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健康と幸せを願う新年の一杯:お屠蘇(おとそ)とは?

新年を迎えるときに、日本の伝統的な文化として欠かせないものの一つ「お屠蘇(おとそ)」。

飲んだことがありますか?

私は子供のころ、おじいちゃんの家で飲まされた記憶💦お薬みたいな味の不思議な飲み物でした。
最近は飲んでなかったな・・・

漢方をお勉強して、お屠蘇も薬膳の一つなんだと知り、ちょっと興味を持ちまして。
先日ドラックストアでお会計をする際に、レジ横に置かれていた「お屠蘇」を見て、ついつい衝動買いしちゃいました。

この特別な飲み物「お屠蘇」には、健康や長寿を願う気持ちが込めれれているとか。
お屠蘇は古くから伝わる薬膳の知恵を活かして作られた薬草酒で、お正月に家族で飲むことで、一年の無病息災を祈ります。

⚠️ただ、糖尿病の人はちょっと注意も必要なんです!⚠️

今回は、お屠蘇の由来や作り方、そしてその薬膳効果に加え、注意する点についても詳しくお話したいと思います。
お気軽にのぞいて行ってくださいね。



🎍お屠蘇の意味

お屠蘇とは、日本の伝統的な新年の祝い酒です。

新年の朝に家族全員で飲む習慣があって、邪気を払い、健康と長寿を願います。
「屠蘇」の「屠」は疾病邪気を屠り、「蘇」は心身を蘇生する「蘇るよみがえる」つまり健康や生命力を取り戻すみたいな意味が込められているんです。


🎍日本におけるお屠蘇の由来

お屠蘇の歴史は古く、奈良時代や平安時代にまで遡ります。
当時、中国から伝わった薬酒の文化が日本に広まり、平安時代の貴族たちが新年に薬酒を飲む習慣を始めました。
江戸時代にはこの習慣が庶民にまで広まり、今日に至るまで続いているんですって。

🎍お屠蘇の薬膳効果

お屠蘇は「屠蘇散とそさん」というパックで売られているものが一般的です。

1パックに5~10種類の体に良い作用を持つ生薬が調合されています。メーカーやブランドによって中身は全然ちがうんですよね。

そんなにいっぱい飲むものではないので、1パックあれば家族みんなで飲めると思います。私は110円で買いました。


以下に、市販されている屠蘇散の中身をいくつかご紹介しますね。

甘草: 免疫力を高め、炎症を抑える 鎮痛・鎮咳去痰も
桂皮(けいひ): シナモンの樹皮 体を温め血行を良くする
細辛(さいしん): サラシナショウマの根、鎮痛・抗炎症作用があり
乾姜(かんきょう): 乾燥させた生姜で、消化を助け体を温める
甘草(かんぞう): 甘草の根で、炎症を抑え免疫力を高める
白朮(びゃくじゅつ): オケラの根で、消化を助け胃腸の調子を整えます。
紅花: 血行を良くし、鎮痛・抗炎症作用がある
桔梗: キキョウの根で、咳を鎮め、喉の保護に役立つ
浜防風: 血行を促進し、頭痛や疲労回復に効果あり 発汗・解熱にも
陳皮: 消化を助け、胃腸の調子を整える
茴香(ういきょう): 消化を促進し、腹部の不快感を和らげる
肉桂: 体を温め、血行を良くする
山査子: 鎮痛・抗炎症作用があり、関節の痛みを和らげる 消化にも〇
山椒(さんしょう): 山椒の実で、胃腸の働きを助け消化を促進する
丁字(ちょうじ):胃腸の働きを助け、食欲増進
肉桂(にっけい):シナモンの一種で、体を温める効果あり
蒼朮(そうじゅつ): オケラの根で、消化を助ける効果あり

笑っちゃうくらいいっぱいある🤣
この中から5~10種類入っているんですよ。

各メーカーは独自のブレンドや配合比率を持っているから、味や効果に微妙な違いがあるわけです。

だから、市販のお屠蘇を選ぶ際にはできれば材料を確認し、自分や家族の健康に最適なものを選ぶと良いですね。
パッケージには、材料が記載されていると思うので、購入前に確認してみてくださいね。

