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【本】メモの魔力 〜夢の文字起こし、人生のコンパスとなるメモ〜

実は、自己分析とは人生の軸を見つけるための方法だったのです。

就職活動で誰もが通る「自己分析」。
おそらく、”希望する企業に入るための”自己分析を行い、どう企業とマッチさせていくかに重点を置いているのではないでしょうか。

私もそうでした。自分の特性から、目当ての企業に入るにはどうアピールしたら良いかばかりを考えていました。
しかし、それではもったいないのです。

とはいえ、それも決して間違ってはいません。
しかし、就職するということは、人生をどう歩み出すかを決めること。
自身がどういう信念を持ってどの方角に進み出すのか、その解像度を少しでも上げておくことがその後の価値づくりに大いに影響するのです。

前田裕二さんの「メモの魔力」は、メモがいかに有用か、どのようにして人生に影響するのかを非常にわかりやすく噛み砕いて説明してあります。
順番に読み進めると、メモの方法論から入るので前半は少し退屈にも感じました。でも、これはあくまで方法論。身近な話から壮大なテーマに広がっていきますが、後半に「魔力」の解説があるので慌てずに読み進めてください。

タコわさ理論

本書のメイン内容からは外れますが、私にとってもっとも目から鱗だったのが、「タコわさ理論」。
よく、経験は大切といいます。私もそう思いますし、実際に何事も経験してみることに優先度を高く置いて行動してきました。しかし、そもそも「なぜ経験が大切なのか」を深く考えてみることがありませんでした。
この「タコわさ理論」によると、”経験していないこと、知らないことは、「やりたい」と思うことさえできない”というのです。つまり、より幅広い経験が、自身の好奇心や興味関心の根拠となるのです。
やりたいことが見つからない人は、やりたいことに出会えていないだけということになります。自己分析を通して、自分の軸ややりたいことが不明確であることがわかったら、それ自体を認識できたことが第一歩です。次のステップは今までとは違うことをしてみる、いろんな人に会ってみる、そういったことをすれば良い、ということになります。

<メモする=言語化することで夢を叶える>

とは、
①自身の潜在意識にすりこまれる(マインドシェア)
②言葉によって誰かの意識が変わり、それが何らかの形で自分にポジティブな形で跳ね返ってくる(言霊の力)
この二つの作用による、ということでした。

私自身、毎年やりたいことリスト100を書き出して、少しずつ実現してきた経験が「引き寄せの法則」というスピリチュアルなものだけではない、どこかに理由があるのだろうとは思っていましたが、まさにこれだと思いました。

<言語化のやり方>

①夢のリストアップ
②優先度をつける →判断根拠はモチベーションタイプによる
③とるべき行動の細分化 →「SMART」を意識

モチベーションタイプとは、
トップダウン型:目標から逆算して考えるタイプ
ボトムアップ型:ワクワクから考えるタイプ
の二類型に分類されますが、ハイブリッドもいるので自身の特性から判断します。

「SMART」とは、以下の考え方です。
Specific:具体的である
Mesurable:測定可能である
Achievable:達成可能である
Related:関連性がある
Time:時間の制約がある
目標やゴールにこの考え方を適用することで、より有意義なものになるはずです。

<メモのとり方>

ファクト→抽象化→転用 が、前田式メモのとり方です。
抽象化とは、「つまりどういうことか、何なのか、なぜなのか」。
転用とは、「それを今後どう活かすのか、次に自分は何をするのか」。
これを繰り返すことで、日々の何気ない物事すらも自身に活かせるヒントに化けていくのです。
それが、「メモの魔力」なのです。

ヌーさん的読書メモは以上です。
本書では、さらに細かいテクニック、具体例を用いたわかりやすい解説がいくつも載っていますので、ぜひご一読ください。

番外編:新しい価値

これも本書のメイン内容とはずれますが、ボトムアップ型モチベーションタイプについて、こんなことが書かれていました。

お金よりも心や共感といった人間の内面、内在的価値に重要性が置かれる価値経済が、一つのあり方として台頭しつつある今、
ボトムアップ型の方が結果として多くの共感を集め、仲間を増やし夢を叶えやすくなっている。

SNSマーケティングでも「共感」は大事な要素となっていて、インタラクティブな関係の構築がキーとなっています。強いことが全てではない今、自分らしさに気づき、それをオープンにすることで仲間を増やしていくことがこの社会を生き抜くための術になっていくのではないでしょうか。
そのためにも、「自分の軸」を見つけるために日々メモと向き合い、言語化によって夢を現実にしていくことが有用であると感じます。



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