というシンプルなところから手をつけた。スタートはグリーンカレーだった。
そんなシンプルな作業ではなかなかバリエーションも出せないので、「おろす」という作業を追加してバリエーションを増やしたいと考え、ちょっと良いおろし金を手に入れる。これで大根をおろすと手軽で早いだけでなく、水分だけ別に出来るのでグチャグチャにならず、ふわふわのそれだけで一品にカウントできそうな大根おろしができる。風邪のひき始めに自分でリンゴや生姜、大根をおろしてお湯と蜂蜜でドリンクを作る、なんてこともやれるようになった。
ほどなくして、近所のスーパーでクミン・コリアンダー・カイエンペッパーにターメリックといった基本のスパイスを買いそろえインドカレーを作り始めた。とにかくレシピに素直に習って黙々と実践した。かかる時間も余る食材もなかなかのものだった。
南インドカレーのレシピを好んで挑戦していたので、はじめの行程に油にマスタードシードをいれて香りを出すことが多い。これが思いっきりはねて怖いのではね防止のために油はねガードを導入した。これは本当に助かって、はかどって仕方がなかった。今ではなくてはならないものとなっている。
料理にハマってちょうど3ヶ月目くらいの頃にKING無水鍋をプレゼントしてもらった。モノとしての美しさもさることながら、炊飯器をつかわず鍋で炊飯する派なので、KING無水鍋を導入してからの炊飯の安定がハンパない。こんなに簡単にしかもうまく米が炊けるなんてと感動した。密閉性の高さのおかげで無水料理(のちにビリヤニ作りに大活躍することとなる)や、もちろんシンプルに鍋として、今となってはこれがないと本当に困る中心道具になった。24cmを使っているが小さい18cmも欲しい、必要。
にんにくと生姜はささっとおろして玉ねぎ炒めた後に入れる事が多いのでおろし金の出番が多いし、竹スクレーパーは無くてはならないものになっている。
料理道具のディスニーランドこと合羽橋をふらついていて見つけてそっこう手にいれたスクレーパーも、カレー作りで発生するおろしニンニク・おろしショウガとセットのようなものだ。おろし金にのこったニンニクショウガを鍋に落とし、そのまま水でおろし金をさっと洗えるので料理中のこまかな時間短縮に非常に役立っている。
網で焼いた野菜をトッピングしたり、焼きナスをカレーにしたり、はたまたパパドに火を通す時に焼き網が欲しくなり手に入れた。持ち手がないシンプルなものでおそらくどこにでも売っているような焼き網だが、そのシンプルな見た目にがっつり惚れてしまった。たまに食パンをトーストする時なんかも使っています。
食パンつながりでもうひとつ、料理道具をいろいろと見るのが好きになってしまったおかげで出会ってしまったタダフサのパン切り包丁。これはもう試させてあげたい切れ味で、圧倒的な満足度がある。パンをよく食べる人なら強く勧めたい。
その後も順調にカレーを作り続け、スパイスの消費量、種類ともに順調に増えていく。小さな瓶のものだと割高ということで、マヤバザールなどでスパイスやバスマティ米などをまとめ買い(袋買い)するようになっていく。
開封したスパイスの保存方法を袋そのままにしておくわけにもいかず(使いづらい)、またスーパーで買うようなスパイスボトルから計量スプーンにスパイスを振り入れる作業のストレスも相まって、以前から気になっていたセラーメートのチャーミークリアーをついに導入する。計量スプーンをそのまま突っ込めるのと重ねておけるところ、なにより並べた時のわかりやすさとかっこよさで他の追随を許さない保存容器だ。
とりあえずよく使う5種類をおさめるべく5個からスタートです。
半年後にはこうなった。その後も・・・。
インドカレー中心の調理にも少し慣れてきた頃に他のジャンルへの挑戦も並行した。どの料理に挑戦する時もインドカレー調理の構造がとても手助けになっていることに気づきだしてどちらも楽しさを増していく。
調理に慣れがみえると欲が出るもので、食器なども気持ちの良いものを求めるようになっていく。ちょうど去年のクリスマスプレゼントとして彼女にあげたターリー&カトリセットはアジアハンターで。
美味しく食べるためには盛り付けや雰囲気も大切だということを痛感し、その後も意識を強める。
これはかっこいいホットパンの自慢です。しっかりとした厚み、カリッとした耳付きのホットサンドが焼ける。この家事問屋との出会いでかっこいい道具をたくさん知ってしまうことになる。
