マーケティングリサーチの関連用語を理解する(リサーチ全般編)
ビジネスのPDCAに欠かせないマーケティングリサーチ。でも、調査会社の担当者にマーケティングリサーチの相談をしようにも、リサーチ用語が分からなくて不安、ということはありませんか。そんな不安がおありでしたら、マーケティングリサーチの関連用語をおさらいしてみましょう。今回のコラムでは、まず定量調査のリサーチ全般に関わる用語をご紹介します。
アドホック調査
特定の調査目的のためだけに、都度実施される単発の調査です。調査企画から分析・報告までが一回で完結します。通販ビジネスをされる皆様が通常実施する調査はアドホック調査が多いでしょう。
パネル調査
調査対象者を固定化し、同じ調査を同じ対象者に繰り返し行う調査です。時間の経過による対象者の変化を見ることができます。データを蓄積して分析・報告をします。
消費者インサイト
消費者自身が気づいていない、または気づいていても言葉にすることができない隠れた意識・行動・動機。主に価値の真理(例:なぜそれが好きなのか)、不満の真理(例:なぜそれが嫌いなのか)、未充足の真理(例:もっとこうだったらいいのに)に分けられます。インサイトは、アンケートをしただけでは簡単に見つかりません。消費者が自分でインサイトを提供してくれるわけではないからです。リサーチ結果を分析し、調査者が自分で「なぜそうなのか」というインサイトを導く必要があります。
代表性
調査対象者全体(母集団)から抽出された回答者の調査結果が、対象者全体の結果を偏りなく正確に反映できているかどうかということ。
かつてインターネットユーザーが少なかったときは、インターネット調査の結果は代表性が低いと言われていました。現在日本では一般消費者のインターネット使用率が8割を超えていて、大多数がインターネットユーザーです。そのため、インターネット調査の結果は一般的に代表性の高いものとなっています。一方、インターネット利用率の低い70歳以上の消費者のインターネット調査結果については、代表性はやや低くなり、結果を読む際に注意が必要です(一般的な70歳以上の人と比較し、70歳以上のインターネットユーザーは先進的な傾向があると考えられます)。
出現率
調査対象者全体(母集団)の中で、ある条件にあてはまる人の割合。たとえば、週5日以上何らかのサプリメントをとる人の出現率は●%などと表現します。当然ながら、出現率が低くなればなるほど、アンケートの回収は難しくなり、調査コストもかかります。
協力率(回収率)
アンケート調査を依頼した数に対する、回答した数の割合。1,000人にアンケートを配布して、100人から回収できたら、協力率は10%です。協力率は、様々な要因に左右されます。魅力的な謝礼を提供することで協力率が上がることもありますし、質問数が多すぎると途中で脱落する人が増えて協力率は下がります。
スクリーニング調査
調査対象者の条件抽出をするために、本調査に先駆けて行う事前調査。対象者条件が具体的で出現率が低いことが予想される調査では、スクリーニング調査は必ず実施すると言って過言ではありません。スクリーニング調査で特定の条件に該当する人に対してのみ、本調査を実施します。
n数
アンケートにおけるサンプル数(標本数)のこと。n=100などと記載します。
均等割付
調査対象者の属性ごと(年代や性別など)に、前もって均等にサンプル数を指定すること。このようにして調査を実施すると、各グループで分析に十分なサンプル数が確保されます。ただし、均等割付した構成比は実際の母集団の構成とは異なることに注意する必要があります。たとえば30代・40代・50代・60代以上というグループごとに50人ずつ均等割付して回収したデータは、日本人口全体の構成を反映してはいません(本来は60代以上が一番多いはずです)。
いかがでしょうか。一般的な用語だけ取り上げても、このくらいはあります。やっぱりリサーチ用語は難しいなと思われた通販ビジネスのご担当者様、当社が皆様のマーケティングリサーチをサポートしますので、心配はご無用です。通販ビジネスのマーケティングリサーチにご関心がありましたら、ぜひお声がけください。
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