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「父ちゃん糖尿病で~す」と明るく報告を受けたあの日

糖尿病の養生について書いていきたいと思っていますが、まずは夫のことをまとめておかないと話が進まないなと思いました。
初めて夫が糖尿病だとわかった日の衝撃についてお話したいと思います。

これ見よがしにテーブルに置かれた封筒

2021年のクリスマスの朝のことです。
イブにはご馳走を食べて家族みんなであんなにはしゃいで楽しかったのに。
テーブルの上にポツンと置かれた謎の封筒。

「これ何?」と軽く聞いたら、
「父ちゃん糖尿病で~す」と明るく答えた夫。

慌てて封筒の中身を確認すると、先日のドックの結果が入っていました。

血糖値212㎎/dl HbA1c8.9%

この値は「糖尿病のがある」どころか、もうしっかり糖尿病だと考えられる数字です。

血糖値:血液中の糖を測定した値/基準値70~99
HbA1c:過去1~2か月の間の血糖の平均値を反映した数値/基準値0.1~5.5

検診表に書かれていた基準

糖尿病型の評定
①早朝空腹時血糖値126以上
②75gOGTT2時間値200以上
③随時血糖値200以上
④HbA1c6.5%以上
☆初回検査でいずれかを認めた場合は「糖尿病型」と判定
★1回の採血で①~③のいずれかと④が確認されると糖尿病と診断
★別の日の検査で「糖尿病型」が再確認されれば糖尿病と診断
  (ただし④HbA1cだけの反復検査ではダメ)
★「糖尿病型」かつ典型的な糖尿病の症状や網膜症があれば糖尿病と診断

文光堂 糖尿病治療ガイドより


年に1回の健康診断では見逃がしてしまう

もともと低くはなかった血糖値ですが、今回初めて検診で引っかかり、ここまで値が悪くなっていた・・・

当時の夫の健康診断の結果をまとめると
51歳 身長175㎝ 体重95㎏
高血圧(すでに治療していました)不整脈 高脂血症 脂肪肝 そして糖代謝と腎機能の低下・・・

生活習慣病の塊です。

妻である私は管理栄養士。
が、声を大きくして言いたいのは、「出会った時にはすでにほぼこの体が出来上がっていた」ということ。
結婚してからの食生活は病院食のようなわが家です。

ただこのころはまだ、いくら言っても主食をよく食べ、昼食は好き放題に外食していました。
年を重ねて代謝も落ちてきたのに、若い時と同じように好き勝手して、こんなことになってしまった結果だと思います。

もちろん本人が一番ショックを受けている

明るく糖尿病だと伝えてきた夫。
実は夫も医療関係の仕事をしているので、検査値にはすごく詳しいのです。
すごく怖かったんだと思います。
だから検査結果をすぐに伝えることができず、1日一人悩んで机の上にそっと置いておいたんだと思いました。

そういえば、楽しいクリスマスイブの夕食時に、まだ幼い息子の顔を覗きながら
「あと何回見れるかな、こんな顔」
「父ちゃんいつまで生きられるかなと思って」
なんて言っていました。

「いやいや、まだまだ生きてもらわんと困るから!」って笑ったんですが
本人は本気だったんだなと、後から思った次第です。


糖尿病学習入院のすすめ

できることなら、糖尿病のチーム医療をやっている病院に数日でも入院して、しっかり検査と学習をしてきて欲しい。
検査値の知識はある夫ですが、「糖尿病とはどういうものか」についてはわかっていないし、合併症がどうなったら起こるのかも知らない様子。

私は病院に勤めていたころ、糖尿病療養指導士としてこのチームにも所属していました。
学習入院には3日コースと2週間コースがあり、この間に医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・検査技師・理学療法士の講義を受けます。

食事に関しては、2週間の間に管理栄養士が少なくとも3回はお話させていただいていました。

内科だけでなく、眼科や皮膚科も受診して、合併症の有無も検査します。

お金はそれなりにかかりますが、この2週間でしっかり糖尿病というものがわかるし、治療の必要性も伝わるので、ぜひ入って欲しかったのですが、
夫は「仕事が忙しい」と言って、入院することはありませんでした。


糖尿病の病院を探す

それ以前に、病院を探さないといけなかった。
今まで高血圧と不整脈はあったので、循環器の病院にはかかっていたのですが、糖尿病は専門ではないのでちょっと心配で。

ちょっと余談にはなりますが、私が病院勤務しているころのお話で・・・
小さな町医者に掛かった患者さんがすごく悪い状態になってうちの病院に来ました。
「糖尿病のけがあるね。果物をやめなさい」とだけいわれ、放置されていたそう。
果物だけが悪者であるはずがない。

ここまでのことはそうないだろうけど、やはり餅は餅屋だと思う。
内科の先生は何でも診ることができるけど、専門の先生の方がより詳しいのは当然のことで。

昔と違って薬もすごく種類があるし、絶対糖尿病専門医に診てもらった方が良い。
夫にこれだけは言うことを聞いてと懇願しました。

結局今までかかっていた循環器の病院内の糖尿病内科にかかることになりました。


怖くて病院にかかったのは1か月後

いや~、なかなか行かなかったです、病院。
いくら言っても「忙しい」って言って。
現実を受け入れるのがやはり怖かったみたいです。

その代わりちゃんと食事制限するからと、ある程度は頑張っていました。
早く行って欲しいという気持ちもありましたが、気持ちが落ち着くまではと思って、しばらくは様子を見ていました。
どんな人でもすごくショックをうけるので、まずは受け入れるところからだと思います。

高血圧の薬が無くなったところで、仕方なく重い腰を上げて病院に行きました。


ここから糖尿病養生がはじまる

正直、うちのごはんは今まで通りなのよ。
問題は主食のおかわりと外食、そしてアルコールの量。
なので

本人がやる気にならないと始まらない

これにつきます。
いくら家族が頑張っても、本人がやらないなら何にもならないわけで。
なので、一緒に頑張ろうねってことで、やっと食事療法が始まったわけです。

ということで、今回はわが家の糖尿病養生の始まりについて書かせていただきました。

養生の内容についてはまた少しずつ書いていきたいと思います。
興味を持っていただけると嬉しいです。

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みんと🎈漢方養生栄養士
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