そのホットパンに油を均等に敷くために導入した耐熱のシリコンハケはその後もけっこう活躍している。そういう作業はそれまではキッチンペーパーなどでどうにかごまかしていたので、シリコンハケのおかげでよりスマートに効率よくなった。縁の下の力持ちだ。
縁の下の力持ちといえば、忘れるわけにいかないのがキッチンスクレーパーだ。上の写真(汚くて申し訳ない)のリンク先の動画では使い始めの頃で水を流しながら使っているが、最近では濡らした食器類をすくい取ってからさっと流すような使い方で洗い物がスムーズになった。
9ヶ月くらいが経った頃。調整するという概念(余裕)が出てきたり、レシピ通り作った次は好みに近づける、みたいなことに挑戦しはじめていた。一品つくって精一杯なところからもなんとか抜け出したいと考え、作り置き(残りもの)との組み合わせなども積極的になっていた。
よりさまざまな手順が料理内に増えていき、そこにスマートに対応することで流れを切らさないようにできればと細かいところに手がとどく道具が増えていく。そういったものをちょっと並べていきます。
この無印良品のジャムスプーンも小瓶からすくい取ったり塗ったり、木ベラをさっと拭ったりに大変重宝していて2つ買って運用している。サンドイッチ作る時とか、もう1本あればなぁ!という時が多いのだ。
それまでなんとか包丁で剥いていた野菜の皮もピーラーを導入してから抜群に早くなった。T型ではなくI型なので、包丁ライクに使うことができてとても気に入っている。人参とかを薄くスライスしてサラダに使ったりもできます。思う倍べんりじゃ。
こちらは魅惑の家事問屋、味見スプーン。鍋の中の味見にちょうどよいサイズ感、おしりのフォークは野菜の火の通り具合をみる串として重宝。他の道具に比べると、なくてもなんとかなる部類ですが、実は毎回使うという頻度の非常に高い道具。そして好きな道具は料理をより楽しくしてくれるから侮れない。それにしても家事問屋が好きすぎる。
いろんなスパイスをホールとパウダーですべて揃えているわけではないので、レアなものはホールだけだったりして、そんなときにこれを使っている。あまり小さすぎるものだと量入れないとすべて挽くことはできない点を踏まえた上で、さっと使えて洗いやすい点が良い。最近はちょっとトッピングする量くらいのゴマをすりおろすのに重宝している。すり鉢と迷ってこれにしたが今でもすり鉢には恋い焦がれていることも確かだ。
とくに南インドのカレーのフィニッシュにホールスパイスを染み出させたオイルごとかける行程でソースパンのような小さな鍋があると非常に助かるのだが、その用途を鉄のスキレットで代用している。初の鉄フライパンなので大切に育てています。ソーセージと目玉焼きやステーキなどがのることも当然あります。蓋が共有できるので16cmのミルクパンも無視できない。
KING無水鍋を使ってビリヤニを作ったことで無水鍋とビリヤニ調理の相性の良さを知ったことはラッキーだった。味付け的なことは前日のマリネ段階でほぼ終わるし、炊き上げる段階で無水鍋の蓋がしっかり密閉できるウォーターシール効果のおかげか本当に良い具合に炊き上がる。その後もたびたびビリヤニを作っていますが、今のところ失敗もなくいつも良い具合に出来上がっている。これ、無水鍋の功績がかなりあると睨んでいます。
カレー作りのおかげでかなりの頻度でみじん切り(しかも玉ねぎの)をするようになって、縦横に包丁を入れたいときまな板の方を回せば良いという発想の転換を知って以来、この照宝のまな板に憧れていた。細かい作業をする2ndまな板的に小さめの24cmを、料理開始1周年記念に導入したが、とても使いやすいので木のまな板はぜんぶこれにしてしまいたい気持ちをぐっと抑えています。
御多分に洩れず、トップバリュのタッパーを使っている。保存に下処理に、蓋も含めそのままレンジにいけてかつ洗いやすく拭きやすい(乾きやすい)さらにリーズナブルなのはやはりありがたい。
私の場合、ターリーをつかうときはミールスを組み立てるときくらいだが、一品ものでも雰囲気が出るアジアハンターさんの器を導入した。使用頻度はかなり高いが、ラフに使えて洗いやすいという点がかなり大きく便利だ。
カレーを作っているとスパイスの分量に「小さじ1/2」の頻度が多いことに気づく。セラーメートの保存容器から小さじ1のスプーンに半分をすくうよりはるかに小さじ1/2のスプーンに1杯すくう方がスムーズなのはいうまでもない。1/4はひとつまみ、という感覚で使う。合羽橋をふらつくとこういう便利なものをみつけてしまうので困ってしまう。
料理をし出して1年、ついに友達に振る舞う日がきた。喜んでもらえて本当に嬉しかったし、モチベーション爆上がりだった。