ちなみに私が買ったものは桂皮・山椒・陳皮・桔梗・大茴香・丁字・浜防風の7種類のセットでした。

これらの薬草が一体となって、体を温め、血行を良くし、風邪予防や胃腸の調子を整えてくれます。


🎍お屠蘇の作り方

市販されている屠蘇散とそさんという漢方薬のパックを日本酒やみりんに浸けて作ります。
薬草が一晩かけて酒やみりんに浸けられることで、成分が溶け出し、お屠蘇が完成します。

一般的なお屠蘇の作り方は

屠蘇散:市販の薬草パックを用意する
お酒と混ぜる:屠蘇散を日本酒や本みりんに浸す(約1合)
6~7時間置く:6~7時間置いて薬草の成分が溶け出すのを待つ

私が買ったものは清酒1合で作って、本みりん30~50mlか砂糖小さじ2~3杯加えて飲むように書いてありました。
甘くして飲みやすくするようです。

ここでちょっと注意点についても触れておきたいと思います。


⚠️お屠蘇を飲む際の注意点⚠️

お屠蘇はアルコールです!

お屠蘇は「お酒」か「みりん」で作るのが基本だとお話ししました。
お酒で作った場合はアルコールだって認識してるけど、みりんで作ったらアルコールだって思わない人って結構います。まさかみりんで酔うだなんて・・・って。

そもそも「みりん」といっても種類は3種類あるんです。

・本みりん
・みりん風調味料
・みりんタイプ調味料(発酵調味料)

アルコールがほとんど入っていない「みりん風調味料」は正直あまりおいしくないから、飲む場合はおいしい「本みりん」を使ってお屠蘇を作るわけなんだけど、

本みりんってアルコール度数14度前後あるから、ほぼお酒とかわらないんだよね💦

だから子供が飲むならみりんを煮切って、完全にアルコールを飛ばさないといけない。
飛ばさないなら飲んではいけない・・・

そして大人も飲んだら運転はできません🚗❌❌❌


みりんは糖質の多い調味料

「私、砂糖は使わないんです」って糖尿病患者さんの中には「みりんにしてますから😊」っていう人が意外と多い。

みりんは確かにGI値が低めで、砂糖よりは血糖値を上げにくいんだけど、糖質が多い調味料であることにはかわりない。カロリーもありますよ。

糖尿病の食事の栄養計算には欠かせない「食品交換表」においては、調味料の「1日使用量」はすべて合わせて0.8単位なのですが

1単位あたり 砂糖20g みりん35g はちみつ25g みそ40g

お屠蘇ってそう飲むもんじゃないとは思うけど、みりんで作ったら大さじ1杯飲んだだけで0.5単位くらいあるから注意しないとです。
(みりん大さじ1杯15mlのグラムは約18gですから)

おせちだって糖分が多いし、こんな一口で調味料を使ってしまうのはもったいないから、形だけの少量にとどめるか、みりんや砂糖の代わりに甘味料を使う、甘みは入れないみたいな工夫がいるかもしれませんね。

おせちについての記事はこちら↓


また、お屠蘇とは呼べないかもしれないけど、屠蘇散にお湯を注いで飲むというのも一つです。漢方茶の考えです。
生薬は溶け出すから、効果は期待できますよね。

お子様ならジュースで作るお屠蘇もいいですね!
こんなノンアルコールお屠蘇が紹介されていたので、拝借させていただきます😊↓


🎍飲み方の習慣

お屠蘇は、新年の朝に若い順から飲むのが一般的です。厄年の人は最後に飲むのがしきたり。

最初に子供や若い家族が飲み、その後に年長者が続くんですが、これは若い人が先に飲むことで、若さと健康を長老に分け与えるという意味があるとか。
若い人の健康や長寿を願う気持ちも込められていますよ。


まとめ

お屠蘇は、新年の健康と長寿を願うお祝いの飲み物です。
その薬膳効果により、体を温め、消化を助け、免疫力を高めるとされています。
ただ、人によっては合わない成分が入っていることもあるので、中身をよく確認して自分に合った生薬が入っている屠蘇散を使って作りましょう。
また、少量でもアルコールや糖質をそれなりに含んでいるということをお忘れなく♪

簡単に作れるので、ぜひ家族で安全に楽しんでみてくださいね。




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交換表についてもこちら↓


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みんと🎈漢方養生栄養士
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