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映画『ルックバック』を観ました(感想)

少し前のある日、先輩から「なんでか分からんけど言わなきゃと思って……」とオススメの連絡をいただき、遅ればせながら映画『ルックバック』を観に行きました。


私はあまり映画を観る習慣がなく、映画化か〜と思いながらぼんやり上映期間を過ぎるパターンになってしまいそうだったので、勧めてもらって嬉しかったです。

何より「なんか言わなきゃ」と思わせるほどの作品、間違いない。

公開から結構経ってると思うのですが、かなりの上映回数で観に行きやすかったのもありがたいポイントでした。


読切漫画『ルックバック』も本当に大好きで繰り返し読んだのですが、
あの感動を、漫画を再読してもどうしても味わえないかもと思っていたあの初見の時の感動を、
1時間でじっくりじっくりもう一度味わえるという体験をしました。


『ルックバック』の好きなところは、
「描くこと」という直球のテーマを、(直接セリフで喋るのではない)漫画らしい描き方で雄弁に語る漫画、というところだと私は思っているのですが、
ひたすら丁寧に描かれたアニメーション映画でそれを観ることができて、大満足です。

テーマと表現があまりにも合致しているというか、それによってなんか鬼気迫る感じありますよね。
アニメ製作陣にも身に覚えがあっただろうと思うと、鬼気迫らざるを得ない気がします。

私もノートに漫画を連載していた小学生時代がありましたが、あまり絵の練習とかはせず気楽なものだったので、共感するにはちょっとおこがましいのですが……。

この二人にとっての漫画、みたいな打ち込み方を目の当たりにして、すごいなあ眩しいなあと思うと同時に、
でも、振り返ると、自分にもこういう何かに夢中になった時間が確かにあったかも
(そして、大人になってもその輝きって思い出せるかも)と思いました。


というのも、小中学生の頃の幼さ、田舎の空気感、家の実家らしい雰囲気……作り込まれた手触りがとんでもなかったです。
色々と呼び覚ます力を持ってる。

特に藤野ちゃん、いつだって年相応に生意気で見栄っ張りで「こういうとこ、あるよな〜〜〜」がすごい。
漫画で読むよりも、方言のイントネーションとか喋り方も相まって、より憎たらし可愛く感じました。

より現実味のある登場人物として藤野ちゃんや京本たちがいました、映画。
声の素朴な感じも、かなり地続きの世界を感じさせました。
(あとで調べたら、新進気鋭の俳優さんがキャスティングされてるようでびっくりしました)

映画ならではで言うと、「4コマの世界」がスクリーンで描かれるのも没入感が良かったですね。

めちゃくちゃ名シーンだと思う、あの浮かれ踊り帰り道の藤野ちゃん、体感なかなかの長尺で面白かったです。音も良い。

環境音で語る感じも、ここぞと言う時のBGMも素晴らしかったですね。

というかストーリーを知った状態で観るのがかなり涙腺にキました。
二人が賞金を持って街に繰り出すシーンが好きです。


ここまで書いておいてなんですが『ルックバック』の感想ってやっぱり「こうだよなあ」としか言いようがないかもと思いました。

二人の青春を、初心を突きつけられて、特大の「こうだよなあ」を持ち帰らせてくれる、良い映画でした。


最後にかけてダバダバに泣きながら観て、
エンドロールの後しばらく放心状態でした。
(どこかで見ていた情報だったんですが、「描く人」たちが先に来るエンドロールで素敵でしたね)

流した涙で大変なことになっていることに気付き、映画館に入る前に薬局で貰ったのをその場で開封して、箱ティッシュ持って泣いてる人になりながら帰りました。

とにかく良い時間でした。
改めて勧めてくれた先輩に感謝を伝えたいです。

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