これも合羽橋で偶然見かけてしまったシリーズだが、デザインがむちゃくちゃ好みで、もちろん分離できるので洗いやすく、切れ味もよい。ネギだったりパクチーだったりの野菜やザク切りするだけでなく、肉のカットもけっこうな割合でこれでやってしまう。韓国焼肉でよく切ってくれるあれをイメージしてもらえると使いやすさが伝わるのではないだろうか。それぞれの調理が相当スムーズになって、こちらもやはりなくてはならないものになった。
大好きな無水鍋はたまに磨いてきれいに使うよう心がけている。
カレー作りに登場する食材のペースト化だったり、多めの量のスパイスの粉砕に導入したミルサー。これにより挑戦するレシピがいっそう増えた。洗いやすさもありがたい。
たまにデザートを作ったりもしている。美味いコーヒーがあれば美味いコーヒーゼリーも作れるというシンプルなことに気がつくまで結構時間がかかった。
生のカレーリーフを使ってみたいという気持ちがカレーリーフの育成へと繋がるのはカレー好きのあるあるのようです。同様にパニール(インド風カッテージチーズ)なんかも手作りしてしまったりする。やろうと思うか思わないかというだけのことがこんなに違うのかと毎回感心してしまう。今の所、料理のたいていの手間がわりと裏切らないでくれるのが嬉しい。
いわゆる普通の料理的なものにもとてもあこがれがあるので、どんなシンプルなメニューも作ることは毎回新鮮だ。自分の好みの味に着地できればそこに喜びまで加わって幸せだ。**カレー以外の料理にも大分抵抗がなくなってきた。 **
いろいろな道具を導入してきているがそれらも前提としては、料理の過程で不便だなと思ったり実行が難しいという場面に直面したときの打開策になりうるかどうかだったり買ったはいいけれど全く使わずにみたいなことにならないかどうか、それはそれで考えたりしている。なので導入までけっこう時間がかかっているケースもある。とくにこのウィスクは1年くらい悩んだあげく、この貝印のものを選んだ。それまで使っていたウィスクがほぼ壊れかけていたのだが、その使いづらさやウィークポイントを補ってくれると思えるまでピンとこなかったらずっとうじうじ考えている。料理を始める前はウィスク1本にこんなに時間をかけるようになるなんて思いもしなかった。求めていたサイズ感、使い勝手、迷った甲斐のある満足度の高い道具のひとつだ。
こんな立派なローズマリーがたったの280円!?とローズ&マリーのモノマネをしながら興奮気味に飛びついた。
KING無水鍋をつかってやりたかったことのひとつに蒸し料理がありまして、蒸し板のおかげで紹興酒漬け鶏ハムなんかもかんたんに作れた。ちなみに、さいきんよく見ているもこみちさんのYouTubeで知ったレシピです。好きです。
ぎゅうぎゅう焼きは私のスタート地点なので、今作っても楽しい。普段料理をする方々にとっては当たり前のことが当初はまったく当たり前ではなかったところから、すこしずつ知見が高まっていくというのはなんとも充実感があります。なんのためにそんなことをするんだ?ということも腹落ちした上で立ち返ることで感動しちゃう。「一口大」とか「適量」とか「少々」とかいったワードに屁理屈と文句をたれていた自分が嘘のようだ。
最近のブームは「献立」という思考回路を活性化させることで、マルチタスクの処理も含めて一連のムーヴとしてうまく処理できるようになりたいと思っている。考えてみたら子供のころ当たり前に食卓に食事が並ぶことの裏にこんな大変な思考過程や作業があるなんて思ってもみなかったので、感謝の意もありたまに母親と料理の話をするようにもなった。
去年のクリスマスにはタコスパーティーとして、クミンを効かせたタコミートとチリコンカン(1つの流れを途中で2つに分岐させた)やタンドリーチキンとそれを流用したバターチキンカレー、ワカモレにサルサ・メヒカーナ、それらを使ったナチョスなどを振る舞った。自分の中でのクライマックスは、蒸したりすりおろしたりというシンプルな調理の非常に簡単なものではあるが1歳半の子供向けの幼児食プレートが目の前で平らげられていったことだ。子供がどんなものを喜ぶのかさっぱり見当がつかなかったがフルーツソースにブロッコリーをつけて食べている友達の子供のおかげで相当酒が進みました。
この楽しさが続くように精進したいと思います。
[追記]
サンタクロースが来ました。大事に育てます!!!